個人的に、僕は麻雀に関して
今後は「融合」が進むのではないかと思っている。
ネットとリアルの麻雀をどちらも高レベルで打ちこなし
デジタルとアナログを適切な判断の元で打ち分ける、
そんな、いわば「ハイブリッド」な打ち手が
今後は増えてくるんじゃないかと思っている。
もちろん、対立構図を作った方がイベントは盛り上がる。
ネットvsリアル、デジタルvsアナログ(オカルト)だけでなく
プロvsアマ、あるいは雀鬼会・・・
だから、取材には
「ネット否定論者には負けたくない」
と軽く煽ったコメントをしてみた。
とは言え、会場入りした後も、いつもと同じような感覚で
顔見知りのプロと談笑したりしながら
対局開始までの時間を過ごせた。
応援に駆けつけてくれた人と
開始前に話せたことも大きかったかもしれない。
ずいぶんリラックスはできたと思う。
ところが1戦目、卓に着いて開始を待っていると
やたらいかつい人が対面に座る。
ぱっと名札を見ると、僕らと同じネームプレートではなく、紅白のリボンに
「第○回最強位 △△」
と書いてある。
(この人知ってる。昔雀○会で優勝した人だ!)
僕が今よりずっと若い頃、
・・まだ近代麻雀を欠かさず買っていた頃だ、
その様子が雑誌に載っていた。
今回も余裕綽々で付き人まで居て
お茶のペットボトルなんか買いに行かせている。
貫禄っていうか大物感十分だ。
(いきなりラスボスとエンカウントとかwww)
とか思いつつも、逃げるわけにも行かないので
腹をくくって戦うことに決める。
北家で始まった東1局、
中盤にメンピンでリーチをかけたけれど
直後に親に追いかけられて1000オールを引かれる。
まぁ薄い待ちだったししょうがないと思いながら
主導権を獲りに行こうと次も積極的に仕掛ける。
この手の大会で地蔵だけは勘弁だ。






チー

ポン

ドラ
がほぼ安全なのと上家と親が降り気味なのを見て
を加カンする。カンドラは
。
そして
がアンコになって
単騎に変える。
枚数と打点を考えたら、その方が得だと思ったから。
こういうカンは所によってはご法度らしいけど
そのルールで打つことがいい麻雀を打つことかどうかは微妙だと思う。
少なくとも、僕は僕なりの価値判断でカンをするかしないか決めたい。
仕掛け返してきた対面がドラをツモ切って6700の収入。
それがあがれたのは心理的にすごく大きかった。
その後も、対面から



ロン
ポン

ポン

ポン

ドラ
こんな倍満やらあがってダントツで1回戦を終えた。
実は、オーラスの親であがったので続行することもできたんだけど
さっさと終わらせた。
明確な条件があるならまだしも、
そこまでして素点をたたかないといけない状況じゃない。
でも対面はいわゆる「強い打ち手」特有の雰囲気があった。
卓を囲んでみて分かる圧倒的な威圧感があった。
強打云々は僕はあんまり気にしないけど
切り出される牌にそれをものすごく感じた。
強打は、あれが基本動作って言われるとものすごく違和感ある。
僕はあれはできなくていい。
最近リアルをあまり打ち込んでいないので、
もう少し綺麗に牌を扱えたらいいなとは思ったけど。
ともあれ勝てたのはラッキーだった。ホントに。
続く2回戦も一時期7万点近いトップに立ったんだけど
東場だったので加点しにいったら
倍満を親でかぶって、さらに2着目にリーチ負けしてデバサイの親満を打ち
自分が2着目に落ちてしまう。
でも焦りは無かった。
その時点でまだ南1局だったし、
僅差の2着目だったら、そこから仕切り直しだと思えばいいのだ。
まだもう一山も二山もあると思っていた。
実際には場は急に落ち着いてしまい
辛うじてノーテン罰符で逆転してオーラスを迎えた。
点差はわずか100点。
あがればもちろんトップ。












ドラ
このピンフ聴牌から、親のリーチに無筋の
を押す。
危ないといえば危ないんだけど
上家が
を持っていそうな読みがあって
一応勝手にワンチャンスだと思い込んでみた。
結局降りたんだけど。
次もピンフのみを聴牌したんだけど
嫌った方のメンツが完成する間の悪さを乗り越えて
どうにか和了して2連勝。
大きいトップ2つなので
次に2着ならほぼ確定、3着でも点差次第という状況で
最終戦を迎える。
最後は3着で終わったんだけど
ほとんどノーミスで打てていたので
これで落ちたらしょうがないと思って割と気楽に成績発表を待てた。
トークショーはまぁ予想していた話。
PCのことはぜんぜんわかんねぇんだよなと言いながら
ネット麻雀を思い切りディスっていた。
別にどう思ってたっていいけど、明らかな誤解もあった。
「俺と弟子の間には言っちゃいけないことなんてねぇんだ」
って言ってたけど、多分弟子はそうは思ってないんだろう。
もし本当に師弟揃ってそう思っているなら
「会長、知らないことを思い込みで批判するのは・・」
って言う弟子がいたっていいはずだ。
自分たちのことを批判されると
「何も知らないくせに」
って言うでしょ?
そして成績発表。
思っていたよりもボーダーは低くて
何とか上位に食い込めた。
(たぶん、ネット予選からの通過者は僕だけだったと思う)
準決勝はトップのみが決勝進出。
東1局、親で3巡目にこの形。












