麻雀(リアル)

リアルでの自戦記や観戦記

近代麻雀11月2日発売号

最強戦のレポート漫画ktkr!
どれどれ、俺のこと書いたって菅野先生言ってたお(*´ω`*)

2009110200390001_2

誰wwwよwwwこwwwれwwwっうぇ

やばいだろwwダンディすぎんだろww
こんなダンディに書かれたらもう人前出られないだろwww

「え・・・漫画と全然違う・・・・」

って目に見えてるだろww

しかも葉巻wwなんで葉巻なのww
俺たばこも吸わないのにww

てか会場禁煙だったでしょwww
雀鬼様でさえ禁煙守ってたのにwww
何でパンピーの俺が葉巻燻らせてんのwww


てことで、結構楽しく読ませていただきました。

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最強位戦を振り返って

個人的に、僕は麻雀に関して
今後は「融合」が進むのではないかと思っている。

ネットとリアルの麻雀をどちらも高レベルで打ちこなし
デジタルとアナログを適切な判断の元で打ち分ける、
そんな、いわば「ハイブリッド」な打ち手が
今後は増えてくるんじゃないかと思っている。

もちろん、対立構図を作った方がイベントは盛り上がる。
ネットvsリアル、デジタルvsアナログ(オカルト)だけでなく
プロvsアマ、あるいは雀鬼会・・・

だから、取材には

「ネット否定論者には負けたくない」

と軽く煽ったコメントをしてみた。

とは言え、会場入りした後も、いつもと同じような感覚で
顔見知りのプロと談笑したりしながら
対局開始までの時間を過ごせた。

応援に駆けつけてくれた人と
開始前に話せたことも大きかったかもしれない。

ずいぶんリラックスはできたと思う。

ところが1戦目、卓に着いて開始を待っていると
やたらいかつい人が対面に座る。
ぱっと名札を見ると、僕らと同じネームプレートではなく、紅白のリボンに

「第○回最強位 △△」

と書いてある。

(この人知ってる。昔雀○会で優勝した人だ!)

僕が今よりずっと若い頃、
・・まだ近代麻雀を欠かさず買っていた頃だ、
その様子が雑誌に載っていた。

今回も余裕綽々で付き人まで居て
お茶のペットボトルなんか買いに行かせている。
貫禄っていうか大物感十分だ。

(いきなりラスボスとエンカウントとかwww)

とか思いつつも、逃げるわけにも行かないので
腹をくくって戦うことに決める。

北家で始まった東1局、
中盤にメンピンでリーチをかけたけれど
直後に親に追いかけられて1000オールを引かれる。

まぁ薄い待ちだったししょうがないと思いながら
主導権を獲りに行こうと次も積極的に仕掛ける。

この手の大会で地蔵だけは勘弁だ。

一萬一萬六萬七萬八萬四筒六筒 チー七索横五索六索 ポン白白白横ドラ四筒

一萬がほぼ安全なのと上家と親が降り気味なのを見て
白を加カンする。カンドラは七筒

そして一萬がアンコになって四筒単騎に変える。

枚数と打点を考えたら、その方が得だと思ったから。
こういうカンは所によってはご法度らしいけど
そのルールで打つことがいい麻雀を打つことかどうかは微妙だと思う。
少なくとも、僕は僕なりの価値判断でカンをするかしないか決めたい。

仕掛け返してきた対面がドラをツモ切って6700の収入。
それがあがれたのは心理的にすごく大きかった。

その後も、対面から

六筒六筒西西 ロン西 ポン七筒横七筒七筒 ポン白白白横 ポン中中横中ドラ六筒

こんな倍満やらあがってダントツで1回戦を終えた。
実は、オーラスの親であがったので続行することもできたんだけど
さっさと終わらせた。

明確な条件があるならまだしも、
そこまでして素点をたたかないといけない状況じゃない。

でも対面はいわゆる「強い打ち手」特有の雰囲気があった。
卓を囲んでみて分かる圧倒的な威圧感があった。
強打云々は僕はあんまり気にしないけど
切り出される牌にそれをものすごく感じた。

強打は、あれが基本動作って言われるとものすごく違和感ある。
僕はあれはできなくていい。
最近リアルをあまり打ち込んでいないので、
もう少し綺麗に牌を扱えたらいいなとは思ったけど。

ともあれ勝てたのはラッキーだった。ホントに。

続く2回戦も一時期7万点近いトップに立ったんだけど
東場だったので加点しにいったら
倍満を親でかぶって、さらに2着目にリーチ負けしてデバサイの親満を打ち
自分が2着目に落ちてしまう。

でも焦りは無かった。

その時点でまだ南1局だったし、
僅差の2着目だったら、そこから仕切り直しだと思えばいいのだ。
まだもう一山も二山もあると思っていた。

実際には場は急に落ち着いてしまい
辛うじてノーテン罰符で逆転してオーラスを迎えた。

点差はわずか100点。
あがればもちろんトップ。

一萬二萬三萬五萬六萬四筒五筒六筒六筒七筒八筒八索八索ドラ七索

このピンフ聴牌から、親のリーチに無筋の七筒八筒を押す。

危ないといえば危ないんだけど
上家が六筒を持っていそうな読みがあって
一応勝手にワンチャンスだと思い込んでみた。

結局降りたんだけど。

次もピンフのみを聴牌したんだけど
嫌った方のメンツが完成する間の悪さを乗り越えて
どうにか和了して2連勝。

大きいトップ2つなので
次に2着ならほぼ確定、3着でも点差次第という状況で
最終戦を迎える。

最後は3着で終わったんだけど
ほとんどノーミスで打てていたので
これで落ちたらしょうがないと思って割と気楽に成績発表を待てた。

トークショーはまぁ予想していた話。

PCのことはぜんぜんわかんねぇんだよなと言いながら
ネット麻雀を思い切りディスっていた。
別にどう思ってたっていいけど、明らかな誤解もあった。

「俺と弟子の間には言っちゃいけないことなんてねぇんだ」

って言ってたけど、多分弟子はそうは思ってないんだろう。
もし本当に師弟揃ってそう思っているなら

「会長、知らないことを思い込みで批判するのは・・」

って言う弟子がいたっていいはずだ。
自分たちのことを批判されると

「何も知らないくせに」

って言うでしょ?

そして成績発表。
思っていたよりもボーダーは低くて
何とか上位に食い込めた。
(たぶん、ネット予選からの通過者は僕だけだったと思う)

準決勝はトップのみが決勝進出。

東1局、親で3巡目にこの形。

三萬三萬八萬八萬二筒三筒五筒六筒七筒東東西西ドラ三萬

2枚目の西から仕掛ける。

1枚目が出た時は、ドラが浮いていたのでスルーしたのだけれど
すぐにドラが重なったので、今度は仕掛けた。

そして2巡後に一筒が上家から出たんだけど
これはスルーした。

この状況でこれを鳴くと、さすがにダブ東は切ってきそうにないから。

裏裏裏裏裏裏裏 チー一筒横二筒三筒 ポン西西横西

これが、点数に動きが出た後であれば
切ってくる他家もいるかもしれない。

でも、開局直後であればやはり慎重になるだろう。
とすれば、よほどのことが無い限り、ダブ東では待ちたくない。
できればそこを鳴いて1-4pで待ちたい。

結果はスルーしてすぐに自力で一筒を引いたので
早い段階であればこぼれてくるかもしれないと期待してたんだけど
残念ながら、終盤まで山に埋もれていて誰も持っていなかったらしく
放銃という結果になってしまった。

でも、2枚目の西に声を出せたあたりでは
ちゃんと打てているという実感はあった。
これを鳴かないようでは逆に自分のフォームを崩している。

その後、何とか食いついていって
ラス前にトップ目が満貫放銃で点数を失ってくれて
オーラスを3900点差のトップ目で迎える。

そしてこの形。

一萬一萬二萬三萬四萬五萬五萬五萬六筒八筒二索四索六索七索ドラ南

一萬を切ってタンヤオに向かおうかとも思ったんだけど
ここは最速の聴牌を組むべきだと思い、
どちらかのカンチャンを払うことにする。

マンズが自然な形で変化すればタンヤオにもなるし
後々の多面張変化を考えてピンズを払うことにして打八筒
すると次に引いたのが頭がダイレクトに振り変わる六筒

そしてすぐに上家から出る三索。もちろんチーテン。

二萬三萬四萬五萬五萬五萬六筒六筒六索七索 チー三索横二索四索

これはもらった。

正直そう思っていた。
がしかし、直後にラス目の親が切ったドラを
満貫ツモでトップになる下家がポンして
さらに親からリーチが入る。

一発目で掴んだのは暗刻筋の八萬
具合の悪いことに親も下家も九萬四萬を切っているのだ。

降りるか、向かうか。

一瞬だけ迷ったけれど、ここは踏み込んだ。
親に放銃であればまだチャンスは残るし、下家はノーテンだという確信があった。
それに、勝負事では乗り越えなければいけない山場があるものだ。
安全運転して、逃げ回って勝てることなどそうは多くない。

意を決して八萬をツモ切る。

下家がこれをチーして、親の2900に飛び込んだ。
聞けば鳴いても早くなっていない形だったという。
おそらく下家もいつもの麻雀を打ててはいなかったんだろう。
半荘を通じて、随所に緊張の色は隠せなかった。

鳴かなければどうなっていたかは神のみぞ知るところだけれど

これあがれないとか><

と正直少し落胆はした。
気を取り直して次で決めるつもりでいると、2着目から4巡目にリーチ。
いつもだったら

はいはい、終わり終わり。

と挫けてるところだけど、今回は違った。
むしろ開き直ったというか、腹が据わった。

だめかもしれないけど、全力で向かおう。

そう決心して、必死に粘りに行く。
そして12巡目に追いついた。

二萬三萬四萬一筒三筒七筒七筒一索二索三索三索四索五索ドラ三筒

ドラ表示牌のカンチャンだけど場には出ていない。
もちろん追いかけた。

結果は対面のツモ。1000-2000の1本場。

タンヤオの四面張だった。

終局後、ポイントの確認を終えて、僕はふと思い出して山を開いた。
見れば悔しさが増すのは分かっていたけれど
後ろで見ているたくさんの人々は、知りたいことがあるはずだ。

二筒は・・・

表示牌でめくれた二筒の残りのうち
2枚は並んで1番目と2番目の嶺上牌に寝ていて
もう1枚が海底牌の次だった。

こうして僕の最強位戦は終わった。
決勝戦はほとんど見ていない。
金村さんが強いのは見ている人はみんな分かったはずだ。
予選で見ただけで十分分かった。

少なくとも、あれだけのプレッシャーを受けて
決勝まで勝ち進んだ精神力は心から敬服する。
これは僕の想像だけれど、多分全参加者の中で
あの人が質量ともに一番打ち込んでいるはずだ。

あそこまで鍛えられるんだとちょっと驚愕した。

でも、ってことは、もしかしたら僕ももっと強くなれるかもしれない。
彼らとは違ったアプローチでだけどね。

最後に。

もちろん僕は、他人のために麻雀を打ったわけじゃない。
でも、応援してくれる人の存在は
いい麻雀を打ちたいという気持ちの原動力になった。
6月に出場が決まった時に、一つだけ誓った。

最後まで切れずに、折れずに打ち切ろう。

それは実行できたと言える。
最後まで集中して、丁寧に、果敢に打てたのは
応援してくれた人のおかげだ。

現地で、ネットで応援してくれた方はもちろんのこと
主催の竹書房さん(すいません、アンケート出すの忘れました><)
自動卓を提供してくれたアルバンさんはじめ協賛各社、
黒子として運営に携わっていたプロの方々(協会の人が多かったように思う)、
いろんな方のおかげで、とてもいい経験をさせてもらった。

あと一歩、届かなかったことも含めて。

ともあれ心より御礼申し上げる。
本当にありがとうございました。

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最強位戦のご報告

16/168の準決勝までは通過できましたが
4/16が突破出来ませんでした。

応援してくれた方々、ありがとうございました。
全力は尽くしましたが力不足で申し訳ないです。

明日夜に改めて配信でもご報告します。

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決戦前夜

なんて書くと大仰だけど、
ちょっと酔った頭で挨拶がてら更新。

これで当日寝坊してばっくれたなんてことになったら
配信が荒れるなんてもんじゃ済まないと思うので
明日は寝坊せずに両国に行こうと思います。

いろいろ応援してくれる方が多くて
光栄に思ってます。
せっかく天鳳の代表で出るので
だめもとで頑張ってきますね。

ちなみに雑スレのこれはホントに僕の書き込み。
レスくれた方、ありがとう。

663 名前:焼き鳥名無しさん[sage] 投稿日:2009/10/03(土) 22:18:42 ID:???
天鳳SNSにも書きましたけど
明日の最強位戦、だめもとで頑張ってきますね(*´ω`*)

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神田にて

先日、赤無し東南の実戦を打ちたくて
はこパラ(麻雀専門SNS)で日記を書いて情報を募った。

さすがに専門SNSだけあって、いろんな方がコメントを書き込んでくれて
すぐにいくつかのお店の情報が手に入った。

そのコメントの一つに、フレンドリンクをしてもらっている
とある女流プロからの書き込みがあった。

フレンドリンク、というのは、mixiにおけるマイミクのように
ある程度、仲の良い相手に限定して相互リンクするものなのだけれど
実際のところ、僕は彼女とそれほど仲は良くない。
昨年あったイベントの都合でリンクをさせてもらっているだけで
面識がある、といった程度に過ぎない。

そんな彼女は、こう書いてくれていた。

「ごめんなさい、分からないです><」

もちろん、分からなければそのまま素通りすればいい。
それは彼女の責任では全くない。

でも、何となく、その一文には好感を持った。
知っていることならきっと懇切丁寧に教えてくれるんだろうなと
こちらに思わせる雰囲気があった。

そして僕は、数多く入った情報の中から
自分の行きたい店を選んで
赤無しの東南戦を打つことが出来た。

話としてはそれで終わりなんだけど
後日、僕は、その女流プロが
自らが店長となって新規に雀荘をオープンさせたばかりであることを知った。
場所は神田だという。

そして、行ってみようと思った。

だって、新規オープンの雀荘の店長だ。
新規客は喉から手が出るくらい欲しいはずだ。

僕は自分でも雀荘を経営しようと思ったことがあるから知っているけど
いまどき、雀荘の経営は楽ではない。
頑張って営業をかけて、宣伝して客を呼んだとしても
一人当たりの客単価は数千円にしかならない。

可愛い女流を揃えたら揃えたで
色恋だの粘着だの悩みは尽きないし
人件費はかさむ。

サービスチケットを渡しても
ポイントカードを工夫しても
リピートするかどうかはまるで期待できない。

質の良い従業員を確保するのも簡単ではないし
育成したとしても育った頃に、独立されてしまったりもする。

そんな折に、面識がある程度とはいえ、
一応はフレンドリンクをしている相手が雀荘を探しているのだ。

「赤ありだけどうちにも来てよー」

くらいのことを言ってもおかしくは全然無い。
場合によっては推奨されるまである。
やり手、と言われる人間の中には
そういうところに機敏な人間も多い。

でも言わなかった。

言いたいのを我慢したんじゃないかもしれない。
その時は、きっと単純に
僕が知りたい情報についてのみ思考をめぐらせていて
自分の商売と結びつける発想が無かったのかもしれない。

あるいは言いたいのをぐっとこらえたのかもしれない。

どちらかは分からない。

お人好し、なのか、そういう宣伝はしたくないのか分からないんだけど、
僕は彼女が自分の店の宣伝をしなかったことで
逆に行ってみようと思った。

それだけなら、僕が単にへそ曲がりっていう話なんだけど
話はそれだけではない。

行ってみようと思い立った僕は、店を探してみて、行き詰った。
HP代わりにお店のブログがあるんだけど
場所も電話番号も書いていないのだ。
駅からすぐ、ということだけは分かったけれど
駅のどちら口か分からなければ、お店なんて見つけられない。

仕方が無いので、本人にメッセージを送って尋ねた。
すると、数時間後に返事が来た。

ブログに地図やルールなどを載せたので
それを確認してくれとのことだった。

ああ、仕事に真剣なんだなと、
それは本当に感心した。

見込み客から問い合わせがあったので、
その問い合わせに直接答えました、おしまい
という対応でも不思議は無い。
凡庸な人間であれば、それでそのままだ。
あるいは、無気力な人間でも同じだ。

彼女は、僕の問い合わせを受けただけで
自分の店に足りないものを見つけるだけの
熱意と才覚を持ち合わせているのだ。

一つの問い合わせやクレームの陰には
その何倍もの同じ問い合わせやクレームが隠れている。

同じような理由で顧客を失っているかもしれないと想像できることが
ビジネスではものすごく大事なのだ。

この文章を読めば想像できるように
おそらく至らない点はたくさんあるんだろう。
(僕は気付かなかったけれど、最初から満点の店など存在しない)
彼女自身、毎日が挑戦であり勉強なんだろう。

でも、その熱意があれば、きっともっといいお店を作れる。
トップの熱がコアにならないような店はまず成功しない。
それが幹部に伝わり、幹部から従業員に派生する。

ただ、それがそのまま
商売的な成功に結びつくと断言できないところに
雀荘というビジネスモデルの難しさはあるのだけれど。

なぜって、現時点で成功の要素を備えていたとしても
それが維持できるとは限らないし、
極めて維持しにくい業界であることもまた
否定しようの無い事実だから。

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陽動作戦?

麻雀を打つことだけに関して言えば
天鳳で十分打てるんだけど
やっぱりリアルの牌の感触も思い出しておかないと
実戦で余計な気を使うことになるので
リアルで打ち込もうと出かけてきた。

せっかく行くので、ルールも赤無し東南の店を探して行った。

リアルの打数は激減している僕だけれど
実際に卓に着いてみると
思ったよりも牌捌きのようなものは違和感が無かった。

カジノのチップやカード扱いもそうなんだけど
体で覚えてしまったものはそう簡単に忘れないってことなんだろうか。

麻雀の調子自体も悪くは無かったけれど
やっぱりネット麻雀とは微妙に感覚が異なる。

ポンの声が咄嗟に出てこないというケースが一度だけあって
これはちょっと意識していないといけないかもしれない。

で、1-2-1と来た4戦目で客が入れ替わった。
調子がいいなという実感はあったんだけど
もちろん対戦相手の観察はする。

外見や牌捌き、視線の配り方・・・
いや、席に着く瞬間の所作も見る。
そんなところから相手の力量を推し量ろうとしてしまう。

で、その客。
だいたい30代前半に見えたんだけど・・・

ハローワークの封筒持ってたのね。
これにはちょっと参った。
で、また財布を持っていなくて
ポケットから札をじかに取り出すんだ。

これ芝居かなと思ったんだけど
街中の安いレートの雀荘でそこまでするとも思えない。

ちょっと闘争心を削がれて、
そこでラス半をかけて帰ってきた。

大会が日曜日で良かった。
ハローワークはやってないから。

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Bランク八段

最近、僕はほとんどリアルで麻雀を打たない。
時々誘われるセットくらいだろうか。

理由は簡単。

天鳳があるからだ。

もちろん天鳳の方がリアルより面白い、というわけではない。
でも、移動に要する時間やある種の対人のわずらわしさ、
あるいは煙草の煙や匂いなどを考えたら
自宅で天鳳をやる方が楽しさの純度みたいなものは高くなる。

とは言え、僕はもともとリアル出身のプレイヤーだし
麻雀業界に知人も少なくない。
彼(彼女)らとたまには会いたい気持ちはもちろんある。
(逆に言えば、そういった人的つながりが無ければ
リアルで打つ気分にはならないとも言えるんだけど)

ということで、今週は珍しく二日もリアルで打った。
場所は二日とも渋谷の坂の途中にある雀荘。
一日は大崎初音嬢と会うために。
もう一日は保坂君と会うために。

その店に行けば、木原浩一、佐藤崇といったトッププロと打てるのも
結構大きな魅力だと思う。

成績は一日目は5Kほど負け、二日目は0.1K浮いた。
15回くらい打っただろうから、まぁ場代だ。

でも、やはりというか何と言うか、ラスは二日間で一度しか引かなかった。

打っていて思ったんだけど、
やはり天鳳の意識はどうしても出てきて
ラスとの点差をやたら気にしていたような記憶がある。

とは言え、フリーの押し引きと天鳳の押し引きはかなり違う。
そもそもルールからして幾分違う。

西は場風だし(だから西家は常にダブ西だ)
本場は1本につき1500点だ。
裏ドラと赤牌には祝儀が付くし、マンズは赤の代わりに金が入っていて
これは赤2枚分の祝儀だ。

こういったことを考え合わせれば、
フリーにおいては前に出た方が得になってくる。
めくりあいもガンガンした方がいい。

一日目は某女流プロと同卓したんだけど
オーラス、トップと3800差、2着と3100差の僅差の3着目。
ラス目が女流プロで10800差。

8巡目に女流からリーチが入る。
捨て牌は覚えてないけど、2mを切ってのリーチ宣言だ。
そしてそれが唯一のマンズだった。

そこへ僕の手牌。

四萬五萬三筒四筒五筒赤五筒六筒七筒一索二索三索四索四索

ドラは無いけど、ピンフ赤1の手だ。
リーチをかけるとトップ条件を満たすけど、
もしかしたらラス脱出の条件をリーチ棒で満たすかもしれない。

ダマのままでも1,2着目から出れば2着だし、ツモればトップだ。
その店も1.0の2-4というレートなので
3着から2着になる和了というのはかなり価値が高い。

天鳳なら僕は多分ダマにするだろうと思う。
だけどフリーならここはリーチで攻める方が多分得。
残念ながら、ツモれずに流局してしまったけど。

というか、女流プロが二軒リーチ中にもう一度持ってきた2mで

ビクンッ

って動きをしていなければ
もしかしたら出す人がいたかもしれない。
1mがアンコで待ちが3m4mのシャンポンだったので
カン材としても和了牌としても間違えるから手三味線とは言えないけど、
そんな動きされたらマンズの下なんて出ないよ(涙)。

次の回にトリプルロン打って飛んでたから許すけど(笑)。

でも、この店は、腰牌やモーション、あるいはメンバーの打ち方に規制が一切なくて
それについては僕は本当に素晴しいことだと思う。
無いっていいながらあったりするのはあんまり好きじゃない。
規制一切ありませんって徹底されてれば、
その情報を排除して考えればいいだけだから。

ただし、今回は赤や金が二日ともあまり来なかったせいで
あまり打っていて心躍ることはなかった。
(金牌が来ないと勝てないと木原さんに冗談で泣き付いたら、ヤカラ扱いされた)

保坂君には4枚オールとか3枚オールとかガシガシ引かれたし
倍満の5枚ってのを放銃した。

北一萬九萬南一索白
七筒七索三萬横

こんな感じの捨て牌でリーチをかけられた親番、
僕の手牌は以下。

四萬五萬赤四筒五筒六筒七筒八筒八筒三索三索六索七索八索 ツモ四索ドラ三索

こんなもんツモ切るに決まってる。
4sなんて通るだろって普通思うよね。

そしたら

五萬六萬七萬三筒三筒四筒四筒五筒五筒四索五索五索五索赤

こんな形で、しかも5sが裏ドラだって。
ロビチャで小一時間暴れたくなるような放銃だ。

それでもフォームを崩さないように我慢を続けながら打った。
手牌に溺れて突っ込み過ぎないように。荒くならないように。
ついてないのはしょうがないけど、
フォームを崩すのはしょうがなくないから。

昔のことをいろいろ思い起こしてみると、
以前よりやや引き気味になった気はするけど
僕はもともと押し過ぎる傾向はあったので
むしろ堅実にまとめられるようにはなったのかもしれない。

天鳳で打ち込んだおかげで、
多分、CランクからBランクくらいにはなれたと思う、
とヤカラ扱いされた腹いせにちょっとだけ意地悪を言ってみる。
少なくとも、可愛いメイドにそういう誤情報を与えるのはやめて><

オモウラ日記Returns

麻雀(リアル) | | コメント (3)

・・・クマ?

