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2008年11月

2008・Jリーグdiv.1第三十三節 柏レイソルvs大分トリニータ

スポーツに限らず、およそ勝負事に関わる上で
勝ち負けを左右するのは持っている技術や戦力だけではない。
メンタル、それもモチベーションや闘争心といったものが
戦う上で大きく影響するのはもはや常識と言っていい。

石崎監督の電撃退任の報道の後のホームゲーム。
相手はクラブ史上初の優勝、あるいはACL出場に燃える大分。

お互いモチベーションは相当高く臨んだことは想像に難くない。
もちろん、僕らサポーターも燃えていた。

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試合前、ゴール裏に出ている弾幕には

「08 日立台劇場千秋楽 石崎さんに捧げます」

そうあった。
時事ネタ、昨年も出てきた竜と渾身の力作でスタンドを沸かせる。
サッカーを愛し、クラブを愛するコアサポーターの彼らが
石崎監督その人も愛していたことが良く伝わってきた。

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当然のことながら、日々近くで薫陶を受けてきた選手も
その思いは全く同じだったろう。

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が、しかし。

レイソルの選手はあまりに若すぎるのだろうか。
何が何でも勝ちたいという意欲は空回りしてしまったのかもしれない。
あるいは大分の老獪さに空回りさせられたのだろうか。

選手は実に良く走っていた。
マークもタイトだったし、玉際も必死に寄せていた。

けれど、ラストパス、シュート、クロス・・
いずれも少しずつ精度が足りない。

春の対戦時同様、大分のボランチのエジミウソンにはまたしてもやられた。
ホベルトがいなくても十分機能していた。
ウェズレイ、高松の2トップのポストは
古賀と小林の二人でも容易に止められなかった。

現代サッカーはトップだけで点を獲るのは主流ではなく
二列目からの飛び出しが不可欠になっているから
あれだけトップにボールを収められると、やはり守る方は厳しい。
金崎は良く抑えていたと思うけれど、鈴木にやられてしまった。

加えて審判があれだけ流すスタイルでジャッジすると
体格に劣るレイソルの選手はやはり辛いものがある。
ポポの突破へのチャージもPKでもおかしくなかったように見えた。

がしかし、それを考慮したとしても、0-2はやはり完敗だろう。

試合終了後、ホームゲームを勝利で飾ることが出来ずに、
選手は一様に悔しそうな表情を浮かべていた。
サポーターにも微妙な空気が流れた。

その空気を、石崎監督が変えた。
柏サポーターだけでなく、
かつて在籍した大分サポーターからも拍手が飛ぶ。
明るく、飾らない人柄が滲み出ていた挨拶だった。
不覚にも僕は、胸が熱くなるのを抑えられなかった。

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場内を一周し、サポーターに別れを告げる石崎監督。
惜別のチャントを辞退して、神戸戦へとつなげた。
それも、おそらくは彼なりの配慮だったのだろう。

月日は百代の過客にして
行きかふ人もまた旅人なり。

月日が流れてもクラブはこれからも存続するだろうけれど
クラブに関わる人々は入れ替わっていく。
それは当然のことだし、受け入れなければならないことでもある。
感傷に浸るのはその日だけでいい。

神戸戦、天皇杯とまだ試合は残っている。
絶対に負けたくない気持ちを持って戦って欲しい。

元旦のチケットは、もちろん買ってあるから。

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The Outcasts・28-6

「ちょっと待った!今のところもう一回だ」

ニシムラが叫んだ。
僕は慌てて巻き戻しのボタンを押し、
数分前まで画面を戻し、もう一度そこを再生した。

そのゲームはプレイヤーに一人・・一番若い男だ・・が10万ほど張り、
残りの二人がバンカーに40万張っていた。
カードが4枚出され、それぞれに渡される。
絞り終わったカードを見ると、
2枚では勝負は決まらず、それぞれ3枚目のカードを引く数字だ。

ディーラーがプレイヤーとバンカーにそれぞれ3枚目のカードを渡す。
プレイヤーのカードを絞ろうとした時に、
反対側に座っていた男が声を出したらしく、皆がそちらを向く。

そしてプレイヤーのカードを絞り終えた男が
自分のカードを腹立たしそうな仕草でディーラーに返した。
3枚の合計は勝ちがなくなる0だ。

そしてバンカーに張っていた二人が嬉しそうに自分たちのカードをめくる。
0になればドローだが、合計は6になっていた。
この勝負でハウスはコミッション込みで28万マイナスしたことになる。
ディーラーがチップをつけて、その勝負で使われたカードを片付けようとした。

その瞬間、ニシムラが言ったことに僕も気づいた。

「見ろ、カードの色が変わってる」

ニシムラが言った。
確かにそうだった。

通常、日本のアングラカジノではカードの色は赤と青の二色を使う。
裏が赤のカードを4デッキ、青カードを4デッキというように混ぜ合わせるのだ。
当然、ゲームになれば赤と青のカードはランダムに出てくる。

その時のゲームは最初の4枚は全て青のカードで
残りの2枚を出した時も、青だった。
ということは、6枚全て青色のカードでなければおかしいことになる。

ところが。

ディーラーが片付けようとしたカードの中に
赤色のカードが1枚混じっていたのだ。
どこかですり替えられたことになる。

どこですり替えられたんだろう・・

僕とニシムラは再び巻き戻して見た。

粗い画像からかろうじて判別できたのは
プレーヤーの3枚目を絞ろうとした瞬間に反対側で声を発し
皆が半ば反射的にそちらを向いた瞬間に、
プレーヤーに張っていた男の手がカードの上を動いたことだけだった。

当時の店に付いていたカメラの角度だけでは
残念ながらそこまでしか分からなかった。
けれど、不正が行われたことは明白だ。

これがマジシャン系のゴトか・・

僕はその巧妙な手捌きに驚愕した。
当時、そういったゴトの存在は情報としては知っていたけれど
現実に目の当りにするまでは実感として分からなかった。
そういう奴らがいるんだという程度の他人事の感覚だったのだ。
彼らがカードの色を間違えるというミスを犯さなければ
もしかしたら気づかないままだったかもしれない。

ビデオを何度も見直しても、はっきりとは分からないのだ。
そういう目で最初から見ない限り、おそらく見破るのは困難だろう。

僕とニシムラは保存してあったカードをひっくり返した。
シュートごとに使い終わったカードは保存してある。
カードがすり替えられているのであれば、8デッキ分は揃わない。

スペードのエースから並べていく。
案の定だった。10枚ほどのカードが合わなかった。
7が9枚あったり3が7枚しかなかったり。

おそらく彼らは好機を窺っていたのだ。
カメラの位置、使っているカード、そして黒服が甘そうな時間帯・・
それを調べ尽くした上で、この日一気に抜きに来たのだ。

「なぁ。あいつらまた来ると思うか?」

ニシムラが僕に尋ねてきた。

「どうでしょう・・これだけ派手に抜いたら来ないかもしれないですね。
場合によっては疑われるのは奴らも分かってるでしょうし」

僕がそう答えると、ニシムラはため息をつきながら

「だよな・・ゴトってのは短期が勝負だからな・・」

と呟くように言った。
彼らが再びゴトを仕掛けに来れば、ケリを着けるのは難しくない。
ケツ持ちを呼んで、ビデオテープを渡せば
ケツ持ちは問答無用で彼らの身体検査をするだろう。
そして、すり替えるためのカードが出てくるはずだ。

そうなれば、後はいくら取れるかの話になる。
ゴトを仕掛けるくらいだから連中にもケツ持ちはいるだろうが、
身柄を押さえてしまえば話を優勢に進められるわけだ。

問題は彼らが二度と来なかった場合だ。
この場合、彼らは相当な場数を踏んでいることになる。

偵察して、馴染みになってから、ゴトを仕掛ける。
そして一回だけで未練を残さずに去る。
一回だけなら発覚しない可能性も高いし、
発覚したとしても現行犯以外なら逃げることも難しくはない。

そこまで計算していることになるからだ。

「参ったな・・上にどう説明しようか・・」

ニシムラは言ったが、その答えは僕には分からなかった。
このまま黙っていて、普通の勝負で負けたことにする手もあるだろう。
ゴトを見破れずにやられたとなれば、確実に責任を問われる。

けれど、それを隠蔽してから後で発覚すれば
共犯の疑いをかけられても文句は言えないことにもなる。
どちらを取るかは、何とも判断しにくい話だった。

数日後。

僕が出勤すると、見慣れない男がいた。
聞けば、今日から新しく入ってきた黒服だと言う。
初対面の挨拶を交わし、仕事に就こうとするとニシムラに呼ばれた。

「ちょっといいか」

そう言ってニシムラは、近くの喫茶店に僕を連れて行った。

「実はな・・」

ニシムラが口にした言葉を聞いて、僕は耳を疑った。

「お前には悪いんだけど、今日で上がってくれるか・・」

要は首だということだ。

「理由、聞きたいか?」

そう尋ねられて僕は答えた。

「そうですね。俺には何も疚しいところはないですし
ゴトを仕掛けられたのは俺の出勤する前でしたよね。
見逃したのは俺のせいじゃないですし、俺なりにちゃんと働いてきたんで
できれば切られる理由は聞きたいです」

ニシムラは言いにくそうにしていたが
やがて説明してくれた。

つまり、ニシムラは事の次第をオーナーに報告した。
ゴトを仕掛けられた上に、犯人を取り逃がしたことをだ。
当然オーナーは激怒し、ニシムラの責任を追及した。
のみならず、オーナーはニシムラに任せておけないと言い出して
どこかから別の責任者を呼んできたというわけだ。

そうなれば人は余り、人員を整理しなくてはならなくなる。
誰を切るか、となれば一番新入りが切られるというのは
別にこの店でなくても良くある話だ。

能力などを明確な数値で示すことはできないけれど
その店で働いた年月は明確な数値で示せる。
3年、2年半、1年、2ヶ月・・簡単な数値だ。

「俺も責任者外されて降格だ。すまんな」

そう言って頭を下げるニシムラに、僕は言った。

「いえ、そういうことならしょうがないです。
別にニシムラさんが悪いわけじゃないですし」

喫茶店を出て、僕は知人の業界人に電話をかけて仕事の口を探した。
幸い、すぐに次の店は決まり、条件もさほど悪くは無かった。

新しく移った店で、僕はそれまでと同じように仕事を続けた。
店が違っても、やることは同じだ。
客が来て、勝負をして、誰かは勝ち、誰かが負ける。
そして最終的には、ほとんど全ての客が負ける。
何も変わらない。どこでも一緒だ。