ドラ
2枚目の
から仕掛ける。
1枚目が出た時は、ドラが浮いていたのでスルーしたのだけれど
すぐにドラが重なったので、今度は仕掛けた。
そして2巡後に
が上家から出たんだけど
これはスルーした。
この状況でこれを鳴くと、さすがにダブ東は切ってきそうにないから。






チー

ポン


これが、点数に動きが出た後であれば
切ってくる他家もいるかもしれない。
でも、開局直後であればやはり慎重になるだろう。
とすれば、よほどのことが無い限り、ダブ東では待ちたくない。
できればそこを鳴いて1-4pで待ちたい。
結果はスルーしてすぐに自力で
を引いたので
早い段階であればこぼれてくるかもしれないと期待してたんだけど
残念ながら、終盤まで山に埋もれていて誰も持っていなかったらしく
放銃という結果になってしまった。
でも、2枚目の西に声を出せたあたりでは
ちゃんと打てているという実感はあった。
これを鳴かないようでは逆に自分のフォームを崩している。
その後、何とか食いついていって
ラス前にトップ目が満貫放銃で点数を失ってくれて
オーラスを3900点差のトップ目で迎える。
そしてこの形。













ドラ
を切ってタンヤオに向かおうかとも思ったんだけど
ここは最速の聴牌を組むべきだと思い、
どちらかのカンチャンを払うことにする。
マンズが自然な形で変化すればタンヤオにもなるし
後々の多面張変化を考えてピンズを払うことにして打
。
すると次に引いたのが頭がダイレクトに振り変わる
。
そしてすぐに上家から出る
。もちろんチーテン。









チー


これはもらった。
正直そう思っていた。
がしかし、直後にラス目の親が切ったドラを
満貫ツモでトップになる下家がポンして
さらに親からリーチが入る。
一発目で掴んだのは暗刻筋の
。
具合の悪いことに親も下家も
を切っているのだ。
降りるか、向かうか。
一瞬だけ迷ったけれど、ここは踏み込んだ。
親に放銃であればまだチャンスは残るし、下家はノーテンだという確信があった。
それに、勝負事では乗り越えなければいけない山場があるものだ。
安全運転して、逃げ回って勝てることなどそうは多くない。
意を決して
をツモ切る。
下家がこれをチーして、親の2900に飛び込んだ。
聞けば鳴いても早くなっていない形だったという。
おそらく下家もいつもの麻雀を打ててはいなかったんだろう。
半荘を通じて、随所に緊張の色は隠せなかった。
鳴かなければどうなっていたかは神のみぞ知るところだけれど
これあがれないとか><
と正直少し落胆はした。
気を取り直して次で決めるつもりでいると、2着目から4巡目にリーチ。
いつもだったら
はいはい、終わり終わり。
と挫けてるところだけど、今回は違った。
むしろ開き直ったというか、腹が据わった。
だめかもしれないけど、全力で向かおう。
そう決心して、必死に粘りに行く。
そして12巡目に追いついた。












ドラ
ドラ表示牌のカンチャンだけど場には出ていない。
もちろん追いかけた。
結果は対面のツモ。1000-2000の1本場。
タンヤオの四面張だった。
終局後、ポイントの確認を終えて、僕はふと思い出して山を開いた。
見れば悔しさが増すのは分かっていたけれど
後ろで見ているたくさんの人々は、知りたいことがあるはずだ。
は・・・
表示牌でめくれた
の残りのうち
2枚は並んで1番目と2番目の嶺上牌に寝ていて
もう1枚が海底牌の次だった。
こうして僕の最強位戦は終わった。
決勝戦はほとんど見ていない。
金村さんが強いのは見ている人はみんな分かったはずだ。
予選で見ただけで十分分かった。
少なくとも、あれだけのプレッシャーを受けて
決勝まで勝ち進んだ精神力は心から敬服する。
これは僕の想像だけれど、多分全参加者の中で
あの人が質量ともに一番打ち込んでいるはずだ。
あそこまで鍛えられるんだとちょっと驚愕した。
でも、ってことは、もしかしたら僕ももっと強くなれるかもしれない。
彼らとは違ったアプローチでだけどね。
最後に。
もちろん僕は、他人のために麻雀を打ったわけじゃない。
でも、応援してくれる人の存在は
いい麻雀を打ちたいという気持ちの原動力になった。
6月に出場が決まった時に、一つだけ誓った。
最後まで切れずに、折れずに打ち切ろう。
それは実行できたと言える。
最後まで集中して、丁寧に、果敢に打てたのは
応援してくれた人のおかげだ。
現地で、ネットで応援してくれた方はもちろんのこと
主催の竹書房さん(すいません、アンケート出すの忘れました><)
自動卓を提供してくれたアルバンさんはじめ協賛各社、
黒子として運営に携わっていたプロの方々(協会の人が多かったように思う)、
いろんな方のおかげで、とてもいい経験をさせてもらった。
あと一歩、届かなかったことも含めて。
ともあれ心より御礼申し上げる。
本当にありがとうございました。