一ノ瀬萌嬢のブログで告知があったので便乗。

【日本熊森基金チャリティー麻雀大会】


日時・・6月14日(日曜日)

場所・・・横浜 麻雀サロンシルバー

会費・・・3000円

当日受付時間・・・14時30分から15時

大会開催時間・・・15時から19時30分まで

内容・・・アリアリルールで半荘4ゲーム(45分プラスもう一局)


※表彰は成績優秀者、飛び賞、ブービー賞など

※利益の全額を「日本熊森基金」に寄付致します

※お問い合わせ、お申し込みはシルバーの斎藤真史さんまで


◆メールでのお申し込み

横浜雀友会HPから申し込むだけ。

◆シルバーさんについて

〒220-0004
神奈川県横浜市西区北幸2-9-40銀洋ビルB1
(電話番号 045-314-0704)

(http://www.yokohama-silver.jp/ )

大会の趣旨はざっくり言えば「日本熊森協会」へのチャリティってことだろうか。

昨年も参加した大会なんだけど、
今年も一ノ瀬萌嬢が誘ってくれたので参加させてもらうことにした。
熊といえば天鳳ユーザーにとっては瑞獣のようなものなので
お暇な方は参加するとよろし。

オモウラ日記Returns

麻雀(リアル) | | コメント (5)

チャリティ麻雀大会

一ノ瀬萌嬢に誘われて、
女流プロ有志の主催によるチャリティ麻雀大会に参加した。

非常に盛り上がっていて、人気女流とリアルで対局できるということが
これほどまでに集客力を持つということを改めて知った。

麻雀プロという一つの立場から
周囲や社会にどう関わっていくか、ということを考えた時に
こういった大会を企画、運営していくというのは
やはり評価されるべきことだと思う。

中心となって主催、運営されていたプロの方々には
心より、敬意と賞賛を惜しまない。

誹謗中傷の絶えない業界だから、
偽善だ売名だとか言われることもあるのかもしれない。

協賛店舗もかなり多かったが、
意義に賛同してというよりは、集客を当て込んでいるのかもしれない。
チャリティ以前に麻雀プロや雀荘はちゃんと申告、納税すべきなんじゃ、
とかそういう指摘もあるのかもしれない。

でも、僕にはそういうことをいう資格は無いので、
良い面からまず見ようと思うだけだし、
この生産性の低いゲームで、まとまった金を作って寄付するだけでも
素晴らしいことじゃないかと思うのだ。

麻雀というゲームを覚えて良かった、
そう思えることなんてそんなに多くないし
昨日の大会は、そう思わせるだけのものはあったように思う。

終始一貫して和やかに盛り上がっていたし、
多くの女流にもホステスとしての意識があった。

顔なじみとだけ喋ったり、人見知りしたりする女流も
それはまぁいないわけじゃないんだろうけど
昨年批判されていた部分は、明らかに改善が意識されていたと思う。
新参の人はすごく敏感になってしまう部分だから
もっとそういう意識が高くなってくればいいし、そうであってほしい。

おそらく、ではあるけれど
純粋な意味での競技者としての女流麻雀プロには、
現段階ではそれほど多くのニーズはないんじゃないだろうか。

囲碁や将棋もそうだけれど
技術的な実力だけで言えば、その辺の一介の愛好家の方が
ずっと上だったりするわけだし。

だけど、普及や宣伝、広報的な役割に関しては
存在意義はやっぱりものすごく大きい。
男性の遊戯人口が圧倒的に多い世界だから
若い女性がいるというだけでも十分大きいわけだ。

今、女流をゲストプロで呼ぶ雀荘が多いのは
やはりその集客効果を見込んでのことのはずだ。

だとすれば、ゲストで呼ばれた時に、
店側が呼んで良かったと思ってくれるような
そういう仕事をしなくちゃいけない。

単純に、集客の努力をする、というだけではない。
個人的な人脈を使ってお客さんを呼ぶ、というのは
ある意味では当然というか最低限のことだ。

そうではなくて、そこにいる人全てに
どれだけ女流プロとしての自分をアピールできるか
そこにかかってくるようになると思う。

言い換えるなら、それができない女流は
淘汰されてしまう時代はそんなに遠くないだろう。

ゲストで行くからには、客の前で
マイクを使ったスピーチや挨拶をすることも多いだろうし
空き時間に雑談やファン対応(サインや撮影)をする機会も
当然頻繁にあるだろう。

そつなくスピーチをこなせる、とか
積極的にファンサービスをやっていく、とかいうのは
もう必須になってくるんじゃないかと思う。
受身で対応するだけではなく、プロ側から話しかけるくらいでないと。
緊張して話しかけられないのはお客さんの方にもいるんだから。

それにつれて、ストーカーや粘着への対応も
当然もっと注意しなくてはならなくなるだろう。

思うにプロ団体は、女流研修として
スピーチや挨拶の練習やファンサービスの基本、
ストーカー対策といったことを
団体としてやって行くべき時期なんじゃないだろうか。

挨拶がたどたどしくて笑ってもらえるのは、
緊張のあまり顔が強張っても許されるのは、新人の間だけだ。

女流プロの世界にはまだまだ可能性がある。
同時に、まだまだ甘えもある。

CDまで出している超人気女流が
スピーチでトチリまくっている様子に、ふとそんなことを思った。

ぶっちゃけ内心では、激しく萌えていたんだけど。
(だって可愛くね?)

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関西オフ

今回、サッカー観戦に神戸まで遠征したわけだが
同時にもう一つ目的があった。

関西在住の知人とセットを打つことだ。

知人と言っても、もともと知り合いだったわけではない。
僕のブログを読んでくれていた人と
ブログ上で、あるいはSNSなどでコンタクトを取って
お目にかかる機会を設けてきた結果だ。

もちろん、幹事を頼んだ方以外には大半が初対面だった。

とは言え、実のところ、麻雀の世界はあまり広くない上に、
継続して更新しているブログはあまり多くないから
みんな同じブログを見ているということは多いらしい。
だから、読者と管理人の関係だけという別々の接点のはずなのに
当日に会ってみると、共通の知人だったりする。

え、貴方たち知り合いだったの?

なんてことも結構ある。
ホントに狭い世界なんだ、麻雀の世界は。
なのになんでこんなに分裂して・・ああ、これは止めておこう。

一方肝心の麻雀はというと、
出だしが和了も放銃も0という空気ラスだったのでどうなることかと思った。

赤無し東南で空気ラスっていくらなんでもショボ過ぎる><

僕は最近は天鳳ばかりやっているけれど
一年前までは逆にリアルしかやっていなかったし
今でも、ネットよりリアルの方が自信があったりする。

リアルとネットの違いについてちょっとだけ書くと、
手に入る情報が違うから、当然処理の仕方も変わると思う。
鳴きラグは無いけど、目線や動作で分かることもあるしね。

ただし、基本的な打ち方はそれほどは変わらない。

天鳳ではラス回避が大きなテーマだし
自分自身それをかなり強く意識しているけれど
だからといって、リアルにその意識が生かされないということはない。

もちろんネットとリアルはまるで違うという意見もあるけれど
僕自身はそこまで大きくは変わらないんじゃないかなと思っている。

でも、どちらが慣れ難い(時間がかかる)かといえばリアルだろう。
麻雀牌を扱うのって慣れないと難しい。
数ヶ月打たないだけで感覚は相当変わるし。

っていうのは、牌をポロポロこぼした言い訳(笑)。

結果は後半持ち直して、4回やって2-0-1-1で13名中3位。
天鳳七段として簡単に負けなくて良かった(笑)。

「これで七段?天鳳ってレベルが低いね( ̄w ̄)プッ」

みたいなことをやってない人に言われるのはちょっと嫌だった。
低いのは僕の技量であって、天鳳の水準ではない。

その後、神戸の居酒屋で簡単に飲み会。
もちろん天鳳の面白さを力説しておいた(ここはすごく大事)。

コースの料理が運ばれてきて、最後に

「以上でコースのお料理は最後です」

って従業員の女の子が言うから

「え?神戸牛のステーキが来てないよ」

って言ったら、普通に笑ってくれた。
関西の女の子を笑わせることができると
なんだかすごく達成感がある。

なんていうか・・笑いに関しては妥協を許さないというか、
客にも平気で突っ込みそうな気がするし。

「オッサン、おもろないねん!」

とか。それは言わないか。
今思い返すとそんなに面白くない冗談だけどね。

ともあれ楽しかった。神戸まで行った甲斐があった。

こういうのって僕のような人間にとってはかなり新鮮だ。
ブログをやっていて良かったなと思う。

オフで会うのは僕にはそんなに抵抗は無いけれど
相手はどうかなといつも思うから。

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残すもの、変えていくもの~第33期最高位決定戦に寄せて

会場の片隅にあるソファの横に、それは静かに置いてあった。
特にケースに入れられるでもなく、警備の人間が着くわけでもなく。

それはそうだ。

ジュール・リメ杯のように純金で出来ているわけでもないから
物質そのものにはさほどの価値は無い。
しいて言うならば、世間的にはほんの小さな名誉が備わっているだけだ。

ところどころにくすんだ色合いを放つそれは
ずいぶん昔に作られた雰囲気を醸し出していた。
どうやら、毎年新しく作られる物ではないらしい。

200811301330001

200811301330000

僕はそのソファに座って、傍らの顔見知りの関係者に尋ねる。

「これはいつ作られたもの?」

彼は困ったような笑顔で答える。

「さぁ・・いつなんでしょうね・・」

するとそこに上から声が降ってきた。

「10期目くらいかな、作ったのは。
何でかゴルフボールが下に付いてるんだよね」

その声に顔を上げると、
そこにいたのは飯田正人その人だった。

彼が指差したカップの下には
確かに金色のゴルフボールが台座として付いていた。

200811301329000

思えば、僕が初めて競技麻雀の世界に触れた日、
その場にはやはり飯田正人がいて、
同じく対局者として、金子正輝がいた。
もう20年ほど前になるだろうか。

彼ら以外に井出、久保谷、大隈、西田・・
雑誌で名前だけ知っていた彼らが放つ対局の雰囲気は
僕をずいぶんと緊張させたように記憶している。

時は流れ、人は移ろう。

麻雀業界は、あの頃とは大きく変化した。
けれど、飯田、金子の二人は今も尚
トップクラスの打ち手としてその席に座っている。
最高位を争うことの出来る、たった四人の打ち手の一人として。

もちろん、優勝カップと同じように、いささか老いたようには見える。
髪には白いものが混じり、対局の合間に首に湿布薬を貼る。
昔に比べれば、衰えを自覚することも、もしかしたらあるかもしれない。

それでも、この日、最後まで戦いの中心にいたのは
飯田と金子の二人だった。

彼らがどういうスタンスで麻雀と向き合っているのか、
勉強や研究、そういった努力はどうやってしているのか、
最高位戦は、それを伝えて行くべきだと思う。
金儲けの手段としてではなく、後に続く者の責務として。

対局者が昔と変わらぬのは別に構わない。
新旧交代にベテランが立ち向かうのも、
エンターテイメントの面白さの一つだ。

今回、その対局を見て、それを書き記そうと思ったのだけれど、
残念なことに最後までいることが出来なかったので断念する。

4時間あまりいたのだけれど、3半荘目の東場までもいられなかった。
小刻みに小考を繰り返すのがその大きな原因なのだが
競技そのものにも原因はある。

いわゆる、一発・裏ドラあり、赤無しというルールでは
リーチが非常に強い攻撃になる。
仕掛けに関してはトイトイかホンイツにドラが絡まなければ
打点的に見合わなくなってしまう。

となると、ある程度のレベル以上の打ち手が揃うと
そういった仕掛けに簡単に飛び込むことはまず無いし
押し引きの基準も、引いた方が得になるケースが増えるから
流局が非常に多くなってくるのだ。

僕が良く遊ぶネット麻雀でも、東南赤無しが流行らないのは
そういったまどろっこしさも大きな原因になっていると思う。

話が逸れたけれど、対局の模様に関しては
さほど遠くない時期に公式HPで観戦記が発表されることだろう。

出来る限り早くUPされるといいなと思うし
そういった速報性というものに対する考え方は
やはり変わっていかなければならない点だろう。

変えていかなければならないことは他にもある。

僕は昨年も、決定戦を観戦したのだけれど、
観戦環境は、昨年と全く変化していなかった。
インフラ一年でも格段に向上しているにも関わらず
採譜は相変わらず手書きだったし、観戦は相変わらず立ち見だった。

キーボードのキーと牌を対応させて
ワンタッチでノートPCに採譜できるようにはならないのだろうか。

そうやって採った牌譜をリアルタイムでWEBで公開することで
観戦を楽にすることはできないのだろうか。
後から対局者本人も交えた解説を加えていくことはできないのだろうか。

技術的な進歩に応じて
見せ方というものは変化していくべきだと思う。
いずれ変わる、というよりは
主体的に変えるものであって欲しい。

聞けば今回、僕が帰る時点では
2番手飯田に150ポイントの差をつけていた金子が
たった半荘2回で逆転されるという劇的なドラマがあったそうだ。

このドラマをその場に来れる者だけでなく
もっと大々的に発信できないかと考えるのがビジネスのきっかけだ。
発信するだけでなく、視聴者が参加できる掲示板でも設置すれば
2ちゃん的に言えば「祭り」になるはずのドラマだろうに。

ただし、変わっていた部分もある。

昨年よりも、観戦に訪れた一般ファンへの対応は
ずいぶん暖かいものになっていたように見えた。
ホスピタリティ、が垣間見えるようにはなっていた。

「関係者は一般の観戦者に見やすい位置を譲りましょう」

そんな呼びかけが最初になされていた。

僕が知る限り、今まで麻雀業界は
そういった視点での行動が著しく欠けていた。
それが多少なりとも改善されていたことは
素直にとても素晴らしいことだと思う。

何を見せるにせよ、わざわざ見に来てくれた人への対応は
その世界で食っていこうとする者にとって
実は生命線になるのだから。

余談になるが、件の優勝カップは
最高位になった者が一年間預かって決定戦の前に返還するらしいが
その際、レプリカのような代替品は与えられないらしい。

つまり、彼らは副賞としての賞金があるにしても
言ってしまえば「カップを一年間保管するだけの権利」を争っているわけだ。

以前も書いたけれど、それを不毛と嘲笑するのは容易い。
でも僕は、それでいいと思う。

他の誰でもなく自分自身が価値を認めた何かの為に、
全身全霊をかけて戦う。
例え100人中、99人が無価値だと笑ったとしても、
自分が価値を認めた何かの為に。

多分それは、そのままでも、いい。
もっと価値が認められれば、それに越した事はないにしても。

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追求

麻雀の世界は狭い。

僕のような一介の愛好家でさえ、
ほんのちょっと知人を辿って行くだけで
結構な有名人と知り合うことも出来たりする。

ブログやSNSという相互的メディアのおかげで
その手間も格段に少なくなった。

ひょんなきっかけで知り合った人が主催する大会があって
そこで僕は、数多くの人と知り合い、卓を囲んできた。
今回で、6度目の大会になるだろうか。

今回の出席者は・・

近代麻雀にコラムを持つライター。
同じく近代麻雀に連載されている漫画の原作者。
将来を嘱望されつつも、一線を退いた元有名プロ。
一日に四桁を超えるアクセスを集める有名ブロガーなどなど。

5年前の僕ではまず知り合わなかった人々と
こうして大会のようなものに一緒に参加できるのだ。
実に素晴しいことだと思わざるを得ない。

もちろん、実際の麻雀は別だ。
有名人が相手だからと言って、気後れするわけにはいかない。

東南戦、赤無し、一発裏ドラありのルール。
全員と一度は当たるシステムでの半荘5回戦の予選と
予選のポイントを半分持ち越して行われる一回勝負の決勝。

勝ち負けは時の運とは言え、
負けたくないのは当り前の話だ。
俺TUEEEE日記を書かれるのは嫌だという気持ちもあった(笑)。

この日の前半は、かなり好調だったと思う。
手もそこそこ入っていたし、押し引きもまずまず合っていた。

何と言っても、打荘数で言えば
僕はこの半年で東風戦を2500回打っているのだ。

リアルの打ち込みが不足してる分、
牌は時々こぼしたりしてしまうけれど
麻雀は牌捌きを競うゲームではないし
打っているうちに、そういうのは体が思い出してくる。

問題はあくまで局面ごとにどういう打牌をするかだし
そういう意味では、実戦不足ということはないはずだ。

結果、予選を終えて僕は総合3位で決勝卓に進むことができた。

トップとの差は50弱だったから、
優勝条件は、首位を10000差の3位以下に落としてのトップだ。
幸い席順がラス親だったので、オーラスまで目は無くならない。

けれど決勝戦は開局直後から苦戦が続いた。
全く手が入らないか、一向聴までこぎつけても
そこから手が全く進まないうちに
他家からリーチが入って後退を余儀なくされる。

キレたらダメだ、我慢するんだ。

そう思って必死に耐える。

麻雀はツいているときは誰が打っても勝てることも多い。
みんな上手く、強く見える。
でも不調の時ほど、その打ち手の傾向や資質は出てくる。
自棄になったり、場が見えなくなって雑になったり。

焦りや苛立ち、甘さを見せてはならない、そんなことを思いながら
他家の動向に細心の注意を払う。
この状況で他家を楽に走らせては、場を壊してはいけない。

なんてドMなゲームなんだろう。

けれど我慢している間に、ツモられたり不聴罰符を払ったりで
放銃も和了も一度もないまま僕の点数は徐々に削られる。
15000差の3着目でラス前を迎えたが、
むしろこの点差で済んでいるのは上出来と言っていい。

幸い、トータルトップ目が現状のラス目だから
自分が浮上できさえすれば優勝のチャンスはある。
ただし、他の二人もそれは同じな上に
その二人は3万点ちょっとで競り合っている。

とにかくオーラスの親を圏内で迎えたい一心で
必死で仕掛けて2000点を和了する。
リーチ棒が2本供託されていたので
これで親満和了で優勝(和了止め有りのルールだ)だ。

上家と下家は和了トップ。
ラス目のトータル首位は満貫ツモで優勝。

配牌はいたって平凡。

三萬四萬一筒一筒二筒二筒二筒四筒八筒九筒四索北北白

かすかに234の三色が見えるくらいか。
実際は何でもいいからリーチを打つ形になるだろう。

ところが、手牌が意外な伸びを見せた。

四萬を立て続けに引いて暗刻が二つ完成する。

一筒北はまだ生牌だ。

聴牌になる牌を引け。

そう念じつつツモると九筒が重なった。

四萬四萬四萬一筒一筒二筒二筒二筒八筒九筒九筒北北

他家は特に目立った捨て牌ではなく
北家の上家はタンヤオ系統の捨牌で
翻牌の北を持っていそうな切り出しではない。

これは全部山にいるだろう。

そんなことを思い、鼓動が一瞬早くなるのを感じる。
ツモり四暗刻の形なら、出和了でも優勝だ。

そこで場に出たのが九筒
僕はこれを鳴かずにスルーした。

残りの一筒九筒北は確かに全て山にいた。

けれど、それをツモる権利は与えられず
上家がタンヤオの仕掛けをした瞬間、
下家に平和の聴牌が入り、僕がすぐにそれを掴んだ。

「ポン聴だったかなぁ」
「ツモでOKだしねぇ」
「いや、あれは伝説を作りにいくべきでしょ」

ギャラリーになっていた参加者と言葉を交わしながら
僕は山をめくった。
ごく浅いところに、一筒北があった。

ポン聴を取って、ツモなら満貫で終了。
出和了でも続行できるんだから。

それは分かっていた。
そして、それが賢明だというのも分かっていた。
緩慢な手組みで進めていい局面ではない。

優勝以外に価値はない大会だ。
役満に祝儀が付くわけでもない。

美学とか美意識とかそういう格好の良いものではない。
僕はコジマセンセイではないから、
そんな美学は誰にも求められてはいない。
勝ちさえすれば良かったのだ。
つまらない見栄を張る必要など、どこにも無かった。

十分ではないか。
耐えて耐えて、オーラスの親を迎えて
この手をツモれれば逆転優勝できるのだ。
出和了だとしても、次局以降にまだチャンスはある。

でも、僕は自分で分かる。
僕はあれが鳴けない。
多分、また同じ状況になっても1枚目は鳴かないだろう。

それは美学というよりは
できれば役満でかっこよく決めたいという欲なんだろう。
あるいは一撃で決めたいという焦りか。

後悔は無いけれど
でも、だから僕は、やっぱり弱い。

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Ultima

道具は進歩する。
かつては人力でなければできなかったことが
いつの間にか全て自動でできるようになる。

麻雀の世界でもそれは同じだ。

毎回洗牌し、山を積まなければならなかったのが
全自動卓の登場で機械がその工程を行ってくれるようになった。
それに伴って、手積みの技術で凌いでいた売人が消え、
麻雀と言うものの敷居が低くなった側面もあるだろう。

次に点数表示機能が全自動卓に着く。
今まで他家の点数を記憶のみで計算していたのが
卓に表示される点数を一目見るだけで良くなった。
細かい記憶力など不要になって来たとも言えるだろう。

そして近年は配牌までも自動で行ってくれる機械が
あちこちの雀荘に登場するようになった。
配牌を取るという作業を機械に委ねることに対する抵抗は
年配の打ち手にまだ根強いようだが
やがて定着していくだろうと個人的には思っている。

便利になるということは、それくらい影響が大きいのだ。

ただ、この配牌全自動卓にはある種の風評がある。

「配牌の良し悪しが顕著に出る」
「偏りすぎだ」

などだ。
これの真偽は僕には分からない。
統計を取ったことも無いし、取る手段も無い。

ただ、これによって僕は初めての体験をした。

ある日寄った雀荘。
配牌全自動卓(商品名をUltimaという)を置いている店だ。

座ったすぐの半荘はトップ。
今日はツいてるのかなと思って次の半荘に入ると
開局早々いきなり満貫放銃。
和了した上家は次局も対面から満貫を和了してダントツに。

あれれと思って迎えた親番にもらった配牌がこれ。

一萬一筒三筒六筒六筒七筒七筒三索五索五索五索赤八索八索西 ドラ西

まずますの形だと言っていいだろう。
ドラの処理が問題だろうか。
一萬から切っていき、すぐに三索を重ねる。
七対子の一向聴だが筒子が順子にもなりそうだから
五索には手をかけられない。

前巡に二筒がバタバタと切られて
もう一人も早々に四筒を切っているから
一筒は良い待ちになりそうだな。

そんなことを思っていたのに
なぜか手にした牌は残そうと思っていた一筒

直後に引いたのは思い切り裏目の一筒
あまりにも痛い聴牌逃しだ。

次に六筒を引いて三筒を切った。
対々和や四暗刻目も見えてきたが
今度はドラの処理が悩ましい。

ドラ単騎の七対子で十分だったのに・・

そんな思いが頭にはあった。

そこへ上家がリーチをかけてきた。
宣言牌はなんとドラの西
親満を和了し損ねたことになる。
頭の後ろがカーッと熱くなる。

六筒六筒六筒七筒七筒三索三索五索五索五索赤八索八索西

無筋の四萬を引かされて、ドラを合わせ打つ。
すると今度は対面もドラを切ってリーチをかけてきた。

どっからでも出てきたんじゃないか。

聴牌もしていず、かといって降りる牌にも困るような
己の手牌を見て心の中で溜息をつく。

するとツモったのは七筒
ツモり四暗刻の聴牌だ。出ても親ッパネである。
二人に通っていない四萬をこっそりと切る。

通った。

追い掛けリーチを打とうかと思ったがリーチに六索が通ったのを見て
安全牌に窮して筋の三索でも出るかもしれないとダマ。

すると引いたのが4枚目の六筒
もちろん通っていないから暗槓する。

嶺上に寝てろ!