そんな日々を繰り返していた僕の耳に
ある日、ちょっとした噂が飛び込んできた。
ニシムラの話だ。

何でもニシムラは、都内各地だけでなく
横浜や西川口のカジノまでゴトの犯人を捜し歩き、
ついに彼らを見つけ出した。
仕事の前後、休日、空き時間を全てそこに費やしたらしい。

そしてケツ持ちと一緒に彼らと対峙し、
ゴトで抜かれた金を回収したというのだ。

もちろん全額ではないだろう。
ケツ持ち同士の話になるはずだが
現行犯で無い以上、テープだけで突っ張れるとは限らない。
相手の顔を立てて半分戻すという程度で手を打つケースも多い。

自分のケツ持ちにさらにその半分を渡すわけだから
(一般的に「取り半」と呼ばれるものだ)
実際に回収できた金は100万がせいぜいだろう。
どれくらいの日数を要したかは分からないが
決して割のいい話ではない。

けれど、僕はニシムラの気持ちが良く分かった。

このままやられっぱなしではいられない。
このままだと舐められて終わってしまう。

それはある意味、ニシムラにとっては死に等しい。
となれば、何としても雪辱しなくてはならない。
ゴト仕掛けられて降格された間抜け、
というレッテルを剥がさなければならない。

舐められたら負け、か・・。

感心したような、呆れたような思いで、
僕はニシムラの口癖を思い出した。
言うのは簡単だけれど、それを実際に貫くのは本当に難しいのが
まだ青い、当時の僕にも分かっていたから。

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強化と感情

レイソルの石崎監督が退任というニュースを聞いた。

退任の本当の理由は分からない。
憶測や感情で騒ぎ立てるのは賢明では無いだろう。

けれど、間違いなく柏の今に関する功労者だ。

J2に落ちた柏レイソルを1年でJ1に上げただけでなく
飾らない人柄、高いコミュニケーション能力で
チームをまとめサポーターを惹きつけた。
一心同体というコンセプトが空疎なものにならなかったのは
間違いなく石崎監督のおかげだろう。

真夏のファン感謝デーで、
炎天下、サポーター一人一人と握手してくれた誠実さは
誰からも愛される由縁だったと思う。

サッカーもシンプルで好きだった。

プレスからの速攻という明確なコンセプトの下
走力に優れたチームを作り上げてくれた。

「レイソルの選手は良く走るね」
「最後の球際で体を張るよね」

テレビの解説者がレイソルの長所を語る時に
必ず出てきた言葉だ。

エレガントとは言えないかもしれないけれど
応援のし甲斐のある戦い方をするチームになったと思う。

反面、J1に上がってからの2年を経て
さらに上を目指そうとするならば、
まだ足りない部分もあったのも確かだ。

フランサという特殊な選手をどう使うか、
チームが停滞した時の打開策、局面を打開する際の選手交代、
チームがこの2年間、停滞する時期が短くなかったのは
そういった引き出しがあまり豊富ではなかったからかもしれない。

チームをどう強くしていくのか・・。

もちろん、監督もプロならGMや強化部もプロだから
そういった方針で対立して袂を分かつことがあっても
それはそれで致し方の無い側面はある。
むしろ馴れ合いの無いことは良く理解できる人事ではある。

けれど、後任を決める上で
どう強化していくかは明らかにされなければ
ただのお家騒動になってしまうのも事実だ。

少なくとも、今期より上を目指すことが前提での後任人事でないと
個人的には納得できるものではない。
来年残留を争うようであれば、強化部の仕事としては失格だ。

今日、このエントリーを書いている時点で
選手の契約満了のリリースが出されていないが
遠からずそれも発表になるだろう。

(というか、選手への通知期限が11月30日であるにもかかわらず
そのリリースがなされていない辺りに
今回の退任が急転直下であるという邪推をすることもできるわけだ)

プロである以上、避けられないものだけれど
実に切ないニュースでもある。
監督や選手個人に思い入れがあればあるほど
その思いは強くなっていく。

選手や監督は新天地での活躍が可能だけれど
クラブのサポーターはそうではない。
クラブが強くなってくれることを信じて
その痛みに耐えるしかないのだ。

そう考えると、強化部という仕事は実に因果なものだと思う。

選手や監督を入れ替えてでも強くしなければならないし
その過程でクラブに携わる人々の痛みを背負うのだ。

聞けば解任反対の署名活動などという動きもあるらしい。
署名がいくら集まったところで決定事項は覆らないだろうが
強化部というのはそれだけ重い責任を負っているのだ。

だからその方針は後出しでは許されないし
結果オーライなら済むというものではない。

こういうチームにしたいから、この人選をした。

それが明らかにならないクラブをサポーターは信頼しない。
サポーターの信頼を得られないクラブが強くなることも無い。

ともあれ、明日はホーム最終戦だ。
無様な戦いだけはしてほしくない。
いや、勝たなければならない。勝たせなければならない。
石崎監督に感謝の意を示すのであれば
勝利を以って示すしかない。

リーグ戦だけでなく、天皇杯も獲ってしまおう。
そんな感じで、ひとつ、気合を入れてよろしく。

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The Outcasts・28-5

状況証拠というか何かおかしいとは僕も思っていた。
いきなりいつものベットよりも多く張り、しかもそれがことごとく当たる。
どこかであぶく銭を手にした可能性も無いわけではないが
それにしても多く張った時だけ当たるというのに違和感がある。

けれど、それが何なのかは、まだ分からなかった。
とにかく、それを見つけないことには店が潰れる。
ニシムラは従業員を返した後、キャッシャーに籠もった。

僕は出勤直後だったこともあって帰りづらく、
皆が帰った後も店に残って休憩室の掃除をするふりをしていた。

するとニシムラが僕を呼んだ。

「お前、暇なら一緒に見てくれ。
一人よりは二人の方が気づくことってあるしさ」

そして僕はニシムラと一緒にキャッシャーに入り
14インチのモニターを睨んだ。

不正があるとすれば、まず考えられるのは
従業員とのグルだ。

特殊塗料の痕跡があるかどうかは後で調べるとして
まず一番可能性があるのは手仕事だ。

シヨウ・カードに怪しい点が無いか、
シャッフルはきちんと正しく混ぜられているか、
最後のインチョンカットと呼ばれる組カード防止のためのカットは
きちんと行われているか。

念のために数回見直したけれど、どれもちゃんとなされていた。
そういう不正であれば、見れば分かるのだ。
もちろんシューターも取り替えられたりはしていない。

ではゲーム中に何かされているのか・・。

僕は画面の中の無音の映像に目を凝らす。

ディーラーが最初に4枚カードを出す。
プレーヤー・バンカー・プレーヤー・バンカー。

そしてそれぞれの1枚目のカードをめくり数字を晒し、
2枚目のカードをそれぞれのベットした客の手元に渡す。

めくられたカードと合わせて9に近い方が勝ちだから
客は9に近くなるように念じながら、2枚目のカードをゆっくり見る。
いわゆる「カードを絞る」という作業だ。
1シュートあたり大体70回くらいそれを繰り返す。

音は聞こえないけれど、仲間内だけだからか
それとも好調だからか、彼らは何事か話しながらゲームを進める。
彼らが張っているのは同じ方とは限らない。
一人がプレーヤーに張って二人がバンカーに張ることもある。
もちろんその逆もある。

以前見た時もそうだった。
そして彼らはカードを絞りながら、反対側に張っている相手に

「よし、足があった!」
「こっちだって足あったぞ!」
「どうだ、負け無しだ!」
「うわぁ、そりゃ参った」

などと挑発や煽り合いをしながらゲームに興じていた。
音声は聞こえないけれど、その様子はモニターからも分かった。
特に不自然なことは何も無かった。

ふと横のニシムラを見ると、腕組みをしながら画面を見つめている。
不精ひげがまばらに伸びた顔には疲れが滲む。
けれどどれほど疲れていても、この作業をしないわけにはいかない。
不正がなされていない、という確信が持てない限り
ハウスの胴金を出すオーナーに報告できないからだ。

ビデオテープが終わりまで進み、
次の画面を録画したテープに差し替える。
先ほどまでの続きが映し出され
同じようにゲームが進んでいった。

その時だった。

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The Outcasts・28-4

ある日、僕が出勤すると、ちょうどニシムラがビルから出てくるところだった。
挨拶をすると、ニシムラは苛立ったような口調で

「ちょっと出てくるから場面から目を離すな。
何か変だと思ったらすぐに電話してくれ」

そう言って急いでどこかに行ってしまった。

何があったんだ・・

僕は不安を抱えながらエレベーターに乗り
店のある階で降りて店に入った。
店内ではやけに大きな声が響き、騒々しい雰囲気を醸し出していた。

すぐにテーブルの方を見る。
するとそこにはその3人組がいた。
他に客はいなかったけれど、
一見して彼らが数百万以上のチップを持っているのが見て取れた。

慌ててキャッシャーに行き、彼らの使った金額を尋ねる。
何と彼らは、初回の30万ずつしかチップを買っていなかった。
日報を見ると、その時点の店のマイナスは500万を越えていた。

集計表を見ると、彼らが来店したのは2時間ほど前の時刻だったから
彼らはものの2シュート・・140ゲームくらいだ・・で
手持ちのチップを500万以上増やしたことになる。

毎回3人で30万を張るとしても、20回近く勝ち越している計算だ。

プレーヤーかバンカーの「ツラ」と呼ばれる連勝があったり
あるいはあまりにも規則正しい出目があったり、
ドローの連発などがあったりすれば、客が大勝することも稀ではない。

が、有り得ないとは言えないけれど、簡単に起きる事象でもない。

よっぽど変な目が出たのかな・・

僕はそう思って、それまでに終わったゲームの罫線=スコアを見た。
確かに、ある程度の規則性は見て取れなくもなかった。
けれど、そこまで大勝できるほどのものとも思えなかったのも事実だった。
しかも聞けば、多く張った時に決まって勝つのだという。

