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2008年11月19日 (水)

The Outcasts・28

アンダーグラウンドの世界で生きていこうとした時、
決して忘れてはいけないことがある。

それは「レッテル」を貼られてはならない、ということだ。

もちろんレッテルとは、世間一般で言われているように
決して良い意味では使われない。

博打の世界に付き物のイカサマや不正、
それをみすみす見逃すような盆暗だと思われること、
あるいはそういった不正やイカサマに
自ら手を染めていると思われること、

客あしらい一つ満足にできないような
使えない人間だと思われること、

あるいは、アドバンテージがある勝負を受けているのに
それに勝ち抜けないような勝負弱い人間だと思われること、

そういったレッテルを貼られることで
その人間の世界はどんどん狭く、小さくなっていく。

小さくなっていくのは世界だけではない。
その人間の精神性さえも、卑屈で矮小になっていく。

何故なら、彼はそうしなければ生きていけない。
オーナーや責任者に阿り、媚びて、嫌われないようにしなければ
彼が生き残る術は無い。
今さら真っ当な勤め人になどなれるはずもなく、
かといって、独力で事業や商売を始めるだけの才覚も無い。

イエスマンでも歯車でもいいから、そこにしがみ付かなければ
行き着く先は使い捨ての駒だ。
重要なことは何一つ知らされず、
人員整理の話が出ると真っ先に切られる。
もちろん補償なんて何も得られない。

パクられたところで弁護士はもとより差し入れ一つ来ない。
庇わなくても謳いようがないからだ。

もとより、評価というものは、自分が決めるものではない。

良い評価を確立させて、
それを自分で掲げればそれは「看板」と呼ばれるが
悪い評価をぶら下げて歩けば、それはただのレッテルだ。

そして、看板を汚されてそのままにしておくと
それはやがてレッテルへと変わっていく。

この世界で生きていく限り、
地に落とされた評価は、
たとえどんなに苦労と時間がかかったとしても戻さなければならない。
辱めを雪ぐ、とはそういうものなのだ。

「お前なぁ、この世界は舐められたら負けなんだよ」

僕が働いていた店のソファに座り、マルボロメンソールを吸いながら
ニシムラは僕にそう言った。
いや、僕だけではなく、彼の下で働く全ての人間にそう言っていた。

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