念じながら引いた牌は・・・無筋かつ自分から6枚見えている三筒
アカギ風に言えばデス牌みたいなものだ。

死ねば助かるのか?

などとまでは言わないものの、腹をくくってツモ切り。
下家のオヤジに一発消しをされるのが嫌でリーチは宣言せず。
(とにかく良く動くオヤジだったのだ)

ロンの声は・・かからなかった。
卓上の視線が自分に集まる。

こいつの手はどうなってるんだ?

暗刻筋どころか槓子筋を切り飛ばした僕への
絡み付くような視線を感じながら
素知らぬ顔で飲み物を口に運ぶ。

程なくしてツモった牌は・・八索

「ツモ。16000オールの6枚」

ピタリ0点は終了の決めで対面が飛んで終了。
飛んだ後に未練がましく裏ドラをめくった対面が
素っ頓狂な声を上げる。

「あれ、モロ乗りじゃない!」

裏ドラ表示牌には五筒赤の姿が。
リーチをかけてツモっていれば10枚オールだったことになる。

「降りないんだからリーチすればいいのに」
「いやー、4枚得したよ、ラッキーだな」

負け惜しみにも取れる台詞を聞き流しながら
店員に役満賞のゲーム代のサービス券をもらう。
待ちは二人ともオナテンの五索八索だったらしい。

2回ほど揉んだ半荘、今度は南家でこんな配牌をもらう。

東南西西西北北發三筒六筒七筒八索九索 ドラ八萬

筒子に染めるつもりで索子の塔子を払う。
三筒を重ね、東を重ねた時点で發切り。
とは言え、頭の中に南単騎の文字が躍っている。

焦る気持ちとは裏腹に、鳴けないままに南が2枚出てしまう。
そこへ上家が北を切った。

「・・・」

さっきまで鳴こうと決めていたのに、
何かが僕の手を止めた。

北から鳴いてしまえば2600で終わってしまうかもしれない。

そんなことを考えたかもしれない。
客風の一鳴きに対する抵抗感もあったかもしれない。

2枚目を仕掛けるつもりで伸ばした手に伝わった感触はラス牌の南
とにもかくにも形は出来た。

三筒の対子を目立たぬように一巡離して切る。
場にはドラ色の万子が高く、索子が目立つ。
風牌は南が2枚、西北が1枚ずつ。
むしろ生牌ばかりより、これくらいがいいのかもしれないが。

だんだん煮詰まる状況だったけれど、なかなか残りの風牌が姿を見せない。
もしかしたら対死なのかもしれないと思い始めた瞬間、引いたのが北

東の片和了だけれど、面前の小四喜聴牌。

終盤にリーチ宣言牌で切られた東にロンの声をかける。

東東南南西西西北北北六筒七筒八筒

「また役満!?」
「アルティマはこれだから」

そんな声が他家から漏れ、二人場を立つ。
少し気まずい思いを胸に、またしばらく打つ。
そろそろいいかと思ってラス半をかけてオーラスを迎える。

親番だけれどトップとは跳満ツモ条件。
ダントツがリーチをかけてきた時、僕の手はこう。

五萬五萬五萬赤八萬八萬九萬五筒赤三索三索三索七索九索九索 ドラ七索

一発目に八萬を引いて九萬を切った時、
僕の頭の中は、なぜか

五筒赤七索のくっつきでリーチだな。

と思い込んでいた。
そして九索を引いて追い掛けリーチを打つ。
トップ目から七索が出てからようやく僕は
自分の手が出和了でも役満であることに気づいた。

五萬五萬五萬赤八萬八萬八萬三索三索三索七索九索九索九索

多分この先僕が麻雀を続けても
一日に3回役満を和了できることは無いだろう。

そう思って、この嫌味ったらしい記事を書いておく。
全自動卓のおかげとは言え、やっぱり記念にはなるから。


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準備

とある雀荘での麻雀。

オーラスの二着目の南家、
トップとは満貫ツモか跳満出和了条件。

ちなみに三着目とも同じ条件で、
ラス目には満貫放銃でも二着キープの局面。

7巡目にこの一向聴になる。

一索二索三索四索五索赤五索六索八索九索九索九索五筒六筒 ドラ七索

七索をダイレクトに引ければ平和一通赤ドラで
跳満確定のリーチが打てる。
そこに引いてきたのが五索

一索二索三索四索五索赤五索五索六索八索九索九索九索五筒六筒

一発か裏ドラで条件は満たすが・・

思い切って染めることにする。
鳴いて聴牌する牌であれば全部仕掛けるつもりだったが
何を引けばどうなるかは、前もって想定しておかなくてはならない。

五筒赤との振り替わりで二面リーチが打てるように五筒を切る。

五索九索はポンしよう。
七索はカンチャンでチーして四面張を残す。

七索をダイレクトに引いたら・・何待ちになるんだ?

頭の中は高速で回転する。

一索四索があって・・
三索六索九索もあるな。

あ、五索もOKだ。

六面張だけど次にもう一枚七索を引いたらどうする?
何待ちになるんだ?

他家の動向に気を配りつつそこまで考えるのは
僕の脳みそではかなり荷が重い作業になる。

そして無駄ヅモが1回あって次に引いてきたのが

4枚目の九索だった。

一索二索三索四索五索赤五索五索六索八索九索九索九索九索

ツモればトリプルだけど、ペン七索待ちだ。
直後にラス目からリーチが入る。

引いちゃえ。

心で念じるけれど、ツモったのは無筋の牌。
知らん顔でツモ切る。
いっそリーチをかけてしまおうかとさえ思うが自重する。
結果はラス目が七索を掴んで、倍満の和了。
無事トップを獲れたのだけれど・・・

九索を引いた時、ちょっとホッとしたのは内緒の話だ(笑)。

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八崎体質

先日参加したとある大会での話。

自分の卓が早く終了し、
まだ戦っている卓を見学する。

オーラスの親。ダントツ。
2着には20000強、3着には25000強の点差。
3巡目でこの形になる。

一筒二筒六筒東東南南西北北北中中

ここから場に出た東南も二鳴きすらせずに
スルーしてべた降りしていた。
しかも未練を残さないようになのか、
東南東といった切り出し方だった。

感心した。僕は絶対仕掛けてしまうと思う。
だってダブル役満まで見える手だもん。

終局後の話し振りだと
トップなら間違いなく通過するポイントだったようだが
僕ならダブル役満狙うなぁ。
(協会のルールは純粋な役満の複合によるダブルは有り)

「伝説を作るぜ」

とか言って。

手堅い人が多いのか、
僕が漫画の読み過ぎなのか、良く分からないけど。

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理由

あなたは配牌から国士無双を狙ったとする。

国士無双だと分からないように
工夫する事もあれば
敢えてそれを知らしめる事で
牽制しようとする事もある。
半分ブラフのようなものだろうか。

適当に打っていては牽制はできないが、
4枚枯れてしまう牌がなかなかできないなど、
展開にも左右される。

危険な牌を敢えて引っ張ってから切ったりして
渾身のブラフをあなたは仕掛ける。
もしかしたら、瓢箪から駒が出かかって
聴牌間近まで近づく事もあるかもしれない。

そんな時、他者の動作を観察してみるといい。

あなたの捨牌に対峙する他者の動向には
実に貴重な情報があるのではないかと
僕は考えている。

こちらが聴牌しているかどうか
必死に探ってくる者、
自分の手しか見ないで
無造作に牌を切ってくる者。

あるいは危険を承知で切り込んでくる者。
そしてその切り込み方。
強打してきたり、淡々と打ってきたり。

降りてしまう者もいるだろう。
万一を恐れてなのか、
自分が戦える手格好ではないのか。

無造作に切ってくるから下手だとか
そういう平面的な話だけではない。
その相手の手牌との関係が分かって初めて
見えてくる傾向もある。

そういう意味では
国士模様の捨牌は格好の試験紙だ。

相手の表情、動作、息遣い・・
それを観察し推理することに
僕は楽しみを見出す部分がかなりある。

そう、僕にとっての麻雀の楽しみは
「推理」と「観察」にあると言ってもいい。

その人間の本質が垣間見えること。

これが、僕が麻雀をやる理由でもあり、
ネット麻雀をやらない理由でもある。

そして、僕がアンダーグラウンドの世界に
長く身を置いていた理由でもあり、
創作のようなことをする理由でもあるかもしれない。

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強者のメンタリティ

昨夜、携帯電話に一本のメールが入る。
開いてみると、僕が親交を持つ数少ない麻雀プロの一人だった。

彼は現在、あるタイトルの決定戦を戦っている。
足掛け5日間で半荘20回を戦うその決定戦のうち
昨日で16回戦まで終わっていた。

かなり応援しているので
観戦に行く予定だったのだけれど
仕事が片付かなくて行けなかった。

日記に速報をUPしてくれていた方がいたお陰で
僕はその日までの結果は既に知っていた。

でも、この決定戦が始まってから
彼は戦いが終わると、その結果を必ず僕に教えてくれる。
しかも、律儀に感想まで添えて。
そのメールだった。

4人の対局者のうちの3番手だけれど
2位に位置するプロとは微差、
1位ともトップ1回分の差だから
可能性は十分過ぎるほどある。

「何とか最終日に形は作れました」

メールにはそう謙虚な言葉が並んでいたけれど
途中までの過程も僕は知っているから
そんな簡単な展開ではなかったことは分かっている。

この4日目を迎えた段階で
彼とトップ目との差はおよそ120P強。

そして彼は4日目の第一回戦でトップを獲り
差を一気に60Pほどにまで詰めた。

ところが次の二回戦でラス。
速報を見ながら僕は
このまま追いつけないのではないかと心配していた。

さぁこれからというところでの痛恨のラス。
必死で詰めたはずのポイント差は、
逆に180P近くまで広がってしまった。

こういうところから崩れてしまうのが
勝負事においては実に多いものなのだ。

ところが、そこから彼は2連勝。
1-4-1-1でその日の対局を終えて
上記のポイントとなったのだ。

「あそこから崩れないのはさすがだね」

僕は彼にそう返信する。
返事はすぐに返ってきた。

「いい麻雀が打てていたので
ラスは気になりませんでした」

ああ、と思った。
同時に彼がこの場にいる理由を改めて理解した。

焦らず、驕らず。

本当に強い者でなければ持ち得ないメンタリティを
彼はおそらく身に付けているのだ。

自分の納得する闘牌ができれば
結果はきっと着いてくるはずだと
彼は何の疑いも無く信じている。

それがどれほど容易ならざることか
麻雀をしない方でもお分かりになるのではないだろうか。

最終日、どれほど忙しかったとしても
彼の闘いを観に行こうと思う。

長考で有名な打ち手がいるから
下手をすれば半荘1回も観られないかもしれないけれど
この目で観たい闘いがそこにはきっとあるから。

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笑いどころ

ある休日、一家でPCに向かっていた。
実は妻は専用PCを持っているが、
僕と娘はデスクトップを共有している。

ということは娘が使う時は僕は使えない。
そういう時は仕方なく僕がノートを使う。

僕の指ではノートPCのキーは小さすぎるので
あまり使いたくないのだけれど、
仕事用のノートだから娘に使わせて
変なAA辞書などをダウンロードされても困るのだ。

僕がノートの画面に向かって麻雀ネタを日記に書いていると
妻がそれを横目で見て尋ねてくる。

「あなたは麻雀強いの?」
「誰と比べて?」
「一般的な水準と比べてよ」

その質問に僕は答えられない。

「うーん・・・。
覚えたての初心者よりは強いと思うけど・・
第一さ、数値化できるもんじゃないんだよ」

「じゃどういう人が強いわけ?」

「タイトル戦で何度も優勝したりすれば
強いと思われるんだろうね」

「あなたは出ないの?」

「出ないよ」

「自信無いの?」

「時間が無いの!」

「wwwwwww」

「あったまきた」

ということで
麻雀の大会に生まれて初めて出た。

「王位戦」

というプロ連盟が主催している大会だ。
72人中6人通過という狭き門だが
やってみないと分からない。

わからなくねーよwww

初戦ラス(ビリ)でいきなり撃沈。

点数を叩かなくちゃいけないという強迫観念から
混一色仕掛けに対して生牌のダブ南のドラを終盤に切って
倍満放銃でラスとかダサすぎるww

ま、笑っといてください。

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運営

タイトル戦の決勝を見て
少し、別の視点から感じたことを書く。

運営に関して、である。

何度かあったのだが、
選手が使うサイドテーブルの灰皿が
前の半荘で使われたままになっていた。

換えてあげればいいのに、と思う。

個人的な考えではあるが、僕は

「選手が最高のパフォーマンスを発揮できる環境を作ること」

が運営者の最大の責務だと考えている。

灰皿など気にする者はいないかもしれない。
あるいは気になるなら、自分で換えればいいという
考え方もあるかもしれない。

でも、運営者がそういう発想をしていては
マネージメントの質は向上しない。

選手には雑事に気を取られずに
出来る限り気分良く対局に臨んで欲しい、
一日を通じてそういう意識で運営がなされればいいなと思う。

厳しい言い方をすれば
選手が休んでいる時間こそ
運営者が動くべき時間なのだ。

他にも思うところはあった。

終了後の表彰式で講評があったのだが
対局をほとんど観ていない人が講評していた。

団体の代表だから、表彰式で挨拶はするべきと思う。
でも、講評は対局をちゃんと観ていた人にやって欲しい。
それが、選手に対する礼儀だと思う。
この若い団体で、形骸化した表彰式まで真似することは無い。

また、団体の構成員には
少なくともある程度のドレスコードは義務付けるべきだと思う。

選手はきちんとした服装をしていた。
立会人もそうだった。
けれど、観戦に来る構成員の中には、
スウェットのような服装の人も居たのだ。

服装で人を判断するのは、必ずしも正しいことではない。
でも、残念ながら、それはごく普通なのだ。
人は身なりで判断されるものなのだ。

プライベートではどうでもいいと思う。
でも、仮にも団体主催のタイトル戦の決勝だ。
TPOは弁えて欲しいという気持ちはすごくある。
細かいようだけれど、こういう細かいところの積み重ねが
いつか大きな違いを生むのだ。

愚にもつかない能書きを長々と書いた。

正直に言えば、部外者の僕が
こういうことをこういうところで書くことに
躊躇いのような気持ちは多分にある。
言ってみれば大きなお世話だろう。

でも、発足して歴史の浅いこの団体で
もっと良いものを求めていこうとするならば
経験の蓄積が必要だし、
その効率を求めるなら、フィードバックは絶対に不可欠だ。

企画して、実行して、反省点をフィードバックして
そして再び企画が出来上がり実行に移される。
この繰り返しなのだ。

だから、敢えて苦言を呈しておこうと思う。

ご理解いただきたいのは、
僕は観戦記を書く上で、
当然自分の感じたことを中心に書くのだけれど
麻雀そのものに対してはもちろん、
選手に対しても、出来るだけ敬意を持って書くことにしている。

もっと言うならば、観戦したことを書くこと自体が
僕なりの敬意の表現でもある。
(長いのは僕の個人的な趣味だけれど)

それは斟酌していただければ、幸いである。

何はともあれ、とても良い戦いだった。

吉田Pにお気遣いいただいて、
対局後の打ち上げまで同席させていただいたのだけれど
非常に良い時間を過ごすことが出来た。
おかげで、滅多に飲まない酒を
何度となく飲み干すことになった。

だからまたいつか、タイトル戦を観戦に行こうと思う。

また行こうと思うかどうか。

たぶん、プロ、と呼ばれるものが
成立するかどうかの分水嶺はここにある。

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観戦記(オータムチャレンジカップ)8

いよいよ勝負の帰趨が定まる最終戦。
開局前に、起家を決める。
並びは佐井P→岸本P→吉田P→斎藤P。

ポイントの状況は佐井Pは岸本Pを着順で上回り
吉田Pに上回られなければいい。
吉田Pは岸本Pに2順位差、佐井Pに1順位差をつければいい。
斎藤Pはとにかく大きなトップを取るのが絶対条件だ。

その意味で、一人沈みの斎藤Pがラス親というのは非常に興味深い。
どういう形であれ、目無しにはならないからだ。

それぞれがそれぞれの思惑を胸に勝負に臨む。
その雰囲気を僕は存分に味わう。
金を払っても惜しくない雰囲気だった。

そして最終戦の東一局、いきなり激しい場面を迎える。

吉田Pが平和の一向聴を入れる。

四萬五萬六萬九萬九萬一筒二筒三筒五筒六筒六索七索中 ドラ中

ここで吉田Pがツモったのは受け入れを広くする九萬
さほど躊躇わずにドラを河に置く。

「ポン」

このドラを仕掛けたのはポイントリーダーの岸本P。

七萬八萬九萬二筒二筒四筒七筒八筒九筒八索八索中中

この形からポン聴を入れてカン三筒に構える。

直後のツモで吉田Pは八索を引いて九萬を切り、
岸本Pの現物である四筒-七筒に受ける。

ここで岸本Pが和了するようであれば
戦いは苦しくなるから、
吉田Pは相当なところまで押すつもりだったと思う。

そして同じく逆転を期す佐井Pも押してくる。
ノミ手ながら聴牌を入れて即リーチ。

誰が制するのか・・。

固唾を呑んで見守る暇もなく、
岸本Pが一発で佐井Pの当たり牌を掴み、2000点の献上。
岸本Pは続く一本場でも5800は6100を佐井Pに放銃して
いきなり苦しい立場に追い込まれる。

続く東二局、親を迎えた岸本Pが仕掛ける。

四萬五萬六索七索九索東東 ポン九萬横九萬九萬 ポン白白白横 ドラ九索

ダブ東も最初から対子だったから、
この手格好で、1500か2900の仕掛けは
ちょっともったいない気もするけれど
翻牌を仕掛けた後に手牌が動かなかったから
九萬を叩くのもやむなしだろうか。

ここで、吉田Pも勝負形になっていた。

二萬三萬五萬八萬三筒二索三索四索五索六索七索八索九索

この形から

ツモ二筒→打八萬
ツモ四萬→打五萬

となってこの絶好の一向聴になっていたのだ。

二萬三萬四萬二筒三筒二索三索四索五索六索七索八索九索

三色と一気通貫の両天秤。
四筒を引いて三色が確定した時にどう受けるか、だけが微妙な形だ。

五索を切って確定5200の六索-九索か。
ドラを切り飛ばして高目安目のある三面張の断公九か。

実際に引いたのは・・・三色も断公九も消える三索
でも一筒-四筒は良い待ちに思われた。
そして吉田Pはリーチを宣言したのだが、
すぐに下家の斎藤Pがツモ切りで追いかける。

東一局に続き、見所満載の局面だ。
ここで岸本Pが掴んだのが両者に無筋の四索
岸本Pはそのままそれをツモ切った。

「ロン」

発声したのは斎藤P。
メンタンピンの3900だ。

全5回戦の最後2回戦、
岸本Pの攻守のバランスは
ギャラリーには崩れているように見えた。

積極的に仕掛けていくのはご本人のフォームだから問題ない。
ただ、仕掛けが詰まった時の対応が、
棒攻めに近いというか、少し前掛かり過ぎたような印象だった。

二局続けて聴牌が実らなかった吉田Pは
続く親番でもリーチ宣言牌で斎藤Pに放銃し、

一萬一萬六萬七萬八萬一筒二筒三筒二索二索四索六索七索八索 四索

四索四索六索六索六索發發 ポン二萬二萬二萬横 ポン西西横西 ロン四索

斎藤Pの親番でも、リーチ合戦の末に
5800の放銃という結果になって一気に苦しくなる。

三萬四萬五萬六萬七萬八萬一筒一筒一索二索三索五索六索

四萬五萬六萬七萬八萬九萬五筒五筒六筒六筒七筒六索六索 ロン七筒

ただ、僕はすぐ傍でずっと観ていたのだが
吉田Pは姿勢にも表情にも、苦戦を微塵も感じさせなかった。
首を傾げることすらしなかった。
伊達に修羅場を潜ってきたわけではないのだなと
僕は心の中で思う。

それを証明するように、南一局にチャンス手が入る。

一索二索三索四索五索六索六索八索白白發中中

ここから白をポンするが
カン七索の聴牌にはとらずに打八索

「聴牌より先に中が出たら?
中がイージーに切られたなら三索六索に受ける。
危険を承知で切り込んできた相手なら發単騎に受ける。
退く姿勢は見せられないから」

後日、僕の質問への吉田Pの答えである。
根掘り葉掘りいろんなことを聞いたのだけれど
悔しい思いもあるだろうに、快く答えてくれた。
つくづく出来た男だな、と思う。

その後發を重ねて跳満の聴牌を入れるのだが、
結果的には和了には結びつかなかった。

東一局から南一局まで全ての局で聴牌を入れながらも
ついに一度も和了には結びつかなかった吉田P。
正直に告白するなら、観ている僕も苦しかった。

そして南二局、ここまで東一局のリードを保ってきた佐井Pに
ついに決定打が出る。

白をポンして筒子模様に走った捨牌。
ここに、岸本Pがドラの南を切り込む。

「ポン」

それも佐井Pが叩く。
おそらくこれで聴牌だろう。

この局はまさに勝負どころ。
岸本Pと佐井Pのどちらが制するか、
僕は岸本Pの手を見る。

一萬一萬二萬三萬四萬四萬五萬四筒五筒三索四索四索五索

残念ながら、岸本Pには聴牌は入っておらず
佐井Pがカン八筒の跳満をツモりあげて、ダントツになってしまった。

敢えて外野目線で語る。

麻雀は洗面器に水を入れて顔を浸けて
呼吸を止めているようなものだと、よく言われる。
たまらずに顔を上げてしまった者が、脱落していく。

岸本Pにはここは聴牌を入れてからドラを勝負して欲しかった。
めくり合いにさえならなかったのは、少し残念に思った。

とは言え、これは外野の寝言だ。
勝負どころでこの手をモノにした佐井Pを賞賛すべきだろう。

そしてそのままオーラスを迎えた。
岸本P、吉田Pは役満条件。
斎藤Pだけがひたすら連荘の可能性を持つ。

優勝がすぐそこに見えている佐井Pは
自力で和了しなければならない。

七対子の一向聴から場に高い筒子を先に切って
いきなり被った佐井Pだったが
すぐに聴牌を入れて、即、岸本Pから和了する。

「いや、ここで逆転されたらと思うと流石に震えました」

対局後に親友からその局面を突っ込まれた佐井Pの言葉だ。
強者が絶対的優位を持っていても尚、震えるものなのだ。

このタイトルを獲ったところで
佐井Pの世界が劇的に変わるわけではないだろう。
男性プロを取り巻く環境はそれほど甘くは無い。
というか、ほぼタイトルは報われない世界だ。