バカラの出目というのはプレーヤーとバンカーとドローしかない。
必ずどれかが出ることになっているのだけれど
過去の出目を記録して、そこに何らかの規則性を見出して遊ぶゲームだ。

例えば・・
プレーヤー(P)が2回、バンカー(B)が2回勝ち、
その次にプレーヤーが2回勝てば
ほとんどの打ち手は次にバンカーに張る。
PPBBPP、こう出れば次はBだとそれは思うのが人間の性だ。

「テッパンでバンカーだろ」
「自信あり!」

そんなことを口々に言いながら客はベットをする。
自信があればあるほど大きく張るのも自然なことだ。

けれど、テッパン、なんて無い。
良く言われることだけれど、
カードは自分の前後にどのカードがあるのか知らない。
まして前回の勝敗なんてカードが知るはずも無い。

1枚カードが変われば勝敗が変わる、それがバカラだ。

PPBBPPと出た次にまたPが出るのも
実際にはBが出るのとほぼ同じくらいある。

自信があろうと無かろうと、勝つ時は勝つし負ける時は負ける。
結果として控除率分を負担して、客は負けていく。
自信があった時に必ず勝てれば蔵が建つどころではなく大富豪だ。
必勝、絶対、テッパンなんてものはそれこそ絶対に無い。

なのに、彼らは大きく張った時に必ず、100%、勝った。

となると、そこに何らかの作為が入った可能性を考えなければ
僕らの仕事は勤まらない。
たとえ結果的にそれが単なる客の幸運だったとしてもだ。

僕は急いでテーブルの傍に行ったが
程なくしてシュートが終わり、彼らは手持ちのチップを一斉に換金した。
そこに作為を見つけるにはあまりにも時間が足りなかった。

彼らに札束を渡すと、

「よーし、今日はハウスをやっつけたぞ!」
「たまにゃ勝たないとやってられんよな」

などと軽口を叩きながら、彼らは帰っていき
僕らは頭を下げながらそれを見送るだけだった。

しばらくしてニシムラが戻ってきた。
胴金がどうのこうのという話をしていたところを見ると
おそらくハウスの金が足りなくなりそうなのを見越して
どこかに胴金を取りに行っていたのだろう。

店にいくら置いていたのかは僕は知らなかったが
400万抜かれてしまえば、補充は必要になるはずだ。
ニシムラは平然としていたが、内心は穏やかではなかっただろう。

けれど不正を疑うに足る証拠は無かったし
証拠が無ければ、それは客がついていたと思うしかないのだ。

彼らが帰った後、ニシムラは黒服やディーラーを集めた。

「今日は一旦店閉めるから。
何かやられてたら舐められるどころじゃねぇし
舐められたらこの商売できねぇぞ」

耳慣れた決まり文句もその時は重く響いた。

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2008・Jリーグdiv.1第三十二節 ジュビロ磐田vs柏レイソル

三連休の中日、それも行楽日和ということになれば
所帯持ちはなかなか好きなことはできない。
もう少し子供が大きくなれば自由度は上がるのだろうけれど
今のところはまだそこまではいかない。

なんていうのはうちの話ではない。

できた妻を持つと、割とその辺は融通が利くようになる。
かなり好きなことをさせてもらっていることについては
本当に感謝している。

今回の試合が行われるのは静岡県の磐田。
あまりアクセスの良いところではないから
今回はアソシエイツのバスツアーに申し込んだ。

16時からの試合にもかかわらず、朝5時に起きる。
6時30分集合なのだ。
まだ暗い中、身支度をしていそいそと出かける。

屋外スポーツを観戦するのに、暑いの寒いの言ってられないから
防寒対策はそれなりにしっかりと取る。
(ただし、ステテコは履かない。僕の中ではそれは50歳からだ)

バスの中で、今期のレイソルの試合をビデオで見る。
スタジアムで見るのと、ビデオで見るのはだいぶ違うけれど
その時々の興奮は思い起こすことができる。

30km以上の渋滞の中、バスは進む。
途中に寄ったSAから見えた富士山が綺麗だった。

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スタジアムに着くと、既に開門し、アウェイゴール裏は満員に近い。
どうにか席を確保し(と言っても立見席なのだが)
スタジアム全体を見渡す。

風が強く、冷たい。

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日陰に位置するアウェイゴール裏はかなり冷える。
コアサポはTシャツだけの人もいる。
まわし姿の力士は・・今回は見かけなかった。いたのかな?
それから、いつものコアのリーダーも見かけなかった。

対する磐田のゴール裏は、人の出足が鈍い。
二層式になっているから空席も目立つ。
降格の恐れもあるはずだが、あまり心配はしていないのだろうか。
僕がその立場だったら、居ても立ってもいられなさそうだけど。

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ウォーミングアップにGKが出てくる。
菅野が故障したらしく、今回の先発は南だ。
力量には全く心配がいらないけれど
試合勘という点では若干心配だろうか。

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そしてフィールドプレイヤーが出てくる。
李忠成の姿を見つけて、ちょっと嬉しくなる。
先日の天皇杯でも後半から出場したけれど
今回もベンチ入りするということは、
徐々にコンディションが上がってきていることを示すからだ。

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ただし、フランサはベンチにも入っていない。
今期の前半戦、フランサ抜きで苦戦したこともあるだけに
どういう攻撃の形を作るか、少し心配はある。

試合前半、チャンスもいくつかあったレイソルだが
ロングボールの処理のミスから失点する。
風が強い中、難しいかもしれないけれど
小林はあれは絶対カブってはダメなボール。
裏をずっと狙われているわけだから。

シュートブロックのリフレクションが
そのまま足元に行ってしまった不運もあるけれど
またしても先制を許したことになる。
救いがあるとすれば、攻撃の形は悪くないことか。

そして後半、頭からチュンソンが出てくる。
これによって、攻撃の形はさらに良くなる。

いわゆる四銃士と呼ばれている
ポポ・チュンソン・菅沼・アレックスの前線が活発に動き
プレスをかけていく。

チュンソンの出来は非常に良かった。
ターゲットマンとしても競り勝つシーンが何度もあって
ボールが収まるようになる。
そしてポポと一緒にチェイスも激しくすることで
相手のDFにプレッシャーをかける。

セットプレーから2点目を失ったが
直後に1点を返したことで、チームもサポーターも行けるという感覚になる。

そして完全に相手を崩す形での菅沼の今期10点目の同点弾。
スルーしたチュンソンも良く見えていた。

さらに終了4分前に決まった古賀の勝ち越し弾で
ゴール裏は完全な熱狂状態になる。
両耳に手を当ててコールを求める古賀の嬉しそうな顔。
かなり冷え込んでいたのだけれど、寒さを忘れた。

2点のビハインドを引っ繰り返すなんて。

ところが磐田も必死の粘りを見せる。
CKからカレン・ロバートの執念の同点弾。
残留を争うチームに必須な執念を感じさせてはくれた。

でも、切り札の1枚が中山というのはさすがにどうだろうか。
ハートの強さ以外の武器のあるFWの方がいいと思うのだが。

3-3の同点になってからの攻防は実に熱かった。
どっちも必死に勝利を求めてボールを追う。
レイソルは引き分けでもいいという発想をするかと思ったが
敢えて打ち合いに行った事は評価していいと思う。

そしてそのまま終了。
対戦カードの関係で、無事に残留が決まった。

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2点のビハインドを追いつけたこと。
フランサ抜きでの攻撃の形が非常に良かったこと。
チュンソンに復帰の目処がついたこと。

これは収穫として非常に大きいと思う。
天皇杯を狙うなら、チュンソンの存在は実に大きい。

さらに、菅沼が相変わらず切れのある動きをしていること。
杉山も得点という結果を出したこと。
大津がどんどん成長していること。

これも収穫と言っていいだろう。
大津の伸びは本当に素晴しい。
来年の飛躍には相当期待できると思う。

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課題は3-2で試合を締められなかったこと。
例えば鹿島あたりはこういうケースではまず逃げ切るだろう。

小林が主審の判定への不満からか、ちょっと安定感に欠けたことも反省点。
(実際、あまりいいジャッジには思えなかった)

もちろんセットプレーからの2失点は反省点として大きい。

残留が確定したことで、来期の補強ポイントもはっきりした。

生命線であるボランチの1stチョイスがどちらもレンタルであることから
ボランチの補強は最大のポイントだろう。
左のSBは世界的な人材難だけに、あまり多くは望めないかもしれない。

前線については、個人的には現状のままの熟成を狙うべきだと思う。
ポポはようやくフィットしてきたような印象だし。

いずれにしても、非常に熱い試合だった。
実は、帰りの高速道路が50kmという大渋滞で
帰宅は深夜の2時を回ってしまったのだけれど
それでも、行って良かったと思える試合だった。

次はホーム最終戦。
ユースからの昇格や契約の動向も発表されるだろう。
切ない反面、プロの厳しさも感じる季節だ。

勝って終われることを期待したい。
そして元旦の試合につながる内容であることも。

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ジャズハウス「10-hou」

そのジャズハウスは、一般のプレイヤーにも開放されている。
いや、むしろ一般プレイヤーが使うことの方が多い。

もちろん無料では無い。
無料で使えることもあるけれど、音響や照明などを使うには
一定の料金を払わないと使えない。

でも、それ以外に仕切りはない。
だから、始めたばかりの愛好家も
かなりのレベルまで達しているセミプロクラスも使えるし
ジャズのジャンルもどんなジャンルでも構わない。

即興のセッションが始まることもあれば
誰かの演奏を鑑賞することもできる。

そんなプレイヤーの一人に「Bacchus-e」という人がいる。
バッカスというくらいだから、お酒は好きみたいだけど
ジャズのアマチュアプレイヤーとしても有名だ。
だってジャズ雑誌にコラムも持っているくらいだから。

そんな「Bacchus-e」氏が
そのジャズハウスでプレイしている有名プレイヤーを集めて
公開セッションをやろうという企画を立てた。
自分のブログでその青写真を明かしたことで
巷の掲示板やSNSでもそれが話題になった。