でも、その場にいた全員がそのことを知っていて
それでも頂を求めて打ち続ける。
そのことに意味が無いわけでは、決して無い。

この日の観戦者は、十人余りに過ぎなかったけれど、
麻雀団体に属する人は、とにかく一度タイトル戦の決勝を観るべきだ。
それだけでも良い経験になると思うが
できれば、きちんとメモを取って質問もするべきだ。
麻雀団体に属しているなら、それくらいは可能なはずだ。

もちろん、いろんな打ち手がいるだろうが心配は無用だろう。
四人のうちの誰かは、どこかの手順はきっと参考になる。

誰一人として参考になりそうも無いと言う人も
別の意味で心配は無用だ。

そう思っているうちは、
勝負に対して畏れのようなものを抱けない間は、
タイトル戦の決勝に残ることは無い気がするから。

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観戦記(オータムチャレンジカップ)7

いよいよ山場となった4回戦。
岸本Pが前回の大きなトップで有利に戦局を進めている。

斎藤Pは2連勝して尚、2回とも着順を選ぶ必要があるか。
吉田Pは2連勝若しくは1着2着で、
最低でも岸本Pを一度はラスに沈める必要がある。
佐井Pは沈まなければ
2度とも岸本Pを着順で上回るくらいで届くだろう。

逆に岸本Pはラスさえ食わなければ、というところだ。
この「ラスさえ食わなければ」というのはいつでも、誰しもが思う。
まして、タイトル戦の決勝戦で局面をリードする立場だ。

それがどれほど難しいことか。

今期から協会に加わった岸本Pは、
これを身をもって知ることになる。

斎藤P→吉田P→佐井P→岸本Pの順で半荘が始まる。
開局を流局した次の局、斎藤Pが軽く連荘する。

この日、斎藤Pは終始苦しい戦いだったと思う。
役無しの一手替わり三色、チャンタなどで押さざるを得なかったりで、
主導権をなかなか獲れずにマイナスを重ねた。
非常に不本意な戦いだったと思うけれど
この小休止の間には、談笑して気持ちを切り替える姿を
僕は離れたところから見ていた。

続く二本場、今度は吉田Pが攻める。

一萬一萬一萬一筒二筒三筒二索三索四索七索七索發發

このリーチに飛び込んだのが
何とラスさえ食わなければいいはずの岸本P。
しかも手拍子で切ったようにすら見えた。
3200の二本場で3800の支出。

いきなり他の三者にとって理想的な並びを作ってしまう。
こうなると、逃げる者は苦しい。
この時の岸本Pの心理状態はどうだっただろうか。
焦りはまだ無かっただろうか。

前回までの積極的なゲーム運びは
すっかり影を潜めることになったのだけれど。

吉田Pの親は簡単に流れたけれど
佐井Pの親を迎えて、岸本P、斎藤Pの二人が
早々にドラを切り、国士模様の捨牌を醸しだす。

二人に端牌が集まれば、
残りの二人には軽い形が入るのは当然といえば当然なのだが
8巡目に、佐井Pに聴牌が入る。

三萬四萬五萬三筒四筒五筒八筒八筒八筒二索三索四索六索八索 ドラ七索

前述の通り、ドラは二枚切れ。
ここで佐井Pはこのカン七索で果敢にリーチを打つ。

二枚切れのカンチャン、
もちろん国士模様の二人は持っていないだろう。
問題は吉田Pだ。

「黙聴の選択肢ももちろん考えた。
リーチをかければ二人は回るだろうけれど
黙っていれば早いうちならかぶっても切るだろう。
でも、ダマかリーチかの選択はあっても
このカンチャンを落として他の受けにすることは
自分の麻雀ではない」

対局後に僕が尋ねた時の佐井Pの言葉である。
やはり彼もキチンと信念を持って打っているのだ。
結果はどうであれ、こういう信念や覚悟に対して
僕はやはり敬意を抱かざるを得ない。

ところが、この親リーチに吉田Pが一向聴から押し返す。

四萬六萬七萬八萬八萬四筒五筒六筒三索四索五索五索六索

この三色含みの好形だから当然だろう。
そして、四萬を重ねて追いかけた吉田Pは
一発で七索をツモる。

「2000-4000」

吉田Pが一気に他家を引き離す。
そして次の局に、僕は今度は斎藤Pの信念を垣間見る。

岸本Pの親で、岸本Pが1巡目にいきなり一萬を叩く。手出し牌は九筒八索
混一色の雰囲気が色濃く出た捨牌だろう。

この仕掛けに対し、南家の斎藤Pがビシッと切ったのがダブ東で、
次には南も何のためらいもなくツモ切る。
この時の岸本Pの仕掛けの中身は僕には分からないが
おそらく焦りを看破しての打牌だと思う。

この決勝戦を通じて、
少し遠目のところからでも積極的に仕掛けていくのが
岸本Pの持ち味に見えていたのだが、
1巡目から仕掛けるほどの手であったかどうかは不明だ。

でも、仕掛けるからには、
状況的に他家が押し返してきた時に
(押し返してくるだろう)
それに見合う形でなければならないとは思う。
軽打で捌き合う局面ではないのではないだろうか。

もちろん斎藤Pとて東を切るのは怖いはずだ。
当たることはさすがに無いだろうが、
ここで浮上させるわけにも行かない。

でも、自分が勝つ為には
ここは戦わなければならない局面であり状況だ。
この打牌に、僕は斎藤Pの衰えない闘志を感じる。
これは、外野が口で言うほど簡単なことでは、無い。

そして佐井Pは慎重に打ち回しながら七対子の聴牌を入れて
吉田Pは三色崩れの平和手を聴牌する。
終盤だったのでどちらも黙聴に構えた。

おそらく岸本Pただ一人が不聴だったが
海底前の佐井Pの五筒に吉田Pがロンをかける。

三萬四萬五萬六萬七萬八萬三筒四筒一索二索三索七索七索

並びのことだけ考えれば
岸本Pの一人不聴の方が差は縮まるけれど
まず自分がトップを獲ること、並び云々はまだ早い。

これが後で聞いた吉田Pの大局観である。

南場に入って局は進み、吉田Pの親。
ここでちょっとした綾があった。

岸本Pが再び早い色含みの仕掛けを見せる。
この時、吉田Pは客風が暗刻なだけの平凡な手だったが
ここまでラス目の佐井Pが大物手を育て上げる。

一萬一萬七萬八萬八萬九萬九筒九筒九筒五索五索九索九索

ここに八萬を引いて四暗刻の一向聴になった佐井Pは
仕掛けに対して七萬を押す。
九萬を重ねれば三色同刻の目もあるから、こう打つのが自然だろう。

次に生牌の一筒を引いた時に九萬を切ると、これを岸本Pがチーする。
ワンチャンスだからある程度受けも考えての九萬残しだったと思うが
これは僕も少し意外だった。
次の巡、岸本Pが食い流した九萬をツモ切った時には、
佐井Pが少しだけ首を捻ったのを僕は気付く。
失敗したかと言う思いがあったのではないかと
容易に想像できた。

実際には、斎藤Pも九萬をツモ切っていたから、
佐井Pが鳴かせなくても、九萬は岸本Pの手に入ったことになる。

そしてこの鳴きで一筒を重ねて、岸本Pの現物である五索の方の対子を落とした佐井Pは
ついに一萬を暗刻にしてリーチを打つ。
ツモれば役満の大チャンスだ。

この時吉田Pは筒子の下を一筒三筒と持っていて
三筒四筒が佐井Pの現物だったので
三筒を切った後に一筒に手をかけるのではないかと
僕は内心心配していたのだが
それは絶対に切らない、ということだった。
自分の器で測ってはいけないということだ。

結末は呆気なく、聴牌を入れていたようだった岸本Pが
九索を掴んで満貫を献上する。

この後、佐井Pは親で2000オールを和了して
トップも見えるところまで上がってきたのだけれど
最終的にはこの着順が替わるところまでには至らなかった。

吉田P、注文通りのトップ。
これで5回戦が面白くなった。

僕はそう思い、吉田Pの逆転劇を見逃さぬよう、
次の半荘、吉田Pの手牌が一番見える位置を確保した。

4回戦終了時のスコア

岸本+27.8・佐井+17.5・吉田+7.9・斎藤-53.2

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観戦記(オータムチャレンジカップ)6

この半荘のみならず、
トータルでも岸本Pを追いかける立場の佐井P。
東4局の岸本Pの親で速攻を仕掛けていく。

これ以上親で加点されたら
捉えるのは難しくなってくるから
全力で蹴りに行くところだろうか。

翻牌を叩いて尚、嵌張を二つ残した苦しい形だったが
中盤にどうにか聴牌にこぎつける。
ちょっと牌姿が定かでないのだが

二萬二萬一筒三筒九筒一索三索三索四索五索 ツモ二索 ポン發發横發 ドラ九筒

こんな形だったと思う。
ところが、聴牌と同時に切ったドラが
今聴牌を入れたばかりの岸本Pに刺さる。
(追記:協会のHPを見たら一向聴だったようだ。
訂正しておく)

二索三索四索五筒六筒七筒七筒八筒九筒九筒東東東 ロン九筒

痛恨の親満放銃。
これで岸本Pは一気にダントツになってしまった上に、
3着目の吉田Pともほとんど差がなくなってしまう。

ここで連を外すようでは
この後着順も視野に入れた戦いを余儀なくされるから
吉田P、佐井Pともに2着以上を確保して
できれば素点も稼いでおきたいところだ。

というより、南場の親があるわけだから
それぞれトップを捲くる気構えだったと思う。

だからであろうか、続く一本場、
親の岸本Pが4巡目に早くもドラを切り出していたのを見た吉田Pが
6巡目に場に薄くなりかけた六萬をチーして

三萬四萬五萬六筒八筒二索二索六索七索八索 チー六萬横七萬八萬 ドラ八索

このチー聴を入れるのはむしろ自然だろう。
これを仕掛けないのは正直温いと僕も思う。

興味深かったのが、吉田Pがこの後、手牌に組み込まれている二索四萬
空切りせずにツモ切ったことに対して
空切りで相手を惑わそうという発想は全く無いと言っていたことだ。

僕自身は、明確な基準を持っていないので
気分によって空切りしたりしなかったりなのだけれど、
この辺の功罪は明確に出来るものならして欲しいと思う。
もちろん、プロの手によって。

ともあれ、このカン七筒の聴牌が
一向に和了できないままに巡目が進む。
早そうに見えた親の岸本Pも
聴牌が入っていたようには見えなかった。

けれど、中盤になってから
今度は佐井Pの手牌が動いてくる。

五萬六萬七萬二筒四筒六筒七筒八筒四索五索七索九索九索

この形で四索を引くと
佐井Pは九索を切ってリャンカンに受ける。
両面のままだといずれ
ドラ表示牌を切らなければならなくなりそうだから
ここはむしろ自然な一打だろう。

程なく筒子面子が完成してカン六索に受ける。
裏目のドラも親には通るし、役がある方に構える、
これも当然の一打だろう。

五萬六萬七萬二筒三筒四筒六筒七筒八筒四索四索五索七索

そして、一手替わりの三色目の五筒を引いて
1300が5200になった途端に、
吉田Pが六索を掴む。

結局、吉田Pが12000を放銃したのと
同じような形になってしまった。

そして、南場の親を迎えた吉田Pは
何とか一本積むけれど逆転には至らず、
ラス目でオーラスを迎える。

3着まで満貫ツモ、2着まで跳満ツモが必要な点差で
吉田Pが手にした配牌がこれだ。

五萬三筒四筒六筒八筒三索四索四索七索八索南西中 ドラ三筒

タンヤオにドラを絡めてあわよくば三色、
そんな感じだろう。

ところが引いたのは中
おそらくこの時点では中を切り飛ばすことも
頭にはあったと思うのだが、
ここから手牌は意外な形になる。

四筒を重ねて、次に八筒を重ねた吉田Pは
ここで索子の両面の八索だけを切る。

五萬三筒四筒四筒六筒八筒八筒三索四索四索七索中中

そして三索を引いて切ったのが五萬
次に重ねたのが七索だ。

感心した。というか、舌を巻いた。

この手順はそう簡単には踏めないと思う。
僕には100%無理だ。
普通に両面を可愛がって五萬を切っていても
もしかしたら同じ形になったかもしれないが、
切り出しの順番に、プロらしさは見て取れると思う。

本人に尋ねると、やはり八索を切った時点で
山読みがあったとのことだった。

ドラの残り枚数は本人によると

「2枚か3枚、ただし希望的観測込み」

とのことだったが、
まぁ裏ドラが無いのだから
一枚しかなくてもドラ単騎にするしかないだろう。

ただし、このリーチは
一度もツモらせてはもらえなかった。
佐井Pがノミ手をツモってラスト。
吉田P、痛恨のラスである。

ギャラリーとしては次のツモがものすごく見たかったのだけれど
彼がもちろんそんな無作法をするはずも無い。
ここで小休止になったのだが実に淡々としていた。

休憩中に、僕は吉田Pに話しかけようかと思ったのだけれど
外野が話しかけても気を散らすだけなので遠慮する。
特に知り合いが多いわけでもないので
ホワイトボードを眺めて点差を確認していた。

三回戦終了時スコア

岸本+56.5・佐井+26.4・吉田-19.6・斎藤-63.3

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観戦記(オータムチャレンジカップ)5

三人がプラスポイントで
斎藤P一人が取り残された三回戦。
もちろんまだ全員に優勝の目はある。

起家から順に佐井P・吉田P・斎藤P・岸本P。

開局早々の3巡目に岸本Pが三元牌を仕掛ける。
捨牌がこう。白ポンの後に手出しで四筒、続いて手出しで二筒

九萬五萬四筒二筒

牌姿は不明だが
もちろん索子の染め手が本筋だろう。

この捨牌に対し、親の佐井Pが
残りの三元牌の發中を一枚ずつ浮かせているにもかかわらず
發をあっけなく切る。

「ポン」

5巡目で早くも場が沸騰してしまった。
ポンの後、岸本Pが切ったのは三筒。続いて七筒
どちらも手出しだから、この時点で聴牌まであってもおかしくない。

ただ、メモにはこうある。

中を持ってそう」

発声した時の雰囲気がそんな感じだったのだ。
もしそれが合っているならば、
最低跳満、もしかしたら倍満、役満まであるだろう。
結果的に佐井P、吉田Pは降りたのだけれど
状況的に前に出るしかない斎藤Pが一索で放銃してしまう。

二索三索六索七索八索中中 ポン發發發横 ポン白横白白 ロン一索

小三元・混一色の12000だ。

二つ目の三元牌を鳴かせる・・。
勝負形ならまだしも、他にもまだ切る牌はあったから
これは温いんじゃないかなと正直思ったのだが
後で佐井Pに、親友の知人を介して伺った感想では

「ちょっと高をくくりすぎました。
中も切ってしまおうと思ったんですが
流石に行けませんでした」

ということだった。
もし、岸本Pが優勝するようなことがあれば
佐井Pにとっては、悔いが残ったかもしれない。

また、索子を1枚余らせていた岸本Pに
一索で突っ込んでいった斎藤Pの手も気になるところだ。

実は岸本Pの余った索子は九索だったのだが、
切る時に、岸本Pはほんの一瞬手牌の左寄りの部分に手を伸ばした。
(手牌の右左が関わってくるのは、理牌しているのが前提だけれど
岸本Pはほとんどの局で理牌していた)

本人に確かめていないので(もちろん、ものすごく確かめたい)
ひょっとしたら、それは僕の気のせいかもしれない。
でも、僕にはそう見えた。

そして僕は直感した。

上は出来面子だ。

7枚の手牌ではそれほど複雑な形にはなりようも無い。
気配からして不聴ということもまず無いだろう。
ピン雀ならこの手の手三味線を引く打ち手は山ほどいるが(笑)、
さすがにそんなことはあるまい。

ならば、手牌の何かと九索を入れ替えようとして、思い直してやめたということだ。

五索六索七索八索九索中中

六索六索七索七索八索中中

こんな形での待ち変えの可能性も無いわけではないが
おそらくそれも、予め決めているはずだ。
迷った末に止めるようなところではない。

ということは、一番可能性が高いのは
空切りか、六索七索八索からの入れ替えだ。

左寄りから九索が空切りで出るのであれば、

七索八索九索北北中中

こういった字牌のシャンポンが本線だ。
そして、この形で空切りすることはあまり考えにくい。
空切りを迷ってから止める、というのもちょっと妙な感じだ。

プロの対局なんだから、ある程度はっきりした理由があるはずだ。
では残るのは入れ替え、ということになる。

入れ替えの場合は、六索七索八索の形で
左寄りの部分から六索を切って九索と入れ替えることになる。
ということは索子の下の塔子があることを示すから
字牌とのシャンポンも含めて索子の下はまず切れない。

さらに、九索と入れ替えるという事は
チャンタ目があることも想像できる。

チャンタ目を残そうとしたけど
値段が同じだから受けを考えて止めた。

僕にはそう感じられた。
他の可能性もあるのかもしれないけれど
(両面かシャンポンかの選択で迷っていた可能性だって十分ある。
刻一刻と場況が変化するのが麻雀だ)
何となく僕は

勝負して切り込むならなら上だけだ。

勝手にそう思い込んでいて
吉田Pが三索四索六索の形で回っているのを見て
「切れるんじゃないか」と心で思っていた。
もちろん「試しに切ってみる」というわけにはいかないので
残念ながら、そのリスクをとる形にならなかったのだが。
でも、形としては僕の感じた通りの形だった。

もちろんこれはご本人の感想や対局者の見解を聞いていない、
ただの後出しジャンケンみたいなものだ。
なので、もしいつかご本人に

「そんなことは全く考えていない」

などと言われたらこの部分は即刻削除することにする(笑)。

そして続く東2局、親を迎えた吉田Pが3巡目に

二萬四萬五筒六筒七筒三索四索五索七索八索九索北北

このカン三萬のノミ手でリーチをかけたのだが
これに飛び込んだのが岸本Pだった。

手牌の都合もあるのだろうけれど
親のリーチに対し筋でも何でもない牌で刺さる、
ちょっと前に出すぎな印象も受けたのは事実だ。

もちろんまだ三回戦目の東2局だから
それでも全く構わないとは思うのだが。

続く一本場、佐井Pに大物手が入る。

三筒三筒四筒五筒六筒七筒七筒三索東東東白白

ドラは何と暗刻の東である。

そして、すぐに岸本Pから出た七筒にポン聴をかける。
三筒白のバッタで跳満確定の仕掛けだ。

ところが、ポンで余らせた三索が岸本Pの平和に捕まる。

実はこの三索三索五索とあるところから
筒子に寄せる過程での塔子落としなのだが
不覚にも岸本Pの手出しかどうかを見ていなかったために
三索から切っていれば間に合っていたのか、確認できなかった。

この辺が牌譜をすぐに入手できないアマチュアの悲しいところだ。
言い訳をさせてもらえば、佐井Pは理牌しないで打たれるので
吉田Pの手牌を追いかけてから、
佐井Pの手牌を頭の中で確認している間に
場面が進行してしまって、ポンの局面になってしまったのだ。

平にご容赦いただきたい。

いずれにせよ、岸本Pは他家の大物手を未然に防いでいるわけだから
これは点棒以上の価値があったと思う。
佐井Pにしてみれば、ちょっと惜しい逸機になった。

そして次の局、ちょっとした綾が生まれ
局面は大きく動くことになる。

まず、吉田Pが中盤に一向聴になる。

四萬五萬七萬八萬九萬三筒四筒四筒六筒七筒八筒六索六索北 ドラ九筒

この形から、吉田Pは北を残して四筒を先に切る。
もちろん、これは好牌先打とかいった
古色蒼然とした戦術から来るものではないだろう。

場の状況を見て、他家が一向聴であり、
おそらくは四筒が危険になることを見越して
形を決めたのだと思う。

実際のところは分からない。
ただ、この一手が大きく運命を変える。

次巡、吉田Pのツモは六索だった。
遺していれば、ここで三萬-六萬のリーチが打てた。
現実には、雀頭を失った一向聴のまま。
そして、この巡に対面の岸本P、上家の佐井Pから
続けざまに三萬六萬が打たれる。

岸本Pの手牌は分からないが、
佐井Pの手はこうだった。

六萬七萬七萬八萬四筒五筒六筒九筒九筒七索八索發發 ツモ七萬

ドラの対子の一向聴で
ここで七萬を引いた佐井Pは
上家から切られた三萬を幸甚として六萬を切る。

吉田Pからリーチがかかっていれば
岸本Pの三萬を捕まえられたか、
岸本Pが止まったとしても
佐井Pが打ったかもしれない。
あるいは降りたかもしれない。

仮に佐井Pが向かっていったとしても
この形であれば六萬七萬を比較したら六萬を切る。
八萬から切っていって、聴牌と同時に六萬で打ち込むだろうか。

吉田Pは次のツモで三筒を重ねてリーチを打った
(おそらく四筒はかなりの覚悟を持って切ったのだろう)のだが、

四萬五萬七萬八萬九萬三筒三筒六筒七筒八筒六索六索六索

当たり牌の六萬が先に処理できたことで
佐井Pはさほど強い牌を押さないままに
聴牌を入れることに成功する。

七萬七萬七萬四筒五筒六筒九筒九筒七索八索發發發

そして聴牌が入った途端、吉田Pのツモにいたのが・・九索だった。
リーチ棒付きで7400の支出である。

あの場況を与えられたら、自分は間違いなく四筒を切る。

後で訊いた時に吉田Pがキッパリと即答したことで
僕は少し嬉しくなる。

もちろん打ち込んだことが嬉しいのではない。

単純な牌効率と、場の状況。
麻雀が四人でやるゲームである以上、
この命題は常について回る。

見えないものを見ることは出来ないけれど
己の経験と感性とをギリギリまで擦り減らして
打ち手は最善の一手を求める。

そのベースに、細かな効率や戦術はあるだろう。
ただ、それは全てではない。
理で求められる解には限界がある。
理を追い求めていった末に
敢えて理を捨てる一手だってあるはずだ。

それを決めるものは打ち手の意志であり信念である。
そしてその責任を負うのは打ち手自身だ。
結果が上手く行かなくても、その時の吉田Pが
自分の信じる最善の一手を打ってくれていたことに
僕は嬉しさを感じたのだ。