「トランペットならあの人が」
「いや、俺はあの人とあの人のセッションが是非見たい」
「いっそセッションに参加してほしい人を投票で」

侃侃諤諤、大変な騒ぎだ。
それを聞きつけたジャズハウス「10-hou」の経営者が乗った。

「それならいっそウチが公認して協賛しましょう」

一人でも多くのプレイヤーに集まってもらえれば
それは「10-hou」にとってもプラスだし
そういう意味で、業界での著名人である「Bacchus-e」氏の
ネームバリューは協賛するに値すると思ったからだろう。
もちろん、何かしらのメリットを与えることもやぶさかではないはずだ。

こういう形のユーザー主導のイベントから
より大きなムーブメントが起きれば、
それはそれですばらしいことだと思う。

何たって、ジャズで食ってくなんて大変だから。

ところがここで別のプレイヤーが噛み付いてきた。

「Nise-Rock」氏というプレイヤーだ。
通称「にせ69」と呼ばれている彼は
ジャンルとしてはいささかマイナーなジャズロック系のプレイを好む。

現在主流のフュージョンやモダンジャズにも手を出したのだけれど
酷評されて撤退してしまった。
そして、ジャズロック系のプレイヤーを集めて
小規模な大会のようなものを独自に開催してきた。

それはそれで大変結構なことだと思う。
どのジャンルが優れていて、どのジャンルが面白いかなど
一概に決められるものではない。
それぞれが好むジャンルを楽しめばいいことだ。
実際、「にせ69」氏の演奏するジャズロックはそんなに悪くない。

けれど「にせ69」氏は他のジャンルを認めない。
他のジャンルを楽しむプレイヤーを中傷するだけでなく、
ジャズハウス「10-hou」までも非難している。

「Bacchus-eがやってるのはジャズじゃなくてドンジャズ」
「10-houの経営者は俺に対して音響や照明等の不正な操作をしている」

そんな「にせ69」氏がこんなことを言っていた。

「俺が主催しているジャズロック系のイベントも当然公認してもらう。
これだけジャズロックを盛り上げたのは俺の功績だから。
公認しないならその理由を説明してもらう」

いったい何を言っているのだろうか。

企画立案してそれが公認、協賛に値すれば
それは別に「にせ69」氏ではなくても誰でも公認してもらえる。
何も「Bacchus-e」氏のような有名人でなければならないということはない。

ただし、それはビジネスだから、
その価値があるかどうかは企画する側が提示しなければならない。
そして、その価値が無いと判断されたからといって
その理由の開示を常に請求できるわけではない。
銀行の融資だろうと、普通のイベント協賛だろうと同じだ。

料金を払っているという事実は
10-houを使えるという対価を得ることで完結している。
それ以外のことが出てくるなら、それは料金を払うこと以外の
何らかの価値が認められることに他ならない。

それが世の中ってもんだ。

だから、「にせ69」氏が自分のイベントに公認、協賛を求めるのであれば
その価値があることを自分で提示すればいい。
ブログでも掲示板でもメディアはいくらでもあるはずだ。

ただし、彼はその前に取るべきけじめがある。

「10-hou」や他のジャンル、あるいはプレイヤーに対して
自分が行ってきた根拠の無い中傷について
それを撤回、謝罪するなりして、自分の信用実績を積まなければ
どんないい企画を提出したところで、公認なんて得られない。
だってどこの世界に、そんな人物の企画をスポンサードする企業がある?

ま、これはあくまでジャズの話なんだけどね。
記事のカテゴリーはどこに入れようかなぁ・・。


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The Outcasts・28-3

ビールで簡単に乾杯をし、刺身や煮物をつつきながら、
僕とニシムラは他愛も無い話をした。
最初のうちは、何か説教でもされるのかと思って身構えていたのだけれど
やがて打ち解けて話もできるようになっていった。

焼酎やら日本酒やらを数杯重ねたころだろうか、
ニシムラが突然言った。

「ちょっと手出してみ」

言われるがままに僕は右手を出す。
するとニシムラは僕の手を握ってこう言った。

「思いっきり握ってみろ」

僕は決して力自慢ではないが
一応は運動部だったから、握力はそれなりにある。
だからいきなり全力を出すのも躊躇われて、8割くらいの力で握った。

「嘘だろ、もっと本気で握れよ」

煽るような口調でニシムラが言い、
僕は最後には全力で握ることになった。

「まぁまぁってとこか。じゃ今度は俺の番だな」

不敵な笑いを浮かべながら、ニシムラが言い
不意に手に力を込めた。

「いてててて」

恐ろしい怪力だった。
リンゴを握りつぶすレスラーがいたけれど
この男はもしかしたら頭蓋骨だって握り潰すかもしれない、
そんなことを思わせるほどの力だった。

時間にすれば5秒も経っていなかったはずだが
ニシムラが力を緩めた時には
僕は思わず手をさすっていた。

「ははは、悪い悪い」

こともなげにそう言うニシムラに僕は尋ねた。

「握力、何kgくらいあるんですか?」

「うーん、80は間違いなくあるよ。
調子がよければ90超えるんじゃないかな」

ニシムラはそう答え、さらに言葉を続けた。

「俺はさ、ガキの頃からチビでさ、よく苛められたんだ。
昔は細かったしな、舐められっぱなしだったよ。
そういう連中に舐められないようにと思ったら体鍛えるしかないだろ。
やっぱりさ、男は舐められたらダメだよな」

なるほど、僕はそう思った。
背が低いということをコンプレックスとして持っているから
ニシムラは体を鍛え抜き、同時に
他人に舐められまいということを自分に課しているのだ。

もちろん、そういった事実で
僕がニシムラへの態度を変えるはずは無かったけれど
コンプレックスの原因が、他者からは窺い知れないということを
改めて気づかされるようにはなったように思う。

そんなある日、僕が出勤すると、
店に3人連れの新規客が来ていた。
打っていたのは30万のバランスのテーブルだ。

年齢は、おそらく40代が2人で1人は30代だったろうか。
中心になっているのは、色の黒い、目付きの鋭い男で、
一見して堅気の人間ではないのが分かった。
かといって、極道でもない。

おそらくは同じような商売、カジノかゲーム屋か・・
そんなことを生業にしているような雰囲気だった。

残りの2人のうち、若い男は、
どちらかというと優男の雰囲気だったが
3人は仲が良いようで、軽口を叩きながらゲームに興じていた。

「誰かの紹介ですか?」

僕はニシムラに近寄っていき尋ねた。
同業のような雰囲気を持つ連中、ということは
誰かの紹介でも無ければ、受けにくいタイプの客だったからだ。

同業というのは、良くも悪くもこの世界について知り尽くしているだけに
ちょっとした粗相で因縁を付けられたりもしかねないし
負けが込めば、返金だのサービスだのと言いかねない。

それに、これから自分が接客する上で、
その客がどういう経路で来たかを知っておくのは会話もしやすい。

「うん、一人は歌舞伎町のハウスで何回か見たこともある。
残りは知らないけど、店も暇だし受けないわけにもいかないしな」

ニシムラはそう言って、彼らの遊び方をずっと見ていた。
もちろん僕も別の角度から観察したのだけれど
彼らの遊び方には特に不審な点は無く、
数時間後、1人が負けて「パンクだ」と言ったところで
他の2人も持っていたチップを換金して帰っていった。

3人でトータルすれば10万も浮いていなかったが
財布が一緒かどうかはもちろん分からないから
それ自体は致し方のないことではあった。

3人が同じ懐なら10万の勝ち、
別々の懐なら、1人が負けで2人が勝ち、
ただそれだけのことだ。

彼ら3人の遊び方がサービス目当てで無い限り、
それをとやかく言うことは出来ないし
彼らの遊び方は、特にサービス目的とまでは言えなかった。
ベット自体はせいぜい張って5万くらいだったけれど
遊ぶ時間の長さを考えれば、サービス分は確実に控除できていたからだ。

そして彼らは、その後もちょくちょく顔を出すようになった。
他の客がいる時は、3人で寄り添って、
他に客がいない時は、それぞれ好きな席に座って
冗談や野次を飛ばしながら彼らはゲームに興じた。

ニシムラや僕を含めた他の黒服にも彼らは懐っこく話しかけ、
時々差し入れと称して、屋台で売っているたこ焼きなどを持ってきたりもした。
物に釣られたわけではないけれど、彼らの遊び方と態度を見ていれば
特別扱いはしなくても、必要以上の警戒まではしなくなっていった。

そう、言ってしまえば、ごく普通の常連客へとなっていったのだ。

もちろん、ある日までは、だったのだけれど。

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気づく

知り合いの天鳳プレイヤーが不調で苦しんでいるらしい。
年齢も近く、段位も同じ七段なので、彼の気持ちはすごく良く分かる。
(福地先生ではない別のプレイヤーだ)

僕は4月に天鳳を始めて、それほど苦労もせずに特上に上がった。
たぶん190戦くらいだったと思う。

特上に上がってすぐの頃は
そのスピードやラス回避のシビアさに少し戸惑ったけれど
しばらくしてそれにも慣れた、と思っていた。

過去の成績を見ると、4月の成績は
375戦して平均順位が2.371になっている。
結構良い成績だと言っていいだろう。

当然「俺TUEEEEEE!」という気分はあった。

それはまぁそうだろう。
僕が麻雀を覚えてから、20年以上経過している。
寝食を忘れて打ち込んだ年月もあったし
自分なりの戦術や戦法の蓄積もある。
理想とまではいかなくても、それなりの完成形だと思っていた。

ところが、5月に入って不調になった。
打てども打てども思うように勝てない。
ラスはそれほど多くなかったけど、3着ばかりでトップが全く獲れない。
だから心が折れるよりはイライラ、カリカリしながら打つようになる。

折悪しく、天鳳のサーバーの調子も悪く、頻繁に落ちる。

SPLASH:Connection failed

この文字を見ることでさらにイライラは募る。
仕事の合間に打ったりしていた分、集中度も下がり
ただ切れては予約ボタンをクリックする悪循環だ。
牌譜を見直すのも、不調を確認するだけに苛立ちが募る原因になる。

ふざけんな、なんでこの待ちで負けるんだ。
なんでそこでその牌切るんだ。

全部人のせいだ。

結局5月は630戦して平均順位は2.465という有様だった。
あれだけサーバーが落ちていた時期なのに、
一日平均21戦と言う数字が、その切れ打ちを如実に示している。
六段から五段に降段したのも、確かこの頃だ。

こんなはずはない。ありえない。
これは俺の本当の実力じゃない。
不調だ、地獄モードなんだ。

そういう気持ちには確かになった。
本気じゃないなんてとても言えないくらい必死で打ってたつもりだし。

でも、僕は博打の世界でずっと生きてきて学んだ事がある。

主観なんて、数字の前では何の役にも立たない。

実のところ、アングラカジノの世界では、
主観というものがものすごく幅を利かせている。

ディーラーの強い弱いもそうだし、
客の強い弱いもそうだ。
挙句には、ハコが強い弱いとまで言い出すこともある。

お札を張るならどこどこの神社のがいいよ。
盛り塩作る時に、このお酒混ぜるといいよ。

そんな話がまことしやかにささやかれる。
もちろん、それは全くの無駄では無い。
そうすることによって、メンタルを落ち着ける作用はあるし
人智を越えた何かがあるとしか思えないようなこともある。

順番を間違えなければ、それはきっと有効だ。
でも、うまく行かなかった時に原因をそこに求めだすとおかしくなる。
探すべき原因は、ほぼ間違いなく、他にあるにも関わらず。

そして彼らは店の数字が上がらないからと言って、
神社のお札を変えるのだ。
客だって同じだ。ゲンを担ぎ、アヤを嫌う。

僕はそういうのをずっと眺めてきた。
だけでなく、そういうことを言う人々を内心で嘲笑して来た。
入客数、インやアウトの平均、サービス率、平均プレイ数・・
控除率すらろくに知らずに、強いだの弱いだの言っているけれど
数字を精査すれば、原因はどこかしらにあるのだ。

だから、それに気づいた時、自分を恥じた。

俺も同じじゃないか。
不調だ、地獄だと嘆く前に、やるべきことがあるんじゃないか
雑魚なのは、周りではなくて自分じゃないのか。

そして僕は、自分の麻雀を変えることにした。

高段位、高Rの打ち手の麻雀は、自分とどこが違うのか見る。
自分が打った半荘を見返して、どこでどういうミスがあったかを見る。
そしてそれをフィードバックしていく。何度も、何度も。
和了率、放銃率、順位率・・おおまかな数字しか分からなかったけれど、
それでもその数字を向上させるための方法を模索した。

もちろんそんなに簡単なものでもない。
身に染み付いたものは簡単には変わらない。
特に僕くらいの年齢になったら、それはそんな容易なことでは無い。
試行錯誤の過程で、かえって成績が悪化したこともあった。

ただ僕にとって幸運なことに、
ちょうどその頃解析ツールが頒布されるようになった。
自分だけでなく強豪プレイヤーの解析結果を見られたおかげで
自分の麻雀を組み立て直す作業は、ずいぶん効率的にできたと思う。

メンタル、体調・・全部実力のうち、
そう考えることで切れ打ちもかなり減らせるようになった。

もちろん、未だにヘマはする。
押し引きの判断、仕掛けの判断、牌効率・・
自分が昭和の麻雀から脱却できていないことを自覚することも多い。
いや、むしろそんなのばっかりだと言ってもいい。
淘汰される、ついていけなくなる恐怖はしょっちゅう感じる。

でもその分、僕にも上達の可能性があると思うことにしている。

まぁSPLASHは明らかに僕のせいではなかったので
天鳳を始めるのが6月からだったら
もう少しイライラは少なかったかもしれないけど。


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The Outcasts・28-2

最初にニシムラと会ったのは、バブルの名残が残る時代で
僕がまだ別の店にいる時だった。

僕の店の上司と知り合いだったニシムラは
当時僕がいた店にちょくちょく遊びに来ていた。
小柄だけれど胸板の厚い男で、
いつもサングラスをかけていた。

使うのは10万か20万くらいだったけれど
おそらくそれは偵察というか情報収集が目的で
勝ち負けにはそれほど拘っていなかったように思う。

その代わり、打ち終えた後には必ず、
上司と世間話や噂話を交わして、
時折僕にもちょっとした質問を投げかけてきたりした。

そして僕のいた店が、複数いたオーナー同士の揉め事のせいで閉まると
上司を通じてすぐに声をかけてきた。

「もちろんウチで欠員が出たから声かけるんだけどさ、
使えなさそうな奴呼んだって仕方ないから
自分の頭にある使えそうな奴の中で、その時空いてる奴を呼ぶのさ。
人間関係なんて所詮はタイミングなんだよ」

面接に指定された喫茶店でコーヒーをすすりながら
ニシムラは真顔でそう言い、僕に条件を提示した。
特に不満を持つような内容ではなかった、どころか
むしろ新参の小僧としては良い部類だったと思う。

もちろん、僕は懸命に働いた。
今のところ使える奴と思われているからといって
それは恒久的な評価ではない。

ちょっと可愛がられたくらいで調子に乗った小僧、
そんなレッテルに変化するのはあっという間なのだ。

ニシムラの店は、常連を中心とした落ち着いた店で
常連客と一緒に食事に行ったりすることも多かったけれど
その分、馴れ合いや不正にはひどく敏感だった。

不正、というのは店が客を殺すために仕掛けるものもあれば
客が店から金を抜こうとして仕掛けるものもある。
ただし、手口自体は共通している。
使う側と使われる側が入れ替わっているだけだ。

ニシムラの店にいた当時、イカサマと言えば手仕事が多く
特殊塗料を使ったイカサマは主流ではなかった。
そこまでカメラが発達していなかったからだ。

手仕事となると、これは客側が単独で仕掛けるものではなく
店側の従業員を抱きこむ形になる。
だからニシムラは馴れ合いに敏感になっていたわけだ。

もちろんそれだけではなく、
隙を見てシューターごと取り替えてしまうような手口もあったし
もっと荒っぽい強盗のようなケースもあったから
用心するべき点は決して少なくはなかった。

当時もカメラは付いていたのだけれど
ズーム機能も無かったし、画素数も低いもので
細かい手仕事は、よほど注意していないと判別できない。

結局のところ、人の目が頼りにならざるを得なかったし
ニシムラ自身、店に居る時はいつもテーブルの見えるところにいた。

「俺がここにいれば、ゴト仕掛けようと思ってもびびるだろうし
下の人間もちゃんと場面を見るようになるだろ。
客にぼけっと立ってるだけだと思われたら舐められるからな」

ニシムラは僕だけではなくみんなにそう言って
最後には必ず

「いいか、舐められたら負けだぞ」

という例の決まり文句で締めた。
それはもう、哲学とか信念とかいう言葉だけでは言い表せない、
ニシムラの生き方そのものだったんだと思う。

ある日、僕はニシムラと飲みに行ったことがあった。
特に何かがあったわけではなかったと思うが
ニシムラが誘ってきたのだ。
僕とニシムラは時間がずれているシフトだったのだけれど
その日はたまたまニシムラが遅くまで残っていたのだ。

「今あがりだったっけ?じゃ一杯行こうか」

ニシムラはそう言って僕を誘い、
明け方どころか昼前までやっている歌舞伎町の小料理屋に入った。

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The Outcasts・28

アンダーグラウンドの世界で生きていこうとした時、
決して忘れてはいけないことがある。

それは「レッテル」を貼られてはならない、ということだ。

もちろんレッテルとは、世間一般で言われているように
決して良い意味では使われない。

博打の世界に付き物のイカサマや不正、
それをみすみす見逃すような盆暗だと思われること、
あるいはそういった不正やイカサマに
自ら手を染めていると思われること、

客あしらい一つ満足にできないような
使えない人間だと思われること、

あるいは、アドバンテージがある勝負を受けているのに
それに勝ち抜けないような勝負弱い人間だと思われること、

そういったレッテルを貼られることで
その人間の世界はどんどん狭く、小さくなっていく。

小さくなっていくのは世界だけではない。
その人間の精神性さえも、卑屈で矮小になっていく。

何故なら、彼はそうしなければ生きていけない。
オーナーや責任者に阿り、媚びて、嫌われないようにしなければ
彼が生き残る術は無い。
今さら真っ当な勤め人になどなれるはずもなく、
かといって、独力で事業や商売を始めるだけの才覚も無い。

イエスマンでも歯車でもいいから、そこにしがみ付かなければ
行き着く先は使い捨ての駒だ。
重要なことは何一つ知らされず、
人員整理の話が出ると真っ先に切られる。
もちろん補償なんて何も得られない。

パクられたところで弁護士はもとより差し入れ一つ来ない。
庇わなくても謳いようがないからだ。

もとより、評価というものは、自分が決めるものではない。

良い評価を確立させて、
それを自分で掲げればそれは「看板」と呼ばれるが
悪い評価をぶら下げて歩けば、それはただのレッテルだ。

そして、看板を汚されてそのままにしておくと
それはやがてレッテルへと変わっていく。

この世界で生きていく限り、
地に落とされた評価は、
たとえどんなに苦労と時間がかかったとしても戻さなければならない。
辱めを雪ぐ、とはそういうものなのだ。

「お前なぁ、この世界は舐められたら負けなんだよ」

僕が働いていた店のソファに座り、マルボロメンソールを吸いながら
ニシムラは僕にそう言った。
いや、僕だけではなく、彼の下で働く全ての人間にそう言っていた。

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ネットの枠を飛び越えて

福地先生が天鳳トップクラスを集めた公開対局をやろうとしてるらしい。

僕は結構な観戦マニアなので
そういうトッププレーヤーが対局するなら
是非観戦してみたいと思う。
実現しないかな。

まぁ本来はプロの対局が
こういう位置付けになってほしいんだけど
それはまだ早いのかもしれない。

ただ、誰が強いかとかトップクラスかとかについては
ネット麻雀のようなある程度細かい数値が出るものでさえも
いろいろ意見が出てくるもののようで
あの人も出して欲しいとかあの人はトップクラスではないとか
そういう議論もなされているようだ。

個人的には、現在アクティブなプレーヤーであることと
平均順位などの数値が信頼できるだけの回数を打っていること、
そしてその数値が母集団の中でトップクラスであって欲しい。
(別に天鳳じゃなくてもロン2とか東風荘とかハンゲとかでもいい)