これで跳満を和了した岸本Pを追う一番手に
佐井Pが名乗りを上げたように見えた。

ところが次局、さらに局面は動く。

まとめて書くといった舌の根も乾かぬうちに・・続く。
反省は、していない(笑)。

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観戦記(オータムチャレンジカップ)4

一回戦が長くなりすぎて我ながら呆れたので
二回戦以降はもう少しまとめて書くことにする。

起家から岸本P・吉田P・斎藤P・佐井Pの並び。

東一局が軽く流れて迎えた吉田Pの親。

四萬五萬七萬八萬九萬三筒四筒南西發發中中

この形から中を鳴いた吉田Pは
四筒を切って一気に万子に寄せる。
すぐに三萬をチーして一向聴。

七萬八萬九萬南西發發 チー三萬横四萬五萬 ポン中中横中

ここから五萬を引いて西
数巡後にもう一度五萬を引いて打南

發で親満級の聴牌である。
もちろん、の出和了は期待しにくい。

ここへツモったのが六萬である。
両面の四萬-七萬になるが、全部で4枚(いや、5枚だったか)見えていて
シャンポンとほとんど変わらない。

發で和了逃しの方が痛いから。
手出しで九萬と入れ替えるよりは
ツモ切っておいた方が良いとも思った」

後で訊くとそういう答えが返ってきた。
それはその通りだと僕も思う。

結果はチャンタ含みの仮聴の入っていた斎藤Pから
五萬がこぼれて5800の和了。

ここまでは非常に良い展開だったと思う。
ところがここから少しずつ吉田Pの歯車が狂いだす。
あるいは歯車が狂った、という表現は正確ではないかもしれない。
ほんのちょっとの綾であり、牌の後先でしか無い。

・・一牌の後先。

とどのつまり麻雀はこれが全てであり、
全能ではない人間は、これに翻弄されるのだけれど。

親が落ちた直後の局、吉田Pはこんな手格好になる。

四萬七萬七萬八萬五筒六筒三索四索五索五索六索七索八索 ドラ三萬

ここから六筒を引いて打八索
七萬を引いて打八萬とする。
ドラをくっつけての聴牌が理想だろうか。

ここへ岸本Pからリーチが入る。
二巡ほど押した吉田Pだが危険牌
五筒と宣言牌の四索のまたぎ筋である六索だったと思う)を掴んで
切りきれずに現物の四索を抜いてしまう。

結果的に振聴の四索-七索で聴牌が入るのだが
五筒三索-六索も通っていた)
押し切れていればカン五萬でツモ和了できていた。

ただし現実は岸本Pにワンチャンスの八萬で2600の放銃。

「あそこで損得だけを考えれば
回った方が賢明だとは思う。
でも、ああいうところを和了り切るために
血反吐を吐く思いで打ってきたのに」

戦後の吉田Pの弁である。
僕はただのギャラリーだけれど、この後吉田Pの手の進行に
少しずつ綻びが出てきたのは感じていた。

一索二索五索六索八索八索九索南南北北中中 

ここから辺張の三索をチーして九索を切るのだが
この瞬間、下家の斎藤Pに北が流れた上に
今にも出そうだった中が止まる。

逆に斎藤Pの立場なら当然止めるだろう。
辺張の食い仕掛けで生牌の字牌が2枚浮いているのだ。

そして、その後は何も鳴けないまま
岸本Pのリーチを誘発して吉田Pは降りる。

対子を落とした直後に
下家から次々に合わせ打たれる字牌。

流れた事を知っているのはギャラリーだけなのだけれど。

この局を辛抱した斎藤Pにも
挽回のチャンスは訪れる。

四萬四萬五萬六萬八萬四筒六筒七筒八筒二索三索四索六索七索 ドラ三筒

ここから斎藤Pは八萬を切った。
678の三色は見切ったのだろうか。
あるいは親の現物の四筒が他家に切りにくかったのか。
ちょっとそれは分からない。

その後斎藤Pはこの形でリーチを打つ。

四萬五萬六萬二筒四筒六筒七筒八筒二索三索四索七索七索

親から追いかけリーチが入り
別手順なら捕まえられていた五索を見た時には
もしかしたら失敗したという思いもあったかもしれないが
力強く三筒を引き和了る。

混戦になりそうだな・・。

僕はそう感じるのと裏腹に
吉田Pが突き抜けてくれるのを
心のどこかで期待していた。

ところが次の局、
僕は自分の期待以前に
もっと深刻な状況ではないかと感じることになる。

一萬八筒九筒九筒二索三索三索四索四索五索六索九索北

この配牌から二索七筒と引いて

七筒八筒九筒九筒二索二索三索三索四索四索五索六索西

序盤早々にこの形になった吉田Pの手が
全く入らないまま和了を他家にさらわれる。

観戦メモにはこう書いている。

「冷えたか?」

ご本人によると、それは気にしていなかったとのことだった。
こんなことなどいくらでもあることだし、
いちいち気にすることでもない。

彼ほどの打ち手であれば、
ここから立て直すための引き出しは当然持っているはずだ。

第一、どんな状態であっても、戦うしかないのだ。

そして次の局、吉田Pは積極的に前に出る。

一筒二筒九筒一索一索四索六索六索七索八索八索九索中 ドラ東

この配牌からすぐに一索をポンして染め手に向かう。
ドラが字牌だけに、足止めもあるのかもしれない。

すぐに中を重ねるけれど、そのまま手牌は動かなくなり
佐井Pが八索を切ってリーチしたとたんに以下の形になる。

四索六索六索六索七索八索八索九索中中中 ポン一索一索一索横

四索を切って通ったばかりの七索八索待ちも無いわけではないだろうが
間に合わなかった待ちだしそもそもが薄いから、
現物を切って四索五索待ちにする。
後は押せるところまで押すつもりだったろう。

ところがこれもすぐ横移動で決着してしまう。

四索は通るだろうと思っていたので
四索五索七索八索のどちらが良い待ちかという選択だった。

七索八索はセット落としの可能性も無くは無いので四索五索待ちにした。
横移動で終わったけど、引き合いには自信があったので
ドラでも何でも、とことん押すつもりだった」

と本人の言葉である。
似たようなことは僕も感じていた。

ただ、個人的な感覚ではあるが、
こういった勝負手は横移動で終わるよりも
自力で決着させたいように思う。
和了が最高なのは当然だが、
まだ自分で放銃出来た方がいいように思うのだ。

まぁこれはオカルトなのでツッコミは禁止である(笑)。

親番を迎えた吉田Pはペン七萬でリーチをかける。

八萬九萬三筒四筒五筒二索三索四索五索五索七索八索九索 ドラ六筒

麻雀界は旧態依然とした面が非常に多いが
こういった愚形リーチのセオリー化に関しては
劇的に進歩したといえるだろう。
20年前は、辺張を外して平和を狙う、というのが
ほとんど常識だったように思う。

ところが、佐井Pがドラを暗刻にして追いかける。

二萬三萬四萬五萬五萬七萬八萬六筒六筒六筒六索六索六索

足止め効果も非常に高い親リーチだが
さすがにこの形なら勝負に行くだろう。

僕から観ても、万子の上は
山に居そうに観えたけれど、
結局佐井Pが六萬-九萬の安目の九萬を引き和了る。

満貫を親かぶりした吉田Pはこれでラス目に落ちた。
というより、この半荘2回を通じて
佐井Pのバランスが非常に良い印象を僕は受けた。

ちょっと四方山話だが、
この時の佐井Pはまだ2着目だったのだが
たまたま横で観戦していた知人に

「佐井さんって強いね」

と呟いたら、何とその知人と佐井Pは親友だった。
麻雀業界というのは実に狭いものだ。
悪いことは出来ない。
まぁ僕はほとんど誰にも知られていないから
あまり気にすることも無いのだけれど。

ともあれ、吉田Pはラス目でオーラスを迎えた。
初戦をトップでも、二戦目でラスであれば何もならない。
3着目の斎藤Pとは3400点差。
斎藤Pにしても、初戦はラスだから連続ラスは避けたい。

五萬五萬五萬六萬七萬八萬五筒六筒七筒五索六索西西 ドラ六筒

この形でリーチをかけた吉田Pが
程なく七索を引いて、1万点以上の価値がある和了をものにした。
こういうところで和了できるのは
ポイントだけでなく心理的にも実に大きい。

2回戦終了時スコア

岸本+21.2・佐井+19.0・吉田+11.3・斎藤-51.5

続く。

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観戦記(オータムチャレンジカップ)3

一度ツモられて失点した以外は
目立たない動きだった吉田P。

僕は今日の対局者の中で、吉田Pにだけは
胸を貸していただいたことが何度かある。

おこがましい言い方になるが、
対人という意味における麻雀を
非常に良く掴んでいる打ち手という印象を持っている。

牌効率のような確率的な基本ももちろんしっかりしているのだが
気配を感じ取る、気配を殺す、といった部分で
非常に特徴的なものがある気がするのだ。

だから僕はこの日、かなり期待して観戦に来た。
少なくとも落胆させられるような戦いは絶対にないだろうから。

その吉田Pの親。ドラは北で早々にこの形。

三萬四萬五萬五萬七萬八萬四筒四筒六筒八筒三索七索九索

ここから七筒八索の順に引いて平和の聴牌。
六萬-九萬は悪い待ちには見えなかったが黙聴に構える。

理由としては一発も裏ドラも無いルールだから
三色の手替わりを待ってというのが一つあるだろうけれど
もう一つ理由があるとすれば、
この局も岸本Pが先に仕掛けていたのだ。

三萬六萬六萬二筒二筒二筒四索四索南北白白中

ここから二索をツモって打三萬
白を叩いて打二索とする。
ドラ単騎まで考えている仕掛けなのだろうか。

この仕掛けを見て
ドラの在り処が判然としないことに対して
吉田Pは黙聴を選択したように思う。

僕は岸本Pの普段の打ち筋は存じ上げないが
流石にいきなり普段と違う打ち方はしないだろうから
おそらくこれが彼のスタイルなのだろう。
普段通りのフォームを意識しているのだろうという印象だった。

実際は、その後岸本Pが四索もポンして一向聴までくるが
手替わりが無いままにトップ目の佐井Pから九萬が出て吉田Pが和了。

続く一本場も吉田Pは好ツモに恵まれる。

二萬二萬四萬四萬四萬六萬八萬九萬九萬六筒七筒六索七索 ドラ二筒

ここから五索を引いて九萬の対子落としに向かい
いきなり嵌張の七萬をズバリと引いて即リーチ。

二萬二萬四萬四萬四萬六萬七萬八萬六筒七筒五索六索七索

これも三色目があるが
先ほどと違って捨牌の一段目で先手が取れているから、
ここはリーチをかける一手だろう。

というより僕は下手すれば一発(その役は今回は無いが)
で和了牌を引くのではないか、という気すらしていた。
ところがこれがやけに時間がかかる。
ツモれないままに、終盤に差し掛かり
斎藤Pが振聴の二索をチーした次巡、五筒で放銃する。

斎藤Pの手牌は不明だけれど、
振聴の牌を仕掛けて放銃するというのは
周りからすれば明らかに失敗に映るから、
ここは自重しても良かったかもしれない。

逆に、この両面聴牌が引けないままだった吉田Pについても
僕は好調ではないのではないかと感じた。
これは僕の勝手な思い込みだけれど
これは引ける自信があったと思うのだ。

結局吉田Pの連荘もここで終わり、
今度は岸本Pの親を迎えた。

一萬一萬三筒五筒五筒七筒八筒九筒四索五索六索七索八索 ドラ七筒

岸本Pが親番でこの一向聴からカン四筒を引き込んで
三面張でリーチをかけた時には
あっさり引き和了るかと思ったのだが
何とこれも流局する。

このあたり、それぞれの思い、執念が絡み合っているようで
僕は思わず息を呑んで戦局を見つめていた。

次の一本場も、岸本Pは好手牌を手にする。

五萬六萬一筒三筒三筒三筒八筒一索二索六索東東中 ドラ八筒

序盤早々にここから八筒を重ねる。
ダブ東が鳴ければ親満級だ。
ところがこの直後の打牌には僕は首を捻った。
岸本Pは、ここから六索を先切りしたのだ。

一筒を残す意味と辺張に固定する意味は相反する気がする。
これは最速の一打、なのだろうか。

次巡、すぐに五索を引いたのは結果論かもしれないし、
結果的にはどう打っても和了には結びつかない局だったが
ちょっと拙速の印象は持った。

それでもなお、次局に岸本Pには好手が入る。
平凡な平和ドラ1の手に見えたのだが
ここから急激に伸びた。

七萬八萬二筒三筒三筒四筒五筒七筒八筒二索四索九索九索 ドラ五筒

ツモ五筒→打二索
ツモ五索→打九索
ツモ六萬→打九索

と手牌が動いてこの形。

六萬七萬八萬二筒三筒三筒四筒五筒五筒七筒八筒四索五索

ここでツモった一筒をツモ切る。
六筒-九筒はこの時点で3枚見えていたが
断公九の仕掛けも考えたら
これはこれで仕方ないかもしれない。

ここで斎藤Pから六索を切ってリーチがかかる。
すぐに引いたのが、思い切り裏目の五筒
かといって降りるわけにもいかないから打三筒
その後、六筒が現物となり、吉田Pが同巡に合わせ打つ。

「チー」

もちろんチー聴はとるだろう。
親のリーチの現物だし、ドラの3枚使いだ。

問題は鳴く形だ。

岸本Pは六筒横七筒八筒の形で鳴いて打二筒としたのだ。

二筒八筒も通ってはいない。
でも、六筒七筒はダブルワンチャンスで二筒はツーチャンスだ。

どう考えても六筒横五筒七筒で鳴いて八筒勝負だと思うのだが。

実際に親のリーチに八筒が通っていたかは不明だが
二筒は佐井Pの当たり牌で、1000点の支出になってしまった。
この辺は意図や感想を訊いてみたいところである。
もちろん知らない方なので訊けないのだけれど。

結局、この半荘は吉田Pと佐井Pの競り合いに
岸本Pが絡んでいく展開になる。

印象的だったのは、ラス前に平和のみを聴牌した吉田Pが
1600点差だったにもかかわらず黙聴にしたことだ。

七萬八萬九萬一筒二筒三筒七筒八筒九筒九筒三索四索五索 ドラ二索

そのまま1000点を和了したのだが
点差は分かっているはずで
ここであえて黙聴にした意図について
吉田Pに尋ねてみた。

「親が二向聴ぐらいなのは分かっていたので
かぶせてもいいとは思っていた。
ただ、ラス目の斎藤Pがダブ南を仕掛けていたので
受けも考えていたのと
ドラを引いてのノベタンリーチも頭にはあった」

という答えだった。
これはこれでなるほど、という感じだ。
六筒六筒七筒八筒ならまだしも、逆の形では
リーチのデメリットに見合うものが少ないかもしれない。

そしてオーラス、微差の2着目の吉田Pは
カン七筒の一盃口のみを和了して
鼻差でかわしてトップを獲った。

ここにも綾があって、トップ目の佐井Pも
その七筒を頭跳ね出来る手順があったようだったが
あまり良い出来ではないように見えても
きっちりまとめてくるあたりは流石前回の覇者と言うべきだろう。

個人的には次の半荘にも大いに期待していた。

一回戦終了時スコア(以後敬称略)

吉田+21.7・佐井+11.0・岸本-3.2・斎藤-29.5

続く。

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観戦記(オータムチャレンジカップ)2

親の佐井Pの3巡目の先制リーチ。
捨牌はこう。

白中南横

まぁほとんどノーヒントみたいなものだが
翻牌から先に切られていることから
平和系の手牌であることは何となく想像はつく。

これを受けた吉田Pはある程度自分の都合で手を進めていく。
岸本Pも字牌の対子落としで迂回するが
だんだんと手がまとまってくる。

数巡後、吉田Pの手はまとまらず、吉田Pは降りを選択する。
一方、一気に伸びてきたのが岸本Pの手牌だ。

四萬五萬七萬二筒三筒四筒五筒五筒七筒三索五索六索七索八索

四筒がリーチ後に通っているので
ここから筋の七筒を切ったのだが
次に無筋の六筒を引いてツモ切ったのには首を傾げてしまった。
真っ直ぐに自分の都合で行くなら七萬が先だし、
回ったのなら裏目の六筒は切るべきではないのではないか。

もちろん対局者にしか感じ取れないものもあるだろうから
一概にこの手順を批判することは出来ない。
例えば、待ちの色は絞り込めていたということもあり得るだろう。
こういうところは訊いてみたい気がするのだけれど。
結局は岸本Pも降り含みになってしまった。

そして、僕から手牌が見えない斎藤Pも
当初は慎重に打牌をしていたように見えたが
親のリーチ後の捨牌がかなり弱くなってきていたのもあって
中盤以降に手がまとまってきたのだろう。
最後に数牌押して、聴牌が入ったように感じられた。

ところが、斎藤Pが押した直後に
佐井Pがツモ和了する。

待ちはカン八萬。ドラが1枚あって2000オール。
3巡目のドラ1枚なら即リーチの一手だろう。
時間こそかかったが、ツモれたことで
佐井Pはそれなりの手ごたえはあったのではないだろうか。

吉田、岸本両Pも八萬を1枚ずつ掴んでいたので
自らの降りる決断が間違っていなかったことは確認できただろう。
最後まで押していたように見えた斎藤Pは
この時どういう感覚を持っていたであろうか。

続く一本場、二本場と斎藤Pは失点を重ねる。
値段がさほどでも無いのが救いといえば救いだが
この時点で、既に僕の観戦メモには

「斎藤P、不調?」

とある。
ある程度まっすぐ行く方針で
なおかつそれなりの手材料がある形だったのではないかと想像するが
親にリーチに向かっていったり
翻牌のドラを最初に切るなど
押し気味の捨牌だったにもかかわらず
他家に和了される、先手が取れない、といった結果だったのだ。

一方、果敢だったのが岸本Pだ。
東一局こそ、降りざるを得なくなってしまったが
割と遠そうなところからでも
積極的に仕掛けていく姿勢が目立った。

一萬一萬三萬四萬二筒三筒九筒九筒二索三索四索五索西

こんな手牌から四筒をチーする。切ったのは五索
但し、一萬は2枚切れで九筒はドラだ。
二萬も既に2枚切れている。
親に仕掛けが入っていて親の捨牌がこう。

一筒西八萬二萬五筒八萬
九萬一筒八索八筒

ドラがありそうな感じの捨牌に見える。
下手をすればモチモチまであるかもしれない。
であれば岸本Pの手牌はほぼ画餅である。

仮にドラがまだ山に居たとして、
親のこの捨牌にドラを切ってくる者が
そうそういるとも思えないし、
切ってきたとしたら、それなりの手だろうと思う。

実は、吉田Pがタンヤオ・一盃口のカン四萬で黙聴を入れていたのが
岸本Pがそこまで掴んでいて仕掛けていったようには見えなかった。
おそらく吉田Pもドラは切るだろうと思うが。

そこへ斎藤Pがドラを切り飛ばしてくる。
もちろんポンして片和了の二萬-五萬だ。
直後、斎藤Pが親に放銃してしまったのだが
この仕掛けで聴牌まで入るあたり、
僕は岸本Pもそれほど状態が悪いようには思えなかった。

むしろ、ドラを切って押したのに
放銃という結果になった斎藤Pはもちろん、
ひっそりと聴牌を入れながら和了できなかった吉田Pの方が
ちょっと嫌な感じだったのではないかと思う。

岸本Pは続く二本場も果敢な仕掛けを見せる。

一萬一萬二筒三筒三筒七筒八筒九筒二索三索四索發發 ドラ四萬

中盤に差し掛かる頃にここから一萬のポン聴を取る。
親をこのまま走らせたく無いという仕掛けだろうが
一筒四筒がまだ生きている状況から
一萬から仕掛けてバックというのが
このルールで適当なのかは、正直微妙だとは思う。

ただ、これにも斎藤Pがあっさりと飛び込む。

「不調か?」

というのはこの時のメモだ。
牌譜が無いから推測でしか言えないのだが
端牌のポンの仕掛けに対して
翻牌を理由も無く切るとも思えないから
切るだけの理由はあったのに結びつかないということなのだろう。

そして今度は吉田Pの親番を迎える。

続く。

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観戦記(オータムチャレンジカップ)

団体が乱立する競技麻雀の世界に
いくつタイトルがあるのか僕は知らない。
正直に言うと、数える気にもならない。

けれど、どんなマイナーなタイトル戦であっても
100名を超える集団の中において
それを渇望する者がいることは間違いない。

逆に言えば、彼らは麻雀という、
この一見埒の明かないゲームにおいて
存在するかどうかも分からない強さを追い求め、
その強さのある一面における表象として
タイトル戦を位置づける集団と言ってもいい。

麻雀は競技に向くゲームではないということを主張して、
あるいは彼らの中にいる、そういった意識の希薄な構成員を指差して
彼らの活動を不毛なことと笑うのは容易い。
事実、それが彼らの弱点でもあるだろう。

けれど、僕はそういった愚直さが嫌いではない。
この、麻雀というゲームのせいで
僕は数限りない失敗をもしたけれど、
このゲームが無ければ僕の人生は何と味気ないものになったかと思うと、
それをひたむきに追いかける彼らに対し
どちらかと言えば、好ましい感情を抱いてしまう。

もちろん麻雀界の中には、本当に下らない人間もいるけれど、
旧弊を打破していくことが難しい世界だけれど、
それは麻雀そのもののせいではなくて
どの世界でも変わらないはずだということを僕は知っている。
当然のことながら、麻雀界におけるその割合が多いか少ないかは
僕の知るところではない。

今回観戦に行った、
日本プロ麻雀協会主催の「オータムチャレンジカップ」は
一発・裏ドラ・カンドラの無い
いわば偶然性を極力排除しようという意味合いで作られたルールだ。

このルールにおける、僕の乏しい経験から言えば
押し引きがすごく大事なルールだ。
棒攻めをするだけでも、ひたすら降りて逃げ回るのも
どこかでツケは回ってくる。

リスクを承知で踏み込んでいくこと、
あるいは未練を残さずに撤退すること、
そのバランスが重要なルールだと思う。

11時の開始に合わせて会場に着く。
エレベーターを降りると、会場は思ったよりも閑散としていて
運営者と思しきスーツの人物が、僕を怪訝そうな表情で見る。

観戦の主目的である吉田Pがすぐに気づいてくれて
僕がギャラリーであることを彼に耳打ちしてくれる。

先日の最高位戦の観戦時とは異なり
観戦マナーを告知した紙も
アンケート用紙なども渡されず、
僕はそのまま会場に入ることになった。

せっかくなのだから、観戦アンケートはもちろん、
協会主催のプロアマ混合大会のPR文なども渡せば良いのにと思う。
確か協会は、日本オープンという大会を主催していたはずだが
参加者が多いに越したことはないのではないのかと思うのだ。

期日や沿革、参加費用や宣伝、
A4一枚にまとめておくだけでいいから
やっておくべきだと思ったりもした。

以上は余談。

程なく、対局が開始される。
僕は吉田Pの手牌が見えるところに立ち
開始直後の一局に注目する。

起家から順に、佐井P・吉田P・岸本P・斎藤Pの並び。
僕が位置しているのは吉田Pと岸本Pの手牌が見える位置だ。

こういった対局に限らず、
座った直後にはまずは自分の状態を確かめに行くのが
打ち手としては普通ではないかと思う。

それぞれ己の麻雀に自信もあるだろうし
勝ちたい気持ちも十分にあるだろう。
後は、気負わずに、縮こまらずに自分の麻雀を打てるかだと思う。
勝敗は自分の麻雀を打ち切ったその先に、見えないままにあるものだ。

そして、開局わずか3巡目、親の佐井Pから早々に先制リーチが入る。

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観戦記(最高位戦Aリーグ最終節)5

こんなに長くなるとは思わなかったのだけれど
これで最終回。

続く2回戦、今度は起家で先行した金子Pを他が追いかける展開。
東2局、南家の村上Pがリーチをかける。

二筒二筒三筒四筒四筒六筒七筒八筒二索三索四索六索六索 ドラ八索

嵌張だがツモれば満貫。
黙聴に構える理由も無いからリーチは妥当だと思う。
しかし、なかなかツモれないどころか筒子すら1枚も引かない。
必然的に他の色が安くなる。

中盤過ぎに、親の尾崎Pの手牌が煮詰まってくる。

五萬五萬五萬七萬七萬八萬八萬三筒四筒六筒七筒八筒八索 ツモ七索

この形で、ワンチャンスの七萬を1枚外す。
僕が唸ったのはこの次の打牌だった。
尾崎Pは六筒をツモるとほぼノータイムでツモ切ったのだ。

そして次巡、五筒をツモって追いかけリーチを打つ。
ここで、さっきの六筒ツモ切りが彼の力を如実に示していることが
明らかに見て取れると思う。
六筒を手に残した場合と切った場合の手を比較してみる。

五萬五萬五萬七萬八萬八萬三筒四筒六筒七筒八筒七索八索
五萬五萬五萬八萬八萬三筒四筒六筒六筒七筒八筒七索八索

もちろん、自分の手の都合だけなら上の形が優れている。
ドラを雀頭や暗刻にする形などへの変化も見ることが出来る。
けれど、七萬は既に通した牌で六筒は場に高い筒子の無筋だ。
(ちなみに村上Pの入り目でもある)
1巡日和って七萬を先切りする打ち手だって多いはずだ。

では七萬を先切りして、次に五筒を引いた形を考えてみる。

五萬五萬五萬八萬八萬三筒四筒五筒六筒六筒七筒八筒七索八索

三筒六筒九筒のどれも通っていないこの形だったら
三筒に手をかける打ち手だって結構な割合でいるはずだ。
勝負と感じた時の、尾崎Pの踏み込みの良さが
お分かりいただけるだろうか。

この手は押せるところまで押すと決めたら
後は自分の都合だけで進める。

実際にそれを貫ける打ち手は少ない。
失点を恐れる気持ちは誰にでもあるから
つい安全を追ってしまいたくなる。

この時点で、僕から見えている和了牌はともに2枚ずつ。
実は尾崎Pの六索-九索は場にそれぞれ2枚切られていて
残り2枚の六索も村上Pの雀頭になっているのだが
勝負の行方は半ば見えていた気がする。

残り2枚の九索を村上Pが掴み
裏ドラが暗刻の五萬になって親満。

けれど、村上Pも執念を見せる。
次の局、尾崎Pのリーチに果敢に仕掛けて満貫を討ち取る。

四萬五萬一筒一筒一筒三筒四筒五筒六筒七筒八筒白白 ドラ六萬

三萬三萬六萬七萬八萬東東 ポン西横西西ポン發發發横 ロン東

前に出れば傷は負うものだ。
問題は、負う傷よりも多くの傷を
相手に与えられるかどうかだ。

「背中に傷は負いたくない」

時代小説の台詞が浮かんできそうな2局だった。
しかし、その後は結局金子P、尾崎Pのマッチレースになり
ほぼ和了トップの状況でオーラスを迎える。

僅差のトップ目の尾崎Pが仕掛けを堪えて
ドラを切ってリーチをかけた時点で、勝負は決していた。

二萬二萬五萬六萬七萬六筒七筒八筒三索三索三索七索八索 ドラ三萬

リーチ棒が出たことで、満貫ツモで3着浮上の村上Pが
苦しい形ながらも聴牌を入れる。

四萬四萬六萬八萬二筒三筒四筒四筒五筒四索五索六索九索 ツモ三筒

そう、リーチをかけられてから掴んだ最後の九索
やや斜め気味に横に曲がっていた。

二萬二萬三萬五萬五萬六萬六筒七筒三索三索三索七索八索の形で
二萬を仕掛けようと思ったけれどどうだったか。
九索が3枚見えてたから状況的に仕掛けもあるだろうし。
聴牌は結果論だけど、最後はリーチしておいて良かった」

局後の尾崎Pの言葉である。
僕は残り1枚の九索を引いた時のダメージを考えてしまうので
そこからは仕掛けないことが多いけれど
彼の思考の道筋は理解できた。

尾崎P、2連勝。

ここで時刻はすでに16時前になっていた。
残念ながら、僕がこの日、
日中に作ることの出来た時間は16時までだった。

休憩中の村上P、尾崎Pに最後まで観戦出来ないことを詫び、
僕は3回戦目の最初の数局だけ見る。

東1局、南家の尾崎Pの手牌

二萬三萬四萬一筒二筒二筒七筒七筒七筒三索四索五索發發 ドラ三筒

こんな形での聴牌が入って
尾崎Pはドラのペン三筒でリーチを打つ。

字牌は極端に高い場だったので
ドラ表示牌と翻牌のシャンポンよりは
ドラそのものを引きにいったリーチだろう。

依然として戦うことを止めない村上Pが
このリーチに追いかける。

三萬四萬五萬三筒四筒二索三索四索五索六索七索東東

実は、村上Pの一向聴は下のような形。

三萬四萬五萬三筒四筒三索四索五索六索七索七索東東

二筒五筒二索五索七索八索東の受入れの中で
三色も崩れ、翻牌も消え、三面張が先に埋まるという
ほぼ最悪と言ってもいいツモで聴牌である。

おそらくはっきりと自分の不調を意識したであろうが
ここで戦いを止めるわけにはいかないだろう。

また、二人とも場に見えていない翻牌が雀頭であるところを見ると
他家がキッチリと絞っていると思われる。
曽木Pの打ち方は存じ上げないが、
金子Pがこのあたりの字牌の扱いに関して
昔から一貫して非常にきちんとした対応をしていることは
僕でさえも良く知っている。

發が出ていれば尾崎Pの和了は早かっただろうし
東が出ていれば、村上Pはこの形でポン聴が取れていた。

三萬四萬五萬三筒四筒三索四索五索七索七索 ポン東東東横

こういったところも、プロの対局の凄みだろう。
当たり前に見えるかもしれないが簡単なことではない。
赤牌があり値段がすぐに高くなるフリールールとは
まるで違う麻雀だろうか。

どっちがいいルールかとかは
もちろんここで述べるところではない。

この局の軍配は村上Pに上がる。
シャンポンに取っていれば和了だった二筒
尾崎Pが打ち込む。裏ドラも無い2600だ。

結果的には失敗した形だけれど
打ち込んでも痛くないと尾崎Pは思っていたのではないだろうか。
そして親を迎えた尾崎Pが

三萬四萬三筒四筒五筒七筒八筒九筒一索二索三索七索七索 ドラ七索

この手で即リーチを打ち、一発で二萬を引き和了って
6000オールのところで僕は会場を出た。
たぶん尾崎Pがこのまま突っ走るだろうと思いながら。
後で聞いた結果は、既にご存知の方も多いだろうが尾崎Pの4連勝。

尾崎Pはもちろんのこと、村上Pには悔いは無いだろう。
最悪でも大きなマイナスを食わないというゲームプラン通り
不運の連続ながらも決定戦に進出した金子Pも大きな不満は無いだろう。
苦しそうだった曽木Pもおそらく全力で戦い
悔いを残さないように打たれたと思う。

トッププロ4名であっても大差がつくことがある。
戦おうにも何も出来ずに座っているだけの状況になることもある。
前に出れば出るほど、傷を負うこともある。

プレイヤーである限り、戦いに終わりは無い。
その日決定戦に進出した3名も
決定戦が終われば、少なくとも2名は敗者になる。

だからこそ、どう戦うかを見られているのだと思う。

僕がいた世界では、自分が参加した勝負の勝敗を受け入れられずに
喚き散らし、暴言を吐き、暴力や権力の影をちらつかせる人も居た。
僕は来る日も来る日も苦々しい思いでそれを眺めてきた。

それに比べれば、この4名の戦いは何と潔いものだったろうか。
僕の筆力ではそれを余すところなく伝えることが出来ないのが
実に残念ではあるけれど、
少なくとも、その日、僕は無性に麻雀を打ちたくなった。

それだけの熱を周りにも与えられる戦いだった。
それは言えると思う。

実はプロの誰かが

「言葉が出ないくらい
もっと熱くて凄い戦いを見せるから一度見に来い」

と言ってくれないかと
ひそかに期待しているのだけれど。

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観戦記(最高位戦Aリーグ最終節)4

尾崎Pがダントツで迎えたオーラス。

2着の村上Pと3着の金子Pの点差は僅かに1800点。
ここだけが競っていて上と下は大差。
いつの間にかここまで詰めていた金子Pも
やはりさすがと言わざるを得ない。

20年前に僕が観戦した対局でも
金子Pは既にトップレベルの打ち手として対局していた。
その間ずっとトップレベルだったのだ。
そんな打ち手は、この場にもう一人しかいない。
(もちろんわざわざお名前を挙げるまでも無く
麻雀打ちであれば、ほとんどが知っている打ち手だ)

ともあれ、村上Pとしては2着でまとめたいところだし
金子Pとしてはここで2着を拾えば
決定戦進出はほぼ当確だ。
尾崎Pはあわよくばさらに点数を叩きたいところか。

村上Pが中盤に分岐点に差し掛かる。

一萬二萬三萬一筒二筒三筒一索三索五索五索六索西西 ドラ一萬

この三色含みの手から、金子Pが切った五索にポン聴をかける。
競り合っているこの状況では、聴牌を取る打ち手は多いだろう。

ところがこの鳴きで尾崎Pに和了牌の2が喰い下がる。

一萬一萬三萬四萬五萬二筒二筒三筒七筒七筒七筒三索四索五索 ツモ二索

もちろん親に通っている五索と振り替える。
この時、五索の切り出された位置とツモ牌がしまわれた位置で
村上Pは二索が流れたことを察する。

そしてさらにすぐ、金子Pの親リーチを誘発する。
金子Pに打てばさすがに厳しいだろう。
しかし、ここで村上Pは五索の裏筋の六索を叩き切り
真っ向勝負に出たように見えた。

待っている牌が金子Pの筋だからだけではないだろう。
村上Pにとっては、この局面では五索はポン聴を取るべきであり
仕掛けた以上は和了に向かうべきなのだ。
でなければ、親の現物になる牌をわざわざポンはするまい。

自力で決着つけるんだ。

そんな声が聞こえてきそうだった。

しかし、ここから事態は急変する。
終盤になって尾崎Pが追っかけリーチを放ったのだ。

一萬一萬三萬四萬五萬二筒三筒七筒七筒七筒二索三索四索

七筒を暗刻にして、金子Pの現物の二筒を切っての追っかけ。
ドラが雀頭の5200リーチだ。
ここで村上Pが掴んだ牌が・・一筒だった。

もう状況はさっきとは違う。
仕掛けによって2軒リーチを誘発し、
さらに一番欲しかった牌を喰い流している相手だ。

二筒三筒も村上Pから見ればワンチャンスだ。
しかし、尾崎Pのリーチには瑕があった。

早い巡目に二筒二筒三筒三筒の形になった尾崎Pは
三筒を9順目くらいに先切りしていたのだが
二筒をリーチ宣言まで引っ張っていたのだ。
他に安全牌と振り替えることは出来たから
手牌に関連があることは明白だ。

だから、手牌から言えば当然なのだけれど
その捨て牌で一筒は切れる牌ではない。

尾崎Pにしても脇から出てくるなどとは思っていないだろう。
リーグ戦のトップ走者を、自らのツモか直撃で
引きずり落とすことしか考えていなかっただろう。

・・そして村上Pは、二人の現物の二筒を中抜きした。

正直、胸が震えた。
入り目と言うものがある以上
一筒を勝負しても通る可能性はあるのだ。
点差、状況を考えれば、いくらでも言い訳の利く打牌なのだ。

それを打たないのは
村上Pが気持ちを切らしていないことを示している。

自分の中で行くべきではないと判断したら行かない、
切らないと決めた牌は切らない、
たったこれだけのことが出来ないことが何と多いことか。
僕は本当にその難しさを良く知っている。

こういうところまで到達する為に
村上Pがどれだけの修練を積んだのか、
何度苦い敗北を味わったのか、
それは、もちろん僕には知る由も無いけれど。

そして、村上Pが降りたその次のツモは・・二索だった。
もちろん村上Pはその局を降り切ったのだけれど
実は、最後のツモ牌で共通安全牌が枯れた。
残っているのはワンチャンスや筋だけだ。

ところが村上Pはさほど考えずに一索をスッと切った。
瞬間、金子Pの表情が少しだけ変わったように見えた。

「ん?ここで共通の現物以外の牌が出るのか?」

場況だけ見れば安全牌とは言えないのだ。

でも、僕にはすぐに分かった。
一索は金子Pの現物で尾崎Pには無筋なのだけれど
尾崎Pの手牌で二索三索四索が出来面子であることを知っていれば
確実に通る牌なのだ。

捨てられた牌に違和感を持った金子P。
他家の手牌をキッチリ読み切って安全牌を見つけた村上P。
それが非常に印象的だった。

金子Pの待ちは八萬単騎。
おそらく山にいると読んでのリーチだろうし
事実村上P、尾崎Pは一枚も持っていなかった。
おそらく持ってきても切ったであろう。

曽木Pが持っていたかは定かではないが
もし持っていたとすれば
唯一前に出ない立場の者が持っていたことは金子Pの不運だし、
もし王牌に寝ていたとしても
やはり不運だと言わざるを得ない。

もちろんそれも含めての麻雀なのだけれど。

そして次の1本場、不聴罰符で一度は3着に落ちた村上Pだが
キッチリ和了して2着を確保した。

終わってみればダントツとダンラスの間の
小さな2着争いだったかもしれない。
この半荘のプラスのポイントなど
トータルを考えれば微々たるものだろう。

でも、実に見ごたえのある半荘だった。
2時間近くかかったのだけれど
それを感じさせない熱戦だった。

もちろん、僕の記事が長くなったのはそのせいではなく
僕が余計なことを書きすぎているからなんだけど(笑)。

2回戦へ続く、のか?

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観戦記(最高位戦Aリーグ最終節)3

村上Pが一人浮きで迎えた南1局2本場。
反撃の狼煙を上げたのは、村上Pと同期の尾崎Pだった。

平凡な平和手の配牌を手にした尾崎Pであるが
思いがけないツモに恵まれる。

一萬一萬五萬六萬八萬九萬一筒二筒三筒四筒五筒七索九索 ドラ九萬

この形からネックの七萬をズバリと引き、打九索
数巡後にもう一枚七萬を引いて即リーチを打つ。
程なくツモって裏ドラをめくると
そこにいたのは表ドラの九萬

「3200-6200」

望外に近い跳満で一気に差を詰める。
この時の観戦メモにはこうある。

「誰か失敗(してはいないか)?」

これは何の根拠も無い僕の直感だけれど
誰かが鳴くべき牌をスルーしてしまったり
手順前後をやっていたのではないかとその時は感じた。
それくらいあっけない和了だったのだ。

もちろんそれは単なるオカルトだから、
本当は和了すべくして和了したのかもしれない。

因果関係は僕には説明できないから
これはもう言っても詮の無いことではある。
尾崎Pの力のなせるものだというのは間違いない事実だ。

ともかくも尾崎P、村上Pが近づいた状態で
今度は尾崎Pの親番を迎えた。
決定戦進出のためにはここで点を伸ばしたい尾崎Pと
トップを獲って一矢を報いたい村上P。
この局がおそらくはこの半荘のハイライトと言ってもいい。

尾崎Pは早い巡目でまとまった形の手牌になる。

三萬四萬四萬六萬一筒二筒三筒七筒八筒九筒三索五索東 ドラ三筒

一方村上Pはちょっと遠い手牌であろうか。

一萬四萬九萬四筒七筒七筒八筒九筒三索四索七索八索八索

そして尾崎Pは二萬を引いて苦しい形ながらも一向聴になる。

二萬三萬四萬四萬六萬一筒二筒三筒七筒八筒九筒三索五索

一萬が2枚切れているのでソーズのカンチャンが埋まっても
ワンズのカンチャンが埋まってもあまりいい待ちは残らない。
ここで尾崎Pが引いた牌はソーズで雀頭を作る五索だった。

「リーチ」

気合一閃、尾崎Pがリーチを宣言する。
待ちのカン五はこの時点で場に1枚。
後で本人が語るには、カン四索は苦しいけど、
カン五萬はいけると思っていたとのことだった。

ところが、今まで頭を低くしていた曽木Pが
数巡後に敢然と追いかけてくる。
しかも、尾崎Pの当たり牌である五萬
尾崎Pのリーチの前に処理しているのはその曽木Pだ。

曽木Pの待ちは僕には分からなかったが
観戦メモには一言、こうある。

「山場」

ここでの勝ち負けが、この半荘の、
ひょっとしたら今期の尾崎Pの成績さえも
決定付けるかもしれないと僕は思っていたのだ。

受ける金子Pは慎重に回っているようだったが、
村上Pは完全に降りの状況。
ところがまたしても村上Pの手牌は手詰まりを見せる。
必死に安全牌を探しながらも手は危険牌で埋まっていく。

五萬五萬二筒四筒四筒五筒五筒五筒七筒七筒四索四索七索 ツモ六萬

もちろんどれも安全牌ではない。
打牌候補は4つのどれかだろうと思っていた。

二萬八萬がリーチ後に二人に通っていることから五萬
場に1枚で一人には現物。

三萬九萬も通っているから六萬。ただし初牌。

一筒が通っていて五筒が自分から4枚見えているから四筒七筒
ただし四筒は初牌でありドラ傍だし、
六筒八筒もほとんど見えていない。
とにかく筒子が高い場なのだ。

四索-七索六索のワンチャンスだけれど
終盤のワンチャンスなど打てるものではない。

意を決して村上Pが掴んだのは・・五萬だった。
裏ドラも乗って7700。

おそらく僕もそう打つだろう。

もしかしたら四筒に手をかけるかもしれない。
でもドラが1枚も見えていない場で四筒は打てない。
二筒五筒を固めているということは
三筒三筒三筒四筒なんて形もあるし、苦し紛れの三筒三筒四筒四筒だってある。

カン七筒も十分ある・・
初牌の六萬よりは・・曽木Pには現物だし・・

理屈を積み重ねれば積み重ねるほどに
五を選択する方向へと向かっていく。

村上Pに尋ねると

「これはもう仕方ないです」

ということだった。
僕は曽木Pの手牌が分からないのだけれど
ここは牌譜を見てみたい一局だ。

先日も書いたけれど、今期、村上Pがここまで苦しんだのは
こういう巡り合わせが多かったのではないだろうか。
それでも、村上Pはまだ原点以上を持っている。
再逆転は数字の上ではもちろん可能だ。

ところが尾崎Pの攻撃の手は緩まない。緩むはずも無い。
彼だって今日の最終戦に最高位決定戦進出を賭けているのだ。

開始前の3位との点差は86ポイント。
逆転は可能だけれど、決して小さな差ではない。
最低でもトップを2回獲らなくては逆転など覚束ない。

六萬七萬八萬二筒三筒二索二索三索四索五索五索六索七索

(万子部分は不正確、ただしタンピン形)

このリーチに一発で飛び込んだのが曽木Pだった。
あっという間の5万点オーバー。
尾崎Pはこの後も得点を重ねて
持ち点は6万を超える。

このあたりで、僕はあることに気付く。
曽木Pの姿勢が明らかに揺れているのだ。

比喩ではなく、文字通り揺れている。
防戦一方になると、時折苦しそうに呻き
体を左右に揺らしていたのだ。

僕は曽木Pと面識は無いし、
今回初めて闘牌を観たから分からないが
もともとそういうスタイルの打ち手なのだろうか。
僕がそれまで気付かなかっただけなのだろうか。

もしそうなら、僕が村上P、尾崎Pに意識を向けるあまり
観察が行き届いていなかったのだろう。

ただ、その時の印象はひどく苦しそうだったし
場合によっては心が折れていたようにも見えた。
もちろんそんなはずは無いのだろうが
点棒が削られている時に気付いた分、それがやけに印象的だった。

僕はこの文章をある麻雀SNSにも書いているのだけれど
曽木Pご本人からコメントをもらうことが出来た。

曰く「この親満に打ち込んだ時点で、
目標を10位から11位の維持に切り替えた。
だから、その前後で打ち方が
差込や見逃しなども含んだものに変化した」

とのことだった。
つまり、目標を下方修正したということだ。

降級を回避できる10位を目指していたのに
降級ポジションである11位を維持することを目指すのが
目標設定として適しているかどうかを僕は論じるつもりはない。

ただ、開始早々目標を下方修正したということは
言い方を変えれば、心が折れたということも出来るので
インタビューであれば多少挑発的な訊き方をしても
そのあたりを突っ込んでいくのだけれど
あえてそれはしなかったし、
この追記はそちらのSNSには加えていない。

麻雀業界はこの手の書き方をすると
なぜか非常に荒れる。
本人以外のところから、場合によっては

「だったらお前が打ってみろ」
「何も分かってないくせに知った口を利くな」

という感情的な反応が返ってくるのだ。
まだ、そういうことを許容する土壌がないのだろうか。

ともかく、本人の口から心的変化があったことを聞けた。

ということは、単純にその半荘の上位を目指すだけでなく
他の要因をも考えながら打たざるを得なくなったがために
さらに苦しい打牌選択が続いて、
それが表情や姿勢に出たとも言えるから、
その前後で、姿勢が変化したという印象を持つのは
あながち的外れでもないようである。

そしてオーラス。

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観戦記(最高位戦Aリーグ最終節)2

ちょっとした綾で和了して迎えた
南1局の村上Pの親番。

三萬三萬四萬八萬一筒一筒二筒三筒三索五索七索九索發發裏 ドラ二萬

1牌が不明だが、こんな配牌が数巡後にこうなる。

二萬三萬四萬一筒一筒二筒三筒三索五索七索九索發發

そこへ金子Pが發を切り出してくる。
実はこの時、下家の尾崎Pも發を抱えていた。
だから、スルーしてもすぐ鳴けるのが見えていた僕は
心の中で「ふかせ!」と叫んでいた。

鳴く、鳴かないの判断は僕の手には余るが
鳴いてもロスのある形だから
鳴かない方がもともと正しいのかもしれない。

逆に、鳴けば役は確定するわけだし
親である以上鳴いて主導権を取りに行くのも
間違いとは言い切れない。

鳴くにしても自ツモを味わってからでも間に合うのが
傍で見ている僕には見えているから
「ふかせ!」などと暢気なことを思えるのであって
対局心理的には非常に微妙だと思う。

一つ言えるのは、焦りがあったら
その判断は狂ってしまうだろうということだ。

微動だにせずにツモ山に手を伸ばす村上Pを見て
僕は彼が「最後まで自分の麻雀を打ち切ります」と
言い切っていたことを思い起こし
その言葉に偽りが無いことを確信する。

これだけの屈辱を味わっても尚
彼はまだしっかりと戦える打ち手なのだ。

そして彼が引いたツモ牌は嵌張を埋める四索
彼はカン八索で即リーチを打つ。
これによって尾崎Pは山越しの發を切りきれずに防戦を強いられる。

尾崎Pはこの局はもともと戦える手格好ではなかったから
親のリーチに回るのはごく自然だとは思うけれど
たった今通ったばかりの牌であっても
手替わりがあった以上は簡単には切らない。