なんでアクティブであってほしいかというと
例えば天鳳において、ユーザーの数は半年前と今では相当違うし
母集団の数が大きくなればなるほど、トップの層は厚くなる、
すなわち簡単にはトップクラスにはなれないと思うからだ。

少なくともあまりにも古い評価というものは
それ単独ではあまり意味を持たないんじゃないかと思う。

それから、現在打っていないのに、なぜか自己評価だけは高い人、
自分の数値がトップクラスに及ばないのに候補者を貶す人、
数値が出せないのを牌操作のせいにしたり、本気じゃないとか言う人、
こういう人は・・ああ、これは書かない方がいいのか。

ともあれ、麻雀業界における有名人で
リアルでの知人の多い福地先生だからできることかもしれないし
そういう意味では福地先生は一般ユーザーとは言えないかもしれないけど
ユーザー同士が集まってこういった交流を図るのっていいと思う。
どこの誰か分からなかった者同士が連帯していけるわけだし。

配信などをしている人たちは、既にやっているのだろうけれど
フリー卓でそれをやることにはデメリットもある。

いわゆる「合わせ」行為や配信で自分の手牌を晒す行為は
目的は大きく違うけれど外形的には不正と変わらない上に、
配信卓に無関係なプレーヤーが紛れ込むこともある。
邪魔者扱いされかねない空気もあるみたいだし。

だから、個室の機能がさらに充実していけば、
そういった交流はより盛んになるんだろう。

課金者だけが使える機能を増やしていけば
あるいは課金額によって使える機能に差がついていけば
ビジネスとして採算が合ってくるわけだし。
もちろん、新規ユーザー獲得のための撒き餌としてもいい。

トップクラスの麻雀を見て、
その考え方の一端でもいいから知ってみたいという願望は
僕にも当然あるし、そういう人は多いと思う。
もちろん同卓できればもっといい。

ある程度のレベルの打ち手を集めて
個室でガチガチのセットを組んで
自分の麻雀を向上させたいっていうのは
僕もやってみたいなと思ったりもする。

ただ、打ってみたいけどコンタクトが取れないプレーヤーは多いし
そういう運営のような作業が面倒なのでしないんだけど。

だからいつまで経っても「ざこらこ」なんだよね><

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不足

ある晩、いつものように天鳳を起動して打つ。

もう少し他の事をする気は無いのかと尋ねられれば
今のところ無いと言わざるを得ない。
ドラマやバラエティ番組を観る気には全くならないし、
酒を飲む習慣も僕には無い。

天鳳を打って、ブログなどを巡回する。
時々買ってきた本や雑誌を読む。
映画を観ることも時々あるか。

それが僕の平日の過ごし方だ。
休日はさすがにもう少しバリエーションがあるけれど。

一回目は無事トップ。
牌譜を見直した後、二回目に入る。

南家スタートながらいきなり親にインパチをツモられた後、
下家が7900点を和了して3着目で東2局を迎える。
とにかく連荘しないと仕方がないからと思いダマで一本積む。

続く1本場、チャンス手が入る。

Photo

何を切ればいいのか、一瞬迷うが五萬を切る。
三色と一通の両天秤というやつだ。
スピード重視の天鳳だけれど、僕はたいていの場合はこう打つ。

受け入れ重視なら一萬を切った方が多いけれど
多分打点と仕掛けを含めて考えれば五萬が勝ると僕は思う。
シミュレータの類が無いのではっきりしたことは言えないが。

そういえば、以前福地先生があちこちで物議を醸した

五萬六萬三筒五筒七筒四索五索六索七索七索八索東東ツモ七萬ドラ東 東家

この手で僕は三筒切り派だった。
仕掛けが常に念頭にあるタイプと言えるかもしれない。

それはさておくとしても、この形で六萬を引いて三萬四萬五萬五萬六萬七萬八萬九萬という形が嫌い、というのもある。

点パネの練習問題じゃないんだから。

2巡後に三筒を引いてドラの二筒三筒の並びバッタになったけれど
ドラを直前に1枚切られたこともあって、さすがにこれは聴牌を拒否。

そして裏目のような裏目じゃないような六萬を引き、リーチを打つ。

リーチした方がむしろ和了しやすいのではないかとすら思うし。
先切りした五萬が嫌らしいような気は正直しないでもない(笑)。
しかも直前に四萬が2枚切れているのだ。

絶好ジャン!

Photo_2

ところが、ダントツのトップ目が向かってくる。
一発目の九萬なんて相当強い牌だ。
そして、無筋を連打してから僕の和了牌を暗刻にして追いかけリーチだ。

Photo_3

僕がリーチをかけた時には対子だったから
二萬は降りれば手を掛けかねない牌だけに、その勇気が素晴しい。

つーか降り打ちしてくれよぅ。

ま、結果は予想通り。
流れってもしかしてあるのかもと思わせるくらいのド高めジャストミート。

Photo_5

つっかーん。

さて、不足しているのは、実力?運?それとも恫k(ry?

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諸刃の剣

先週の土曜夜、僕はレイソルの逆転勝利の余韻に浸りつつ
2ちゃんねる麻雀板のスレッド
「天鳳で打ってる人で雑談でもしないか」
を眺めていた。

天鳳を打っても良かったのだけれど
スポーツニュースを見たかったので、一旦休憩していたのだ。

そんな僕の眼に、信じがたい文字が飛び込む。

416 名前:焼き鳥名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/08(土) 23:37:46 ID:???
さくらこ事件てやばいの?

431 名前:焼き鳥名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/08(土) 23:44:49 ID:???
>>416
kwsk

434 名前:焼き鳥名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/08(土) 23:46:29 ID:???
さくらこさんを三位にさせてから連ラス・・・(´;ω;`)コワイヨゥ

435 名前:焼き鳥名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/08(土) 23:46:32 ID:???
さくらこ事件と鮫島事件は2chのタブー

438 名前:焼き鳥名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/08(土) 23:47:37 ID:???
さくらこ事件か・・・あれは悲惨だったね・
・・

439 名前:焼き鳥名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/08(土) 23:48:23 ID:???
マジ住人だからよせ

442 名前:焼き鳥名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/08(土) 23:51:51 ID:???
鮫島事件kwsk

443 名前:焼き鳥名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/08(土) 23:52:36 ID:???
教えれるかよ・・・

446 名前:焼き鳥名無しさん[sage] 投稿日:2008/11/08(土) 23:55:37 ID:???
もしかして何人か消された?

何を訊いているんだ・・・

軽く舌打ちをして、僕は呟く。
どこで「あの事件」のことを聞きつけたんだろう。
あの、思い出すのも忌まわしく、関係する者全てが
記憶の中に封印して掘り起こさないようにしていると言うのに。

2ちゃんねるで今でも時々囁かれる「鮫島事件」よりも
はるかに注意深く、痕跡は消されていると言うのに。

試しに、あなたの周りで
アンダーグラウンドの世界にもネット社会にも詳しい人がいたら
さりげなく尋ねてみればいい。

「さくらこ事件って知ってる?」

判で押したように、同じ反応が返ってくるだろう。
僕はそれを容易に想像できる。

おそらく彼は、一瞬びくっとしてから
周囲を慌てて見回すだろう。
もしかしたら、聞こえないふりをするかもしれない。

そして、それでもあなたが問いかけをやめなければ
彼は慌てて場所を変えるだろう。
人目につかなく、盗聴や監視の心配の無い場所へ。

そしてこう言う。

「よせよ。そんなことに関心持つのは。
お前は平凡でも幸せな日々を送って行けよ」

そんな彼の表情を見て、あなたは恐怖を感じると共に
自分の中の好奇心が、むくむくと起き出して来たのを知る。

伝を頼って、あるいは図書館の新聞や雑誌を調べて
あなたは真相に近づこうとする。

けれど、関係者らしき人物に辿り着いても
彼らの口は一様に重く、決して自分からは話そうとしない。

そう、彼らは知っているのだ。
決して触れてはならないタブーというものが
この世の中には厳然として残っていることを。

あるいはあなたは、匿名の掲示板に書くならば
書いた人間の正体など分かるはずが無いと思うかもしれない。
警察ならいざ知らず、一般人がそんなことできるはずが無いと。

けれど、警察の人間が知り得るならば
それを聞き出せる人間がゼロであると断言できるだろうか。
知り得るのは、警察だけではない。
管理運営する人間もまた、知り得ることだ。

ある情報を知っている人間が2人以上いたら、
その情報はいつか漏れてもおかしくない情報なのだ。

親愛なる「雑スレ」の諸君。
僕がこうしてこの記事を書いているのは
僕のせめてもの優しさだと思ってほしい。

これ以上のことは言えない。

それは申し訳ないと思う。

けれど、それを書き記そうとしても
僕の指は頑としてキーを押そうとはしないし
僕の古傷は、時に鈍く、時に鋭く疼く。

あまりにも剣呑な話題であるがゆえに。

人は、その人がどんな生き方をしていようとも
必ず持っている武器がある。
その武器によって人は成長し、周囲に影響を及ぼす。

ただし、自らを傷つけることも多いし
周囲に害を及ぼすことも少なくない。

そう、それが好奇心というものの正体だ。

好奇心は正しく使わなければ己の身を滅ぼす。
知る必要の無いこと、知ってはならないことを
きちんと察することが出来ない者は
映画の脇役のようにその代償を己の生命で支払う。

タブーの臭いを嗅ぎ付けて首を突っ込む週刊誌の記者は、
古代遺跡の中で不用意に棺桶に触れるスポンサーの小判鮫は
映画の中でどういう末路を辿ったか、思い返してみればいい。

そして、口が軽く何でもペラペラと喋る小男が
どういう末路を辿るかも、合わせて思い返してみるといい。
そうすれば、自分がどう振舞うべきか、分かるはずだろう。

少なくとも、これだけは覚えておいてほしい。

僕がこうして忠告したことを。

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カイゼン

はこパラの天鳳オフィシャルコミュで
こんなサイトを紹介する書き込みがあった。

天鳳へのリクエスト(ユーザー有志)