この辺に尾崎Pの打ち手としての強さが現れているとともに、
村上Pへの信用が見え隠れしているようにも思う。

「コイツに打ってはいけない」
「手拍子で打って調子に乗らせてはいけない」

そんな思いが聞こえるような気がしたのだ。

後日、近代麻雀の女流レポートで
同じようなケース(1枚目スルー、ツモったあとリーチ)で
一発で翻牌を切って放銃していた。

牌姿が不明だけれど、解説は「盲点」と言っていたから
他にも打牌候補はあったのだろう。
必然として切られた牌ならそんな表現は使わないだろうから。

このあたりがトップとその他の差なのだろうか。
ふと、そんなことを感じた。

そして、八索は尾崎Pが2枚持っていたのだが
数巡後に村上Pは力強く引きあがり、裏ドラを2つ乗せて
4000オールにして、さらにもう一本積む。
ちなみに裏ドラ表示牌は白だった。

この時の観戦メモには「ダントツチャンス!」とある。
内心で僕はここから噴きあがるのではないかと
ワクワクしていたのだ。

ところがそんなに甘い面子ではなかった。
反撃の狼煙はすぐに上がる。

まだ続く。

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観戦記(最高位戦Aリーグ最終節)

20年ぶりにプロの対局を観戦した。
観戦したのは最高位戦のAリーグの最終節。
現在ポイントトップの金子P、決定戦進出を賭ける尾崎Pと
降級を争う曽木P・村上Pの組み合わせ。

僕などがあれこれ述べるのもおこがましいのだけれど
ただの感想として読み流していただければと思う。

ちなみに、僕はずっと尾崎P・村上Pの後ろにいたので
金子P・曽木Pの手牌に関しては正確な情報を持たないし
見ていた二人の手についても、
背中に隠れて見えなかった部分もある。
牌譜が入手できたら、もう少し細かく分析することにして
とりあえず書いてみることにする。

1回戦目、並びは起家から順に村上P・尾崎P・曽木P・金子P。

ドラは二筒で、起家の村上Pに軽い手が入る。
6巡目でこの形。

二萬三萬三萬五萬六萬三筒四筒五筒五筒七筒七筒六索七索 ツモ四萬→打五筒


三面張+両面+2対子の好形一向聴。
ドラの振り替わりも可能だし
最悪の場合は仕掛けることも出来る。

いいじゃんいいじゃんと思っていると
上家の金子Pが打三萬と来る。
仕掛けはまだ早いよな、と思っていると
村上Pもスルーしてツモってきたのが六索だ。

三面張を残しつつ、尖牌の三萬を合わせ打てるのだから
悪くない展開に思う。

そしてそれにマッチするようにすぐに六索を暗刻にして即リーチ。

二萬三萬四萬五萬六萬三筒四筒五筒七筒七筒六索六索六索

捨て牌はこう。

南南四索西東五筒
三萬七索横

このリーチに尾崎Pは回ったが
曽木Pが前に出てくる。
一発目にいきなり六筒を強打し
3枚目の三萬をツモ切り八萬も切り飛ばす。

メモには「現張りか?」と書いてあったが
もしそうなら四索-七索二筒-五筒あたりが本線だろうか。

もちろん金子P、尾崎Pとも
その打牌を見てしまえば簡単に現物など切ってこない。
苦労しながらも確実に回っていく。
この辺はさすがにトッププロの戦いだと思った。

結果は村上Pが一萬をツモるも、裏ドラは乗らずの1000オール。
村上Pが好調時ならこうではないだろうが、これが今の現実か。
一本場もすぐに蹴られてしまう。

そして東2局に早くも三者がぶつかる。
中盤の入り口に金子Pが先制リーチ。
すぐに曽木Pが追いかける。

受ける二人はどちらも対子手系のゴツゴツした形。
村上Pは二筒五筒を固めて持ち
尾崎Pは四萬七萬を固めて持っている。
こういう手はなかなか回りづらい。
そして尾崎Pが追いついて三軒リーチになる。

四萬四萬四萬七萬七萬一筒一筒一筒七筒九筒三索四索五索 ドラ三索

一人残された村上Pは苦しい形。
一枚ツモるたびに、必死で降りる牌を探している。
普通は数巡凌げば安全牌も増えるのだろうが
今回はまったく増えてこない。
本当に手詰まりに近いのだ。

五萬二筒二筒四筒四筒五筒五筒五筒八筒九筒九筒三索五索

この手で現物は皆無なのだ。
ふと、今期はずっとこういう展開で
彼は苦しんできたのではないかと思い少し胸が痛くなる。

結果は金子Pが薄い四萬-七萬をツモり1000-2000。

一萬二萬三萬五萬六萬四筒五筒六筒二索三索四索發發 ドラ三索七萬

そして東3、4局と軽い手で進み南場を迎えた。
東4局に金子Pの親を村上Pがポン聴の1000点でかわしたのだが
この局は結構面白い綾があった。

村上Pの手がこんな形。

三萬三萬三萬四萬五萬二筒二筒三筒六筒九索東白白 ツモ七筒ドラ九索

ここから村上Pは東を切ったのだが
これをダブ東になる金子Pがポンする。
僕はこの形から捌きにいくなら
ドラから先に切るものだと思っていたのだが
それはもうオールドファッションなのだろうか。

もちろんドラが被る痛手を考えると
東から切る手も当然ある。
ただ、鳴かれたことによって
ドラを押しにくい状況になったのは間違いない。

一方この時の尾崎Pの手牌がこう。

二萬四萬六萬七萬七萬七萬五筒五筒六筒六索九索發發 ツモ三萬

ここから彼はビシッとドラを切る。
手の値段は高くないが、押すことに決めたのだろう。
ここまで尾崎Pは鳴かず飛ばずの状況だから
日和見してても仕方が無い印象はある。

けれど、こういった状況でドラを押せるところに
尾崎Pの強さの一端が垣間見える気がする。
思い切りと踏み込みが非常に良いのだ。

(後日聞いた本人の読み筋によると、
ポンの後に万子の塔子落としがあったから
ドラはポンは無いと思っていたとのことだった。
なるほど、と思わざるを得ない)

このおかげで、村上Pはドラを処理できて
うまく金子Pの親を蹴ることが出来た。
観戦メモには「どっちかが噴きそう」とある。
「どっちか」とは、もちろん村上Pか尾崎Pだ。

そして南1局の村上Pの親番を迎える。
長くなったので次回にする。

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専門用語

麻雀プロの対局というものを
先日久しぶりに観に行った。

予備知識としてHPやら掲示板やらを
あちこち見てから行ったのだけれど
ネットの活用としてはまだまだだなぁと思った。

団体によって利用の仕方はまちまちだけれど
更新頻度が低すぎる団体もあった。
ルールや評価方法の告知さえなされていない団体もあった。

それに、観戦の当日、僕は会場に行って初めて
その日の対局者の組み合わせを知った。
HPのどこにも、対局の組み合わせを告知している箇所は無かった。

ブログでせっかく成績速報を告知しているのだから
ついでに対局者の組み合わせも書けば良いのではないかと思う。

たとえば

次回(最終節)の対局

「尾崎P(5)・金子P(1)・曽木P(11)・村上P(12)」
「飯田P(6)・伊藤P(4)・佐藤P(8)・水巻P(3)」
「石橋P(9)・上野P(10)・近藤P(2)・平賀P(7)」

成績表にこれを加えるだけでいい。
3分あったら出来る作業だ。
これを見て、もしかしたら
観戦に来たいと思う人がいるかもしれない。

もちろんいないかもしれないが
かける手間に対する効果は低くは無いと思う。

「決定戦最後の椅子を賭けて3・4位が直接対決!」
「世代交代か?まだ俺の時代か?新旧王者、ここに激突!」

とかそういう煽り記事をつけろとは言わないけれど(笑)。
一人でも多くの人に興味を持たせることを考えるなら
ネットの効果をもっと活用してもいいと思う。

もちろん所属している(た)人たちは知っているだろう。
でも、内輪だけ見てるような姿勢では、と思うのだ。
マニアだけでなくライトユーザーも取り込めるような工夫を
全体として見せていってもいいと思う。

あくまで一愛好家の意見だけれど
HPを改善してほしい点はまだある。

僕は麻雀をネタにして結構記事を書くけれど
麻雀用語を変換するのはかなり面倒くさい。
「槓=カン」とかなんて直接は変換できないし
「混一色=ホンイツ」とかだって
「こん・いっしょく」って打たないといけない。

僕は麻雀ブログを書いていたつもりは無いけれど
麻雀に関するブログやSNSがこれだけあって、
みんな不便を感じないんだろうかと思う。

牌画は連盟のHPにあったような気がするけど
用語集も何かのファイルでダウンロードできるように
プロ団体のHPとかですればいいのに。

ちなみにそういうサイトは既にあって、
僕はそこからダウンロードしてしまったのだけれど
やっぱり麻雀のプロ団体なら
それくらいは作ってもいいんじゃないかなと思う。

うちの娘でさえ
「AA辞書」をダウンロードして使うのだ。
出来ないことは無いだろう。

だってコンテンツには観戦記もあるんだし
プロテストの問題にも
麻雀用語を漢字で書けって設問は出すと思う。

プロが個人でやるのは難しいだろうけど
プロ団体がこういうことをやるのは
結構大事だと思う。

辞書なんて一度作ったら、
そうそう頻繁に更新するものではないんだから。

え?既にあるならもう作る必要は無いだろう?

いや、まさかそんなことを麻雀のプロ団体が言うはずは(笑)。

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姿勢

およそ20年ぶりに麻雀プロの対局を観戦に行った。
最高位戦という団体があるのだけれど
そこのAリーグ(一番上のリーグだ)の最終節だったのだ。

村上淳プロというプロの話を
以前日記に書いたのだけれど
どうやら武運つたなく降級が濃厚になったので
友人として一度は戦う様子を見たかったのだ。

半荘48回のうち44回が終わった時点で
村上プロの得点はマイナス500強。
昨年、最高位決定戦で準優勝だったことを思うと
考えられないような不調だ。

あれだけ激しく競り合った後だから
その反動なのかもしれないと思っていたけれど
降級が現実味を帯びてくると
言霊を放ったようで申し訳ないような気持ちにもなる。

ともかく、村上プロほどの打ち手でさえ
こういった状況に陥ることがあるのが
麻雀というゲームの奥深さかもしれない。

そして、そういった状況で彼がどう打つかに
僕は強い関心を抱いた。

勝負事の世界に長く身を置いてきた僕にとっては
土壇場でどう戦い、どう勝ち、どう敗れるかに
その人間の本質が垣間見えるような気がするのだ。

そして激しく降る雨の中、
僕は会場になっている神楽坂の駅を降りた。
駅からすぐの古ぼけたビルの5階に会場の雀荘があって、
僕がエレベーターを降りると
すぐに会場係と思われる女性が声をかけてきた。

「ご観戦ですか?」

僕が頷くと、彼女は僕に
来場者名簿とアンケートへ記入するように言い、
観戦マナーに関する心得のようなものをくれる。

観戦メモを取ることの可否を尋ねると
彼女は立会人まで確認に行ってから、
邪魔にならなければいいという回答をくれる。

せっかくトッププロの対局を観戦するのだから
いろいろ勉強したいのは当然なのだが
対局を完全に記憶するのはもちろん不可能だ。

だからこそ牌譜があるわけだし
観戦していてもメモを取りたくなるのは
むしろ自然なのではないかと思うだけれど
かなり手馴れた感じで会場係をこなしている人でも
わざわざ確認に行くということは
今まで観戦メモを取ることについての質問は無かったのだろうか。

正直それは少し不思議に思った。

でも、いい加減な回答をして後で対局者に迷惑をかけるよりは
その時は即答できなくても、
きちんと確認するほうが遥かにマシだし、
彼女の対応には実はすごく感心した。

「今確認してまいりますので
少々お待ちいただけますか」

彼女はきちんとした言葉遣いで
僕にそう言った。
少なくとも、来場した観戦者に対して
ホスピタリティを持っていることは理解できたから。

いただけなかったのは対局の開始前の採譜係の挨拶だ。

「○○です、よろしくお願いします」

12名の対局者に12名の採譜係が着くのだが
最初にそれぞれの採譜係が挨拶をする。
その挨拶の情けなさには少し愕然とした。
ボソボソと何かを言うだけでまるで聞こえない。

それほど広くない会場の端っこにいた僕のところまで
自己紹介というか挨拶が聞こえてきたのは
12名のうちたった1名だけだった。
(O田さんという方だったけれど
それはこの際本旨には関係無いので伏せる。
伏字になってないような気もするけれど(笑))

おそらく採譜をされていた方々は
若手というか、下部リーグの方々なのだろうけれど
プロ団体の構成員の自覚はあるのだろうか。

彼らは、若手プロとしてこれから
名前を売っていかなければならないはずだ。
そして、麻雀プロに必要なものが麻雀の強さだけではないことも
彼らは良く分かっているはずだ。

名前を売るのは上位リーグの先輩に対してだけではない。
部外者も来ている場において
聞こえない挨拶なんて何の意味も無い。

最高位戦の研修では挨拶の重要性は教えないのだろうか。
実際のところ、人物評価なんて、
そんな簡単なところで決まったりするのだけれど。

このことから僕が受けた印象は
一人一人のホスピタリティは十分にあるのだけれど
それが有機的につながっていないということだ。
平たく言えばもったいないなぁ、ということだ。

プレイヤーは来た人に
プロとして恥ずかしくないような麻雀を見せようとして
運営者は来た人に
麻雀や麻雀プロの魅力を伝えるようにする。

僕は、そうであってほしいなと思う。
戦いの結果などとは別に。

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使命

昨日の記事に対して、別のところで
こんなご意見をいただいた。

~以下要約の上、引用~

そうやって海底牌を回して
結果的に自分の思惑通りになることなど
おそらく20回に1回くらいだろう。

ということは後の19回は、
無意味な結果になるか
自分にも害を及ぼすだけになるかの
どちらかということになる。

期待値で言うなら
1回当たり煙草1箱にも満たない程度の
利益しかないということになる。

であるならば、そんなことをせずに
お客さんの機嫌を損ねないようにしておいた方が
ある意味においては得なのかもしれないという
そんな葛藤がある。

~引用終わり~

これは一面においてはその通りだと思う。
世の中のピン雀荘で打つ人の
決して少なくない割合の打ち手が
この手の行為に対して
嫌悪感を示すということは
もちろん僕も知っている。

勝負事は自分が勝つから楽しいのであり
麻雀において勝つこととは
やはり1着を獲ることを意味する。

誰かの動きで(それもそのためだけの動きで)
自分の手から勝利が零れ落ちたら
誰だって面白かろうはずは無い。
僕だって悔しい。

僕は「それも含めて麻雀」と
自分に言い聞かせているけれど、
そうでない人だってたくさんいる。

客商売であるからには
客受けということは非常に大事だ。

接客スキルも低くない、
人間的にも悪くない
けれど、麻雀での印象が良くなくて
客に嫌われるメンバーだって世の中にはいるのだ。

だったら、そんな些少な動きなどせずに
その場に対して積極的に関与することを避けるというのは
僕もメンバー経験があるので
心理的にはものすごく良く理解できる。

だがしかし、である。

麻雀プロ、それも所属団体のトップを争うような打ち手は
その不条理とも戦っていって欲しいのだ。

以前、最高位戦の尾崎君が書いた文章について
僕はある記事を書いた。

それはメンバーとして打つ時にもろヒッカケをしないことに対する
彼の美学に対しての文章だったと思う。
こんな文章だ。

プロの看板を掲げて卓に着くのであれば
勝利の為に最善を尽くす姿勢を示すのも
プロとしての使命ではないか。

もろヒッカケや順位の変わらない和了をされても
麻雀を嫌いにならないように努めるのが
プロのあるべき姿ではないのか。

今、改めて麻雀プロに対して思う。

今日、これだけ多くの人が
麻雀プロとして、いずれかの団体に所属し
日々研鑽を積んでいる。

技量の高い者、低い者、
意識の高い者、低い者、
色々いることとも思う。

プロとして活動する環境にも
それぞれ大きな違いがあると思う。

言いたいことが伝わらない虚無感もあるだろう。
砂漠に水を撒くような失望も味わうだろう。
物陰に隠れたところから
嘲笑を浴び、揶揄され、時に中傷すら受けることもあるだろう。

それでも尚。

麻雀プロは、麻雀というゲームが持つ面白さを
あまねく伝えるべく活動していって欲しい。
レートや賞金の多寡は
このゲームの持つ面白さの本質とは無関係だ。

この複雑極まるゲームにおいて
勝利の為に全力を尽くさないことが
どれだけこのゲームの面白さを阻害するのかを
その存在意義をかけて証明して欲しい。
個人のブログやSNSにだって、
きっとその力はあると思う。

手抜きをしたり、入るべきでない情を混ぜたりするのであれば
それは、接待の道具でしかない。
であれば、それは看板を掲げてまで
人によっては人生を賭してまで
するようなことではあるまい。

僕の述べていることは
あるいは理想論に過ぎないかもしれない。
外野がそんな簡単に言うなと
あるいはお叱りを受けるかもしれない。

けれど、理想を語ることすら憚られるほどの閉塞感を
今の麻雀業界が抱えていることについて
もっと危機感があってもいいのではないか。

与えられるものに頼るだけでなく
主体的に何かを作り上げる、
たぶん、求められているのは
そんなことではないだろうか。

天は自ら・・・。

聖書の言葉を引用するまでも無いかもしれない。

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利己的行為

ある晴れた昼下がり、
朝から仕事を頑張った甲斐があって
時間が少しだけ空く。

実際には、すぐに行かなければならない可能性も
そこそこあったのだけれど、
そのまま何も無く終わる可能性もあったから
すかさず坂道を途中まで上がる。

さすがに走ったりはしないけれど。

店に入ると、3入りの状態だ。
東風戦だから、さほど待つことも無く席に案内される。

東南戦だと30分くらい待たされることも結構あるし、
そもそもまとまった時間がないと行けないから、
そういう意味では、今の僕には東風戦の方が都合が良い。

僕が案内されて入った卓の上家に協会のAリーガー
下家に最高位戦のAリーガーが座る。
相手にとって不足は無い。
向こうはどうか知らないけど(笑)。

対面には比較的若い青年。
何となく、かなり長時間打っているような印象を受ける。
だからと言って、自分の打ち方に変化は無い。
侮ることも恐れることも全く無い。

最初の1回は2着で終える。
僕にしては上出来か。
そして次の1回もトップ目でオーラスを迎える。
ただし2着目の協会Aリーガーとは500点の僅差。

32200-31700(上)-19600(対)-16500(下)

僕はラス親だから、3,4着目が500-1000をツモっても
2着になってしまう状況だ。
要は和了することに全力を注ぐべき局面だ。

ところが・・4着目の最高位戦Aリーガーから早々にリーチがかかる。
まだ7巡目かそこらだ。

捨て牌はちょっとあやふやだが

九索北一萬三筒三索白四筒横

9北一(3)3白(4)

こんな感じだ。
一方僕の手牌はまとまりきらない手格好。

ツモられれば変わってしまうが
だからと言って、変に前に出ると
2着も危ういかもしれない。

というか、横移動で決着を祈るしかないような局面だろうか。
とは言えあまり判断材料が無いから、
ある程度までは押さざるを得ない。

ところが、2着目の協会Aリーガーが
やけに押してくる。
ドラ(確か1索だった)を叩き切り、裏筋も押す。

「振り込んじゃえばいいのに」

心の中でそう思うが、
その店きっての手練が打っているのだ。
そうはうまい出来事にはならない。

そんなこんなしているうちに
僕の手もだいぶまとまってくる。
何となくではあるが、愚形ではないかという気もしてきた。

二萬四萬六萬六萬八萬二筒二筒二筒六索七索八索八索八索

二四六六八67888(222)

捨て牌が3段目にかかった頃、
こんな一向聴にまでこぎつける。
聴牌ー不聴で入れ替わってしまうから
何とか聴牌にまではこぎつけたい。

あれだけ押せば、
さすがに上家も聴牌が入っているような気配はある。

鳴ける牌が出ないかなぁ・・・

そんなことを思うが、
鳴けそうな牌は出てこない。
対面が上家の打牌を鳴き、ツモ順がずれる。
いよいよ残り2回のツモになった。
そこへ引いたのが三萬 三である。
待望の聴牌だ。

ただし、六萬 六も八萬 八も通っていない。
七萬 七が2枚切れているけれど
他に情報は出ていない。

どっちを切ろうか・・・

しばし悩んだ挙句、六萬 六を切る。
金五があるから六萬 六の方が危険度は高いのだろうが
他家の切り出し方から考えて
両面待ちなら五ー八の方が危険に思えた。

ロンの声はかからない。
巡目が進み、降りに回ったであろう対面が六萬 六を合わせ打つ。
すると、上家の動きが止まる。
同巡だから当たりということは無い。
鳴くかどうかということだろう。

聴牌はまだだったのか。
僕の聴牌には気付いているだろうから
自分も聴牌をとるかどうかということか・・・

一瞬そんなことを考えた。
そして上家がチーと言って牌を晒す。
出てきたのは安全牌と思しき牌。

そこで僕は察した。

「海底牌を回そうということか!」

対面が仕掛けていたから
本来であれば海底牌は僕のツモだ。
リーチ者はもうツモは残っていない。

けれど、彼が鳴いてツモ順を元に戻せば
南家である下家には、海底牌が回るのだ。

もちろん1翻余計に付くわけだし、
裏ドラなどの被害を受けることもあるだろう。
それを比較検討して、
鳴く方が良いと、上家は判断したわけだ。
(倍満でなければ変わらない点差だ)

実際には、海底には南家の和了牌はおらず
(金五単騎の七対子だった)、
僕はどうにか逃げ切ることができた。

従業員がこういうこと(聴牌もしないのに仕掛けて
海底牌をリーチ者に回すことだ)をすると
怒ったりする客も、世の中には多い。
特にピン雀荘ではメンバーに対する目は
相当厳しいものがあると思う。

けれど、僕はこうやって最後の最後まで
徹頭徹尾自分に利するようにそれぞれが打って
結果的に自分がトップを獲れれば
それが一番楽しい。

客が怒るからと言って、
打ち方に規制が山ほどあって
その代償のように、メンバー同士で手心を加えあうなんて
はっきり言ってどちらも麻雀の冒涜ではないかとさえ
僕は思わないでもない。

利己的上等。日頃の生活ならいざ知らず
本質的に利己的ゲームをやっているのだ。
他人のタメに麻雀を打つくらいなら
僕は渋谷のドンキホーテの前のゴミでも拾う方がいい。

ということで、その日の僕のmzの値(満足度のことだ)は
その瞬間がMAXだった。
要は、その後は下がるだけだったわけだ(笑)。

ちっ。

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祝儀牌

麻雀にはご祝儀というものがある。
一発・裏ドラといったリーチのオプションがまず一つ。

(リーチというのは、
自分があと1牌で完成だということを宣言する代わりに
ボーナス得点が期待できるというものだ。
「UNO!」とか「ヘキサゴン!」に近いけれど、
ボーナスが付く点が違う。)

その他に、「赤」という牌があって
ほとんどの店では「5」の牌の中に1つ
(場合によっては2つ)だけ
赤く着色されている牌があるのだ。

この牌が1つあるだけで
祝儀が付くのだ。

例えば

12334567(235)

という形であれば、赤牌が2枚だから
祝儀が2単位もらえることになる。

巷のピンの雀荘では1単位が500Pであることが多い。
時々行く雀荘は赤の代わりにワンズに1種類だけ
「金牌」が入っている。これは祝儀が2倍になっている。
要はピンズ=ソーズ<ワンズということだ。

実はこういった
「牌の種類によって、祝儀の価値が変わる」
というのがあまり好きではない。
赤牌がピンズだけ、というのはもっと苦手だ。
だからやらないということはないけど、
牌の種類で価値が変わるというのに
少し抵抗があったりする。

ところが、もっと変則的な祝儀牌の組み合わせもある。
今日行った雀荘。レートはピンの1・5-3・5
ワンズが祝儀2倍の青五が1枚入っていて、
ピンズは普通の赤(5)が1枚。
なのにソーズは祝儀2倍の青5と赤5が1枚ずつの計2枚。
つまりソーズの5だけやたら祝儀の可能性が高い。

ピンズ<ワンズ<ソーズ
というのがはっきりしている。

先日行った日吉の雀荘も似た感じで
ソーズだけ金と赤の2枚だったが
ワンズは赤だけだった。
ピンズ=ワンズ<ソーズということだ。

こういうのがすごく困る。
使い切れないことが多いからだ。

なのに、今日は祝儀だけで勝った。
233213という成績だったのに、
青入りの手を何度かツモったおかげだ。
正直煮え切らないというか消化不良の展開だったのに。

勝った気がしないなどと言ってしまうと
煽っているように思われそうだけど。

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ギャラリー・2

ギャラリー禁止の店で
ゲームを終えた後も場面に見入っていた男性。
従業員がすぐに寄っていく。

「お客様、当店は後ろ見は禁止なんですが・・」

従業員が低姿勢で男性に言う。
男性は、耳を貸さずに尚も座り続ける。

「邪魔しねぇから大丈夫だよ」

そんなことを言って、従業員が静止するのも聞かない。

「ここからじゃ見えねぇよ。だから見てないって」

そんな理屈も口にしていた。
要は見ていないからギャラリーではないということだろう。

ここでその従業員は一旦引き下がる。
正確には、言う人間を替える。

「判りました。では今主任を呼びますので」

そう言って卓に入っていた責任者と替わるべく動く。
これは正解だろう。
同じ人間がしつこく言っても効果が無いばかりか
より深刻なトラブルにつながる場合もあるからだ。

「うるせぇよ、この野郎。やっちまうぞ」

こんなことになる前に、あるいは激怒して暴力沙汰になる前に
しかるべき立場の人間を出す。
自分一人で背負い込むよりは、こうやってチームで動くのが
鉄火場で働く者の知恵でもある。
カジノはもちろん、雀荘もこの辺に弱点があるものだ。

責任者は僕が座っていた卓にいたのだが、
最初に対応した従業員と替わって対応に動く。
ここで彼はちょっとしたミスを犯した。

実際にはミスとも言えない。
言っている内容も、言い方も全く問題は無かった。
それで十分処理できることも多いであろう。

けれど、アングラ的視点から見るならば
より効果的な方法があるのに、
それを採らなかったと言えると思う。

彼は、空き卓に腰掛けて場面を見る男性のところで
男性に話しかけたのだ。

「お客様、見学禁止は当店の決まりでして、
皆様にご協力をいただいておりますので・・・」

あくまで低姿勢に、彼は男性に告げる。
その姿勢からは優れた接客スキルが見て取れる。
問題は場所なのだ。

揉めそうになったら場所を変える。

これが鉄則なのだ。
だから、この場合には男性の行為云々を言う前に
こう仕向ける必要がある。

「○○様、どうされました?」

まずこう言って、客の口から説明させる。
この場合、新規でも常連でも名前で呼ぶのが望ましい。

名前で呼びかけることで「知られている」という意識が働くし、
その「知られている」意識が、嬉しくさせることで
トラブルを回避できることもあれば
見栄や自意識に作用して、
無理難題を言うことを避けさせることもあるのだ。

もちろんその時点で責任者自身は状況は把握しているだろう。
それでも、客の口から説明させるように仕向ければ
説明しながら客自身が冷静さを取り戻す
ことも期待できる。

「いや、ちょっと見てただけなんだけどよ」

などとおそらくは言うだろうか。
別に客が言うその内容などはどうでもいい。
その内容に関わらず、今度はこう言うべきなのだ。

「なるほど。ま、ここは盆の(皆様が遊ばれている所の)近くなので
見る見ないはともかくとして
あちらでお話を伺えますか?」

こう言って、部下に

「○○さんとはあちらで話すから、
お飲み物も一緒にお持ちして」

などと指示を出せばさらにいいだろう。
この時、客が動くことを拒んだりすることもある。

「何でだよ。ここで話せばいいじゃねぇか」

などと言うケースだ。
こんな時は、こう言えば良いと思う。

「いえ、他のお客様に聞こえては、
率直なお話もしにくいでしょうし、
他の方のゲームに差し障りもありますので」

ここは譲ってはいけない点なのだ。

客を動かしてしまえば、おそらくはこの問題はすぐに片付く。
店側としてもある程度強くも言えるし、
席を離れてしまった以上、
その男性も戻ろうとまではしにくいだろう。

仮にこれでも尚、動こうとしなければ
強く言うきっかけが作れる。

「他のお客様のご迷惑にならないように
お客様の言い分を伺うつもりでしたが
お店の決まりにも従っていただけない、
場所も変えていただけないということでしょうか」

実際にはここまでされて
尚も居座り続けられる客はそうはいない。
出入りを断る理由にすらなりかねないし
客側に大義名分が無くなってしまうからだ。

お気づきだとは思うが、
この時点で、そこに座るなと言っているわけではない。
言い分を聞くから場所を変えようと言っているに過ぎない。
座りたければ言い分を通してから座ればいい、ということになる。
実際には相当しにくい行動であり、
そこが狙いなのだけれど、建前的にはそういうことになる。

相手の言い分を聞く姿勢を見せること
そして店の主張を通すこと、
この両立の為には、場所を変えるというのは
かなり有効な方法なのだ。

現実にはこの方法を採れなかったが為に
男性は、責任者の言葉にも
最初のうち耳を貸さずに座り続けた。

そこで責任者は一度その場を離れて電話をかけた。
話の内容はもちろん僕には分からないが
おそらくさらに上のポジションの誰かに連絡を取り
強く出てもいいという指示を受けたのだろう。

戻ってきてから、先ほどまでよりも少し強い口調で
男性にその場を離れるように言い、
男性はようやく待合席に移った。
そして、程なく店を出て行った。

責任者はその後を追いかけて、何かを言っていた。
出入りを断ったか、
今後、そういう行動を取らないよう警告したか。
それも僕には分からない。

客商売は客がいてこそ成り立つ。
お客様は神様だという言葉を持ち出すまでも無く
客本位の姿勢は大原則だ。

しかし、最終的には、店を守るために、
ある程度強く出ざるを得ないことがある。
そのために最善の方法を採っているか、
店を預かる者は、常に心しておかなければならない。

そんな出来事を横目で見ていたら
ラスを食ってしまった。
けれど、それをそのせいにするのは
ある意味アウトを切るより恥ずかしい遊び方なので
それは、言わないことにしておく。

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ギャラリー

昨日の記事で、立ち番の立ち位置について書いた。
1人でホールに立っている時と
数人でホールに出ている時では
客に与える影響が変わってくる。
それを考慮した上で、立ち位置を決めることが望ましいと思うのだ。

それはそれとして、
時に、客がゲームを終えてから
卓の様子を見ていることがある。
いわゆるギャラリー状態だ。

これは店によって対応が異なる。
口を出さなければ自由にさせている店、
クレームが出ない限り自由な店、
一切禁止の店、いろいろある。

どれが正解かは一概には言えない。
常連中心でやっている店であれば
邪魔にならない限り、強くも言えないだろう。
そういうのが好きな客は、
ある意味そういったやり取りがしたくて
その店に行くのだ。

今日訪れた雀荘は
ギャラリー行為は一切禁止である。
もちろんそれはそれで一つのあり方だ。
いや、むしろフリー雀荘であれば
本来そうであるべきだろうと思う。

ガールフレンドなどを連れてくるような客は
来難い雰囲気になるだろうが、
雀荘に足繁く通うような客は
そういった女っ気など無い人も多いから
少数派になるであろう。

であれば、最大公約数として
立ち見、ギャラリーは禁止にした方が
トラブルの種にはならないはずだ。

ただし、それが徹底できないと
他のルールまで徹底できなくなるから
店としては神経を使うところでもある。

ルール違反を見逃しておいて
他のルールは遵守を呼びかけたところで
説得力というものは無くなってしまう。
グダグダになっていく雀荘は
このあたりのことが原因になることも多いのだ。

今日の午後、仕事を終えて雀荘に立ち寄る。
日曜日にまで仕事をしたのだから
これくらいの息抜きをしてもいいはずだ・・・
などと聞かれもしない言い訳を心の中で並べる。

卓数は2卓で、従業員がそれぞれの卓に
1人、2人と入っている。
入ってすぐに2人入っていた卓が終わり案内される。

程なく隣の卓もラストになる。
するとその卓にいた初老の男性が、
預かりのかごを換金し清算を終えた後も尚
ゲームを続行しようとする。

これは「テッポウ=金が無いのに打つ行為」の元になるから
ご法度の店が多い。
勝てばいいものの、負けた場合に清算する金が無いと
店が負担せざるを得ず(これをアウトと呼ぶ)、
アウトを回収するのは困難だからだ。

昔の雀荘経営においては、
常連に対してはある程度大目に見ているケースもあったはずだが
経営を圧迫する場合も少なからずあるから
極力アウトを切らさない方向へ向かうのは
むしろ自然なことだろう。

その初老の男性のところにも、従業員がすかさず寄っていき
預かりを換金した場合には、新たなゲームは打てないことを告げる。
男性はしばらく愚図っていたけれど、
店の決まりである以上、仕方なく席を立つ。
僕の席の真後ろのことだったが
名残惜しそうな様子が、背中越しに伝わってくる。

「アツイんだろうな」

僕は心の中で呟く。
雀荘に通い始めた時分、
僕にも同じような経験がある。
ラスを引いてしまえば
アウトを切らなければ所持金が足りないのを承知で
席を洗えなくなってしまったのだ。

「すいません、足りないんですけど・・・」

屈辱と羞恥で居たたまれなくなった記憶は
麻雀打ちであれば持っている人も多いと思う。
さすがに今はそういった無様な真似をしない程度にはなったが
その男性の気持ちは痛いほど理解できた。

そして男性はしょぼくれて帰るのだろうと
僕は考えていた。

ところが・・・その男性は席を立った後も
空いている卓に腰掛けて、場面に見入り始めたのだ。

続きは明日に。

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きっかけ

新しく雀荘に行くきっかけというのは
僕の場合、それほど多くは無い。
知り合いが経営している、働いている場合というのが圧倒的だ。

こんなブログでもご覧になっている麻雀プロもいるので
何らかの形で接点を持つことになる。
するとそのプロがいる店に行ってみようかなどと
思ったりもするのだ。

僕が行ったところで、売上などに貢献できるはずも無いけれど
やはり同じ麻雀を嗜む者として
卓を囲む機会は、可能であれば作りたい。

そんな麻雀プロの中に村上淳という打ち手がいる。
最高位戦の理事もやっているし、
昨期は最高位決定戦で史上稀に見る激戦を繰り広げたから
ご存知の方も多いと思う。
ブログをご覧になっていて、メールをいただいた関係で
交流を持たせていただいている。

決定戦で惜敗した彼は
今期、捲土重来を期して臨んだはずだが
その思いとは裏腹に、成績は悪い。

勝負に出て僅差で競り負けると後を引くというのは
博打場では良く言われることだが
そんな根拠の無いオカルトも頭をよぎるような出来の悪さだ。

最高位戦のAリーグには僕が知っているプロが3人いる。
その3人が揃って決定戦に出ないかななどと
虫のいいことを考えていた僕だけれど
そんな場合ではないかもしれない。

何といっても、村上プロは現状は降級ポジションなのだ。

僕がアドバイスなどはできるはずもないから
せめてハッパくらいはかけないといけないと思い、
彼がゲストプロとして行く雀荘に
お邪魔することにして連絡をしてみた。

「あ、月~水は八王子で木~日は日吉の雀荘です」

どっちもえらく遠い。

行くだけで2時間以上かかる。
でも、やはり男が一度行くと言ったからには
これは行かなければなるまい。

ということでお邪魔してきた。
もちろん彼と卓も囲めた。

お店の雰囲気は良くも悪くも地元密着型である。
大きなターミナル駅ではないから当然だと思う。
ただし、場末の雀荘という感じは皆無だった。
客層はもちろん地元のオッサンが多いけれど
行儀はあまり悪くない。というか良い部類だと思う。

レートは決して安くは無いから
崩れた雰囲気を纏った打ち手もいるかと思ったが
昼だったせいか、そんなことも無かった。

常連重視の店にありがちな
歪んだ馴れ合い感も見受けられなかった。

客商売が常連を重視するのは当然のことであるが
そのバランスを欠くと、馴れ合い感が前面に出てしまう。
このバランスをとるのは、決して簡単なことではないが
従業員にコンセンサスがあるのだろう。
それはちょっと感心した。

常連同士で「馬身で握る」のが公認だったのが
唯一「らしい」といえるだろうか。
これは結構危険な行為で
新規の客に心理的なプレッシャーを与えかねないけれど
その辺は客同士も心得ているのだろうとも思う。
打ち慣れていない打ち手が、
気軽に覗くようなレートでもないわけだし。

さすがに僕は初回だから遠慮しておいた。

気になったのは、立ち位置である。
6卓ほどあるうち1卓しか立っていなかったが
レジの真正面の卓を使っていた。

どこを使おうといいのだけれど
レジの前が見やすいという理由だろうと思う。
ホールが一人しかいない時には
その分目も行き届くだろうし。

ただ、卓が丸くなって(客だけになって)
ホールに2人ほと立ち番になった時に
距離が近すぎるのではないかと感じたのだ。

雀荘のメンバーというのは麻雀が好きだから
立ち番の時にはどうしても手牌や卓上を見る。
プロが他にもいたから尚更研究しているのかもしれない。
その熱意が別の意味で伝わってしまうのだ。

1人では気にならない視線も
レジと立ち番の3人で囲む形になったら
ちょっと圧迫感があるのだ。
この辺はカジノの感覚では「・・・?」という感じだろうか。

圧迫感を与えないようにしながらキチンと見る、
これが望ましい位置だと僕は考えている。
見ているのが1人の時と複数の時では
立ち位置も変わってしかるべきだと、僕は思う。

木と森を同時に見ろと言っているようで
ちょっと無理難題かと思わなくも無いけれど、
出来る黒服というのは
気にならない位置にいながらも
きちんと目配りできるものなのだ。

雀荘だって同じではないかと思うのだ。
もちろんそんなことを言いに行ったわけではないので
特に何も言わなかったけれど。

そうそう、村上プロは別に弱くは無かった。
赤と金入りのリーチをツモって
ガッツポーズなんかしたりしていた。

最高位戦の競技ルールには赤牌が無いのが
苦戦の原因かもしれない(笑)。


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逡巡

その日もラスからスタートだった。
出足が悪いのはいつものことだからと
自分に言い聞かせる。

たとえ実力的に劣っているとしても
勝つ可能性は皆無ではない。
戦う以上は勝利を信じる、
これは麻雀に限らず、勝負する上での鉄則である。

勝てる気がしないなら
最初からやらなければ良いのだ。

4-3-3-2とちょっと上向きかけた5半荘目、
チャンス手が入る。

配牌がこう。

東1局 南家 ドラ中

四萬四萬五萬六萬六萬二筒八索八索西白白發發

四四五六六(2)88西白白發發

七対子のイーシャンテンである。

五萬赤 金五が重なって即リーチなら・・・
ツモる手に力が入った第一ツモが・・・發

ドラ表示牌に出ているからラス牌を引いて暗刻にしたわけだ。
これなら白 白を叩いてトイトイに行ってもいいだろう。
五萬 五を引いた時にどう受けるかは保留しながら二筒 (2)を切る。

二巡後、ドラの中 中をツモる。
七対子の目もあるから、もちろん切らない。
次にいきなり中 中が重なる。

四萬四萬五萬六萬六萬八索八索白白發發發中 ツモ中

四四五六六88白白發發發中 ツモ中

さてどうするか。
一応聴牌である。

とりあえずの五萬 五単騎で
状況次第で待ちを変えてリーチか。

八索 8の対子落としで混一色に行くか。

カン五萬 五を嫌って大三元を狙うか。

・6400~ツモ満貫の聴牌
・倍満のイーシャンテン、高目役満のリャンシャンテン
・高目役満、安目ハネ満のイーシャンテン

どれを選んでも間違いと言うことはないだろう。
悩んだけれど、ワンズを外して聴牌採らず。
どちらからも鳴くけれど、
白から仕掛けたら、中は出ないだろう。
特に対面にはプロが座っている。
ならば染め手に見せない方がまだいいかもしれない。

四萬 四。

数巡後、七筒 (7)をツモ切ると
下家に両面赤入りでチーが入る。
出てきたのはドラの中 中。もちろんポン。
六萬 六で八索8と白 白のバッタ。

四萬五萬六萬八索八索白白發發發 ポン中中中横

四五六88白白發發發 ポン中

ただ、ドラが出てくる以上、
下家はおそらく聴牌、悪くても好形イーシャンテンだろう。
両面を鳴いたということは、
カンチャンの567の三色の可能性もあるかもしれない。
四萬 四と七萬 七だけは入れ替えるつもりで打牌する。

もちろん降りることはない。
なるべく気配を殺しながら押す。
掴めば出てくるとは思っていた。
八索 8が出たら見逃すつもりだったけれど
巡目が進むにつれて迷いが生じる。

ツモる度に渾身の力で念じる。
間違えようがないから(笑)、盲牌もしている。

ところが、そこへ親が八索 8を出す。
何と僕はそこで止まってしまったのだ。
腰についての規定はないけれど
腰を使ってしまった以上、和了すべきだろう。

「・・・すいません、ロンです」

小三元ドラ3のハネ満。
その一回はトップを獲ったけれど。
止まった末に和了するとは
かっこ悪いことこの上ない。

和了するならサクッと和了する。
安目でも和了するのはごく普通のことだろう。

夢を追うのも自由だから
見逃すなら平然と見逃せばいい。
中途半端が一番良くない。

実際、対面のプロは白 白を1枚抑えていた。
手牌の進行次第では出る形だったらしい。
そんなこと、もちろん知る術は無いが。

「へへ。きたぜ、ぬるりと・・・!」

アカギのあの台詞は言ってみたかった。
フリーでそんなこと言ったら

「発声はちゃんとお願いします」

とか注意されちゃうんだけど(笑)。

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決め

関西に行った折、知人に雀荘を紹介してもらう。
時間が少し空けられたので、せっかくだから
関西の麻雀を打ってみようと思ったのだ。

もちろん四人打ちである。
三人打ち(サンマ)に関しては
僕はほとんどど素人に近いので
一日しかない時に打ってみる気にはならない。
そんなことしてたら、慣れるだけで終わってしまう。

そして紹介してもらった雀荘に行く。
東京にも支店を構える大手チェーンの雀荘だ。
大手らしいマニュアル化された接客を受け、卓に入る。

ごく普通のルールだが、普段打っているルールとは
若干の相違点がある。
そういう相違点をきちんと把握することは
実は結構面倒なものだ。

人間は習慣化する生き物だから、
普段打っているルールに準じて考えてしまうのだ。
もちろんそれがマイナスに作用することは言うまでもないが、
顕在化するほど大きな相違が生じていることも実際には少ないから
何となく何とかなってしまう。

その時もそこそこ好調だった。
ところが1-2-1ときた4半荘目、
東場でダントツが出来上がってしまう。
対面が脇の二人から12000を二回出和了し、
6000オールをツモる。

一応デバサイ(出場所最高)のマンガンを直撃し、
次の局もマンガンを和了するが
南1局の時点で、点差は20000弱。
ラス目の親は1300点しか無い。
3着目が13900で、僕は32700、
トップが52100点。

正直、2着でも良しとせざるを得ないような状況だ。
ところが、そこで大物手が入る。

南一局 北家 ドラ南

一筒二筒三筒三筒四筒五筒赤九筒九筒九筒南 ポン白横白白

(12334999)南  ポン白白白

跳ね満の聴牌であるが、ツモると親が飛んで終わってしまう。
ドラ単騎であれば、直撃も望み薄だ。
他の単騎に受けを変えたところで
ドラを切り出してしまえば、まず出まい。
上家から出た時に山越しをかけるくらいだろうか。

と思う間もなく、トップ目が仕掛ける。
フィニッシュに来たのだろうか。
聴牌気配も濃厚だ。

そこへ上家がドラを切る。
逡巡するが、山越しはかけずに和了した。
次の局に賭ける方を選んだのだ。

点差は7400点。
マンガンの出和了か1300-2600ならOKだ。

ところが次の局は、ラス目がノミ手でとりあえずラスを脱出する。
点差は7200点に縮まったが、
今度は1300-2600では駄目だ。

そして、南三局。ドラは四筒 (4)

ラス目に落ちた親が懸命なリーチをかけてきた。
捨て牌はこう。

八筒一筒二萬三萬八筒一萬三萬横

(8)(1)二三(8)一三

ソーズを1枚も切っていないが
染まっていることはないだろう。
苦しい待ちだと想像したが
僕の手牌がこう。

二萬三萬一筒三筒一索二索三索南西西西北北 ツモ南

二三123(13)南北北西西西 ツモ南

場には一萬 一が2枚、二筒 (2)が1枚。南北 南、北とも初牌。
さてどうするのが正解だろうか。
親が700点しかないから、ツモ和了すれば終わりだ。
リーチ棒が出たから1300-2600でも届く形。
ならば、ダブ南を叩いてのチャンタか。

そう考えてワンズを払う。
どうせ四萬 四では駄目だから
リャンメンもカンチャンも変わらない。

するとズバリと二筒 (2)を引いた。

今度は思い切ってリーチをかける。
リーチなら北 北でも6400あるからだ。

一発目に引いたのは五索赤
正直相当寒かったがセーフ。

数巡後、北 北をツモる。
裏ドラは・・・南北 南と北。
リーチ・ツモ・チャンタ・裏5で倍満の5枚オール。

はっきり言ってバカヅキである。
ホクホクで次の半荘に移った。
ところが・・・

東1局、西家。ドラは四筒 (4)
軽いピンフ手が入る。もちろん即リーチ。

一萬二萬三萬四筒五筒六筒三索四索五索六索七索九索九索

一二三(456)3456799

ほとんど確信に近い形で、和了だと思っていた。
ところがそこから親がダブ東を仕掛け、
追っかけリーチが南家からかかる。
一発目に掴んだ牌は・・・キラリと光る五筒赤(5)
そしてこだまのように響くロンの声。

東家

二索二索二索四筒六筒七筒八筒九筒南南 ポン東東横東 

222(46789)南南 ポン東

南家

四萬五萬六萬六萬六萬三筒四筒六索六索七索七索八索八索

四五六六六(34)667788

北家

六萬七萬八萬一筒二筒三筒