相当多くのユーザーを抱える天鳳とはいえ、
現状で満点かというとそうではないだろう。
やはり改善、リファインしていかなければならない部分はある。

例えば「つのバトル」とか「ツモ切り暗転卓」など
運営側もいろいろと工夫はしているようだけれど
ユーザーが本当に望むものであるかどうかを
運営側が完全に察知して反映するのは不可能だ。

それはどんな大企業であってもそうだけれど
個人起業の会社であればなおさらだと思う。

であれば、こういった要望をある程度明確な数値として出すのは
数値が多くなればなるほど効果があるものだと思うので
天鳳ユーザーはどんどん投票したらいいんじゃないかと思う。

もちろん、それが実際に反映されるかどうかは別だ。

誰かの希望は別の誰かの希望と反するものかもしれないし
営利追求という理念に反することもあるだろう。
(例えばプレミアム版を永久に無料で開放しろという要望が
どんなに集まっても、反映されることはない、と思う)

でも、こうやって少しずつでもいいものになれば
それはユーザーの数になって表れるだろうし
「やって楽しい、観て楽しい」というサイトになるかもいう期待はある。

少なくとも、誰かの脳内で、僕が個人的に

「おう、牛か。最近どないや
でな、お前んところのサイトな、ちょっと変えてほしいねん」

などと電話をかけるよりは、はるかにいいよね。

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2008・Jリーグdiv.1第三十一節 柏レイソルvs名古屋グランパス

混戦を極める今期のJ1の中で
柏レイソルは未だに降格の危険から逃れていない。

この試合を含めた残り4試合、
ホームで戦うのが名古屋と大分という上位を争うチームだから
これを落とすようだと一気に危なくなる恐れがあった。

絶対に負けられない。最悪でも引き分け。

そんなことを思いながらスタジアムに向かう。
前節同様ホームとアウェイのサポーターは完全に分離されている。
スタジアムはどうあるべきか、まだ模索中なのだろうけれど
警官が至る所に配備されているスタジアムは
決して幸せな光景とは言えまい。

546

544

試合前のコアサポのパフォーマンスが
予想に反して非常に受ける。

「Yes,we can!」

シンプルだけれど力強い言葉は
プロスポーツチームのスローガンにふさわしい響きなのだろうか。

試合はさすがに名古屋のペース。
前半最初のうちは、柏にチャンスが多かったけれど
徐々にボールを支配されだす。
押しているうちに点を決めないと、後に響くのだ。
村上はあのフリーのヘディングを決めてくれたらなぁ・・・。

いつも思うけれど、ヨンセンみたいな強くて大きい上に
ある程度のテクニックを持ったFWがいると
二列目から飛び出す選手に手を焼かざるを得ない。

玉田が下がり目に位置してボールを散らすのが
意外といえば意外だったが
菅野のミスキックから大ピンチを招く。
ヨンセンがダイレクトで打ったシュートがネットを揺らしたけれど
不可解なオフサイドの判定で失点を免れる。

この日の菅野はキックのミスが多くてハラハラしたけれど
反応の良さは随所に見せていた。

でもあのオフサイド判定は本当にラッキーだった。
帰宅後に録画を見直したけれど
どう見てもオンサイドだったように思う。

まぁいわゆる誤審だとは思うのだけれど
そういうのは年間を通せばチャラになると思うし
杉山の突破の時はPKでもおかしくない判定だったから
今回は素直に喜んでおきたい。

けれど、今度はマギヌンからのパスをヨンセンが落とし
それを小川に文句なしで決められた。
マギヌンみたいなタイプって守る側にするとすごい嫌だと思う。
キープ、ドリブル、パス、シュート・・引き出しがすごく多いし
守備の意識も結構高い。

小川も非常に良い選手。あれはいいゴールだった。

ここまでの柏は、先制されると弱いチームだから
この時点でせめて引き分け、という考えが頭をよぎる。
しかも、フランサが怪我で前半での交代を余儀なくされる。

高い位置で決定的な仕事をする選手がいなくなると
今のレイソルは決定機すら作れないのかと思ったが
ここで菅沼がまたしても仕事をする。

ネットを揺らさない同点ゴール。
G線上の何とかってやつだ。

試合前から、サポーターの期待が集まっているのが分かるし
実際非常に動きが良い。守備も本当に良く動いている。
このパフォーマンスが維持できれば、代表だって夢じゃない。
一回くらい呼んでみたらどうかなと個人的には思うくらいだ。

551

そして2分後には、大谷からのスルーパスをポポが決める。
ポポのいい所が生きたゴールだった。

電光石火の逆転劇だ。

大谷はボランチの方がいい働きができるのだろう。
サイドバックの時よりもむしろチャンスを作れていた。
フランサがいない時の方が、選手の攻撃意識が高まる。
やっぱりフランサはサブでという思いが強くなった。
来期はどうなのかも分からないんだけれど。

562

久々の日立台での勝利。しかも今季初の逆転。
実に満足して帰路に着いたけれど
フランサと杉山の具合が心配だ。
どっちもやっぱり中心的な存在だから。

小林と古賀は安定していた。
小林の成長度合いは著しい。
北京で使えば良かったのに。

557

杉山はちょっとモノが違う。
体が丈夫なら代表クラスと断言していい。
実際はちっとも丈夫じゃなくて、
倒れるたびに心配になるんだけど。

大津もどんどん良くなってる。
使えばそのうちゴールも決めるだろう。

これで勝ち点は42まで伸びた。
数字の上では降格の危険は未だに残っているけれど
さすがに大丈夫だろうという気分にはなる。
確定するまで安心できないのはやっぱり降格を経験しているから。

次の日、ユースの試合を観に再び日立台に行く。
来期、上がってくる選手もいるわけだから、
どんな選手なのか見ておきたい。

200811091551001

印象に残ったのは、8番と9番(メンバー表がなくて名前が分からない)
8番はあまり目立たないけれど中盤ですごく利いていた。
キャプテンマークを着けていたから頭の良い選手なのだろう。

9番はプロ向きの選手だなという印象。
PKも難なく決めていたし、一人退場で減った後にGKとの一対一になった。
角度があまり無かったのでどうするかと思っていたら
見事に股を抜いて決めた。
体幹が強そうだしサポーターへの態度も含めて結構期待できそう。

来期の話もそろそろ進んでいるのだろう。
どういうチームを作るのか、実に気になる。

来年のことを話すと鬼が笑うと言うし
残留が決まるまでは気にしないようにしようと思う。
まずは次節、磐田に勝って残留を決めたい。

ホント、残留決まらないと落ち着かないんだ。

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藪蛇

昨日、アクセス数が1000を越えた。

ブログを始めてから一番アクセスが多かったのは
1日に4000、2日で7000を越えたことがあったけど
それは「yahoo知恵袋」で僕のブログのURLが貼られたからだ。

確か、「ガジリって何?」という質問に対する回答で
誰かが僕のブログを貼っていたのだ。

ただ、数日間でそれだけ増えたアクセスも
一週間もしないうちに従前の数に戻り、僕は

「世の中の大半の人にとっては、
(少なくともyahoo知恵袋を読むような人にとっては)
アングラネタは大して興味がない」

というようなことを思ったように記憶している。
今にして思えば、それはネタの性質や属性の問題ではなくて
僕の文章力に起因する問題だと思うべきだったのかもしれないけれど。

ブログを移転して、閉鎖して、再開して今に至るわけだが
再開した直後は、一日30とか50のアクセスだった。

麻雀ラジオに出たのがきっかけで300くらいになり
2ちゃんねるにURLが頻繁に貼られるようになって500くらいになり
はこパラに登録したのと一ノ瀬萌嬢のブログで紹介されたのが重なって
こうして一気に増えたわけだ。

でもまぁしばらくすれば、また数字は落ち着くだろう。
継続的にこのブログに来てくれるようになる人はだいたい30%前後だ。
不思議なことに、この数字はほとんど一定だから
500→1000に増えたとしても、安定して出る数字は
いいとこ600か700くらいだろう。

アクセス数を増やすコツ、のようなものはもちろん存在する。

トラックバックしてくることやランキングに登録することというのは
結構影響しやすい。

他のブログにコメントを入れる時は
自分のブログのURLを必ず入れることも大事だ。
そうしておくと、コメント者の所に、自分へのリンクが貼られて
それを読んだ誰かが覗きに来易いのだ。

ランキングの順位や、アクセスの数に一喜一憂するのは
僕にはかえって負担になるような気がするし、
そもそもめんどくさくてどれもやってないけど
それでも、アクセスは少ないよりは多い方が嬉しい。

来てくださっている方々、どうもありがとうございます。

そうそう。

アフィリエイトでも貼れば月に数百円くらいにはなるらしいから
天鳳代はそうやって稼ごうかなと冗談で妻に言ったら

「ナニソレそんなんで天鳳やるタイギメイブンになるとでも思ってるわけ?」

みたいな顔で見られた。

・・・言うんじゃなかった。サッカー観戦行ってくるっ!><

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天鳳するはずじゃなかったのに

ある晩、帰宅してからビデオを観ようとする。

録画したのはサッカーACL決勝、ガンバ大阪vsアデレードUtd.の一戦だ。
特に応援しているわけではないのだが
いつの日かレイソルがこの舞台に立つ時のために
サポーターとして予習しておかなくてはならない。

BSで放送されているのを知って
わざわざ妻に電話をして録画してもらったのだ。

スイッチを入れて観始める。

すると流れてきたのは・・なぜかライオンズとジャイアンツのユニフォーム。
これは野球の日本シリーズではないか。
間違えたかと思って録画リストを確認すると
サッカーの試合はどこにも録画されていない。

「あれ?ねぇ、サッカーの試合は?」

妻に質問した時には、事態はだいたい把握できていた。
単なる形式的な確認作業に過ぎない。

どうせまた失敗したのだ。

この間は、2回線ある外部端子を間違えて
2時間真っ暗な画像を録っていた。
今回は何を間違えたのだろう。

「あ、BS朝日と普通の朝日間違えちゃった♪」

間違えちゃった♪、じゃねーよ!
何で確認しないんだよ!

心の中で悪態をつくけれど
もう言っても仕方のないことなのですぐに諦める。

そう、言っても仕方の無いことは言わない。
これ結婚生活にはものすごく大事だから。

サッカーが観られないなら他の事をするしかない。
しぶしぶPCを起動させ、1索のアイコンをクリックする。

カチ・・カチ・・カチ・・・ジャアアン

今まで何千回と見てきたシーンだ。
今回は起家スタート。北が暗刻というだけの平凡な配牌。
ところがカン7筒を埋めて東と1筒を重ねて、6巡目ですぐにこの形。

Photo_3

仕掛けが入っているけれど、えいっとドラを切ると
さらに対面に鳴かれ、手出しで3索。
聴牌っぽいが直後にこちらも聴牌。
1筒と東のシャンポンで安目9600高目12000、
ツモなら三暗刻で6000オールだ。

1筒がドラをポンした対面の現物で、同じく現物の4筒を切って聴牌。
リーチをかけた方が1筒は出るかもしれないが
残り1枚しか無いし、ダマなら東もひょっこり出てくるのがネット麻雀だから
ダマに構える。今のところ降りる気はない。

Photo_4

すると序盤から1筒を抱えていた北家がすぐに出してくれて9600ゲット。
文句無しの立ち上がりだ。

Photo_5

次の局、またチャンス手が入る。

Photo_6

ドラ暗刻で赤2枚、白を叩けば即インパチ聴牌だ。
ところが北家がちょっと変わった打ち方をする。
三暗刻出来合いのカン5索聴牌を拒否して6索をツモ切り。

多分ここで東を切って聴牌に取ったら、南家がポンしていただろう。
聴牌拒否にしても、4索を切ったら、もちろん僕がチー聴を入れていた。

この進め方をしたおかげで、
北家は4索を重ねてツモり四暗刻の聴牌を入れる。
東を切ってリーチだけど、手牌の進行が遅い南家は鳴かなかった。
安全牌にすることにしたのだろう。

僕も一発目に無筋を掴んで白の対子落としをしたけれど
万子をうまく食い延ばせて、タンヤオでインパチの聴牌を入れる。
待ちは当初から形の変わらないカン4索だ。

結果は・・・4索引き負けたよっ!
役満親被りしたよっ!!
画像なんて絶対載せないよっ!!!

そして、その後も2000点を放銃してラス目に落ち、
3着目がトップからハネマンを出あがって離されてしまう。

その局も、トップ目の上家は三副露して手牌バラバラという
大胆なゲーム回しをして、結局放銃という結果になる。

Photo_7

西部劇だったら、脇役の渋いおっちゃんに

「おい、若いの。ここじゃそんなことしてたら早死にするぜ」

なんてたしなめられるところだろう。
特上東風では、ダントツになったら、他三人のラス逃れを
安全地帯から見物していればいいのだ。

それにしたってお前の手は何なんだ、と言われそうだけど
不聴罰符さえ惜しいのだ(キリッ

そしてオーラス、ラス目の僕は必死で和了に向かい
辛うじてラスを逃れることに成功する。

Photo_8

終わった後、雑スレで牌譜をくれと言われる。
観戦していた誰かなんだろう。

「さくらこ役満親被りざまぁああああwwっうぇwっうぇ」
「さくらこラス逃れ必死www」

とか言われるのを覚悟して牌譜を張ったけど
何とかそれは控えてくれたみたいだ。

「お前のせいで2ちゃんで煽られたじゃねぇか!」
「あなた、ごめんなさいっ」
「酒だ、酒持ってこい!」
「え・・あなたお酒は止めるって・・」
「うるせぇ!いいから持ってこい!」

てなことにならないとも限らないし。
まぁうちには料理酒以外の酒はないんだけどね。

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1000試合到達

直近1000試合の牌譜解析データが採れたので、
分析がてら掲載。

クドーさん、お暇な時に更新していただければ。

Photo

参考までに、800戦時を掲載。

Photo_2

項目ごとの数字はこんな感じ(800戦→1000戦)

和了率:0.242→0.242
和了素点:5573→5582
放銃率:0.122→0.123
放銃素点:5064→5135

平均順位:2.359→2.366

10月が一時期ラス率4割になって
このままだと降段するなと思っていたのだけれど
何とか持ち直して、最終的には思ったより悪化はしなかった。

不調を意識させる数字は放銃素点にも出ている他に
こんなところにも出ている気がする。

追われ時放銃率:0.118→0.133
親被り率:0.252→0.260
ラス回避率:0.254→0.257

追っかけられた時の放銃率が0.118→0.133と悪化。
親被り率も悪化。

不調時って、親でマンガンやハネマンを被ってそのままとか
ラス親でそのままだと同点でラスだからって前に出て放銃とか
そういうパターンがお約束の気がする。

ともかく、リーチ率はさらに下がってきているのに
リーチ負けしてたらそりゃラスも引く。
リーチ時好形率は大差ないから、つかなかったと思うしかないのか、
あるいは何か原因があるのか、それはちょっと分からない。

ラス回避率が上がってるところに、必死さが見え隠れしている。
ラス回避に全力、ってのは打っていて実につまらない展開だ。

でも、素点はそこまで低くは無かったし
トップ率も今までと同じくらいだったから
もうしばらくはこのままで行こうと思っている。
赤があれば打点は補えるのは、おそらく間違いなさそう。

全体的に出来すぎだとは思うのだけれど
これを維持してもなかなか八段にはなれない。
七段を420戦維持しただけ、と言う程度の成績だ。

安定段位という指標があるけど、僕は6・5を少し上回る程度だから
これは天鳳の段位制度に関しては、非常に有効な指標なのだろう。
それがそのまま麻雀の強さを示す指標かと言うと、
やはりちょっと首を傾げてしまうが。

ただ、直近1000試合のデータで安定段位を算出すると
一応7・0は超えるので、これを維持できれば
もしかしたら昇段の好機もあるのかもしれない。

それには、ラス率を下げること、そして無駄な放銃を下げること。

危険牌を先に処理するつもりで切ったら既にアウト、
というケースが頻繁にあるので、
やはりそこを意識していこうという思いがある。

放銃時の平均向聴数が他の高R高段位よりも悪いところに
それは如実に現れているような気がする。
ただし、これは以前よりも少し改善の傾向は見られるだろうか。

例えばこんな手牌。何を切るだろうか?

Photo

ドラも何も無い愚形残りの一向聴。
仕掛けも二軒。
以前の僕は、こんなところから前に出たりしていた。
さすがに3筒は危ないと思うから、中なんか切ったりしてね。

そしてドッカーンだったんだ。

Photo_2

中は親の役満に、3筒は南家に当たりだ。
僕は辛うじてこれを回避して、六万をツモ切った。

(完全に降りるなら南だろうけど、聴牌への色気はまだあった。
六万は南家に危ないようだけれど、3索をポン(打5索)する前、
親が切った七万に明らかなラグがかかったのに鳴かなかったから
四五という単純な二面はないだろうとは思っていた。
三万はシャンポンがあるかもしれないけど。

と言うより、普通に考えれば筒子聴牌だと思う。
もちろん四五五六七のような形も無いわけではないから
もしかしたら甘いのかもしれないけど、そうすると
六万のチーはかなり欲張っているような気がする。
それだけ万子の複合形があれば一万の対子を落とさず染めるだろう)

そして直後に南家が中を掴み、ツモ切って48000に刺さった。
まぁこの形なら止まらなくても仕方が無いだろう。ドンマイ。

Photo_3

僕はぶら下がりの2着だったわけだが
これはもう御の字と言っていい。

いつも思うのだけれどこの年代になったら、
なかなかドラスティックな変遷は遂げられない。
だからちょっとずつ進歩していくしかないんだろう。

次は1200回かな。
さて、どうなることやら。

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顧客対応

僕はアンダーグラウンドの世界が長かったから
顧客対応という点については、かなり神経を使った。

店側が正しいとか客が正しいとかいう点が
問題になるのではない。
無理が通れば道理が引っ込むのは
アングラの世界では頻繁にある。

例えば、ある客を出入り禁止にしたいと考えたとする。
店にとっては金を落とす、そこそこ美味しい客だ。

理由は・・不正行為の疑いがあるからだとしよう。
ただし、限りなく疑わしいが、あるのは状況証拠だけだ。

「あの人不正してるよ!」
「ホントに見たんだって」

客は口々に騒ぐが、カメラの映像にははっきりとは映っていない。
疑わしい動作はしているし、その回は勝率も尋常ではないが、
絶対の確証は無い。

ともあれ、不正行為をしたという指摘が一定数以上集まった客を
放置するわけにもいかない(客離れにつながる)から、
従業員を使って、本人にそのことを通告する。

「不正の指摘もあったので、今後うちでは受けられない」

案の定、それに本人が猛然と反発する。

「ふざけんな、何の証拠があって不正だと言うんだ」

持ち出す理由をコロコロ変えるのは却って問題をこじらせるから
理由ではなくて、対応する人間を変えるのがセオリーだ。

店長の立場や責任者の立場の者が出て行って本人と対峙し、
一旦その場を収めなければならない。

「うちの方も、いろいろ検証しなくてはいけないので
それまで一旦出入りを控えてくれ。
明後日までには返答させてもらうから」

こうやって時間を稼ぐ。
証拠がさらに集まるかもしれないし、
本人が諦めてくれるかもしれないからだ。

ここで、他の客(指摘した客としよう)に
そのことを尋ねられたとする。

「あの客、どうなった?断ったの?」

客商売として、こういう顧客管理の事情を明かす必要は無い。

「今のところ検証中です」

こう言えばいい。それ以上は必要ない。
そして、できれば入れておこうという話になったとしよう。
めんどくさいし、店にとってはプラスだし・・そんな理由だ。

本人には、こう言わねばならない。

「今回は、断ろうかということも考えたんですが、
今まで贔屓にしていただいてますし、
綺麗に水に流していただけるなら
今後も引き続き遊んでいただくことにしました。

もちろん、不正行為が発覚すれば
○○様に限らず、どなたであってもお受けできませんので」

ポイントは二つだ。

まず、水に流してくれるなら、と言って釘を刺すことで
後々因縁を付けられることを防ぐということ。
アヤをつけただの何だのと言い出させないようにだ。

もう一つは、新たにネタが上がれば当然断るよ、
という点について改めて念を押す。

これで相当な抑止効果は生まれる。

注意しなくてはならない点は他にもある。
他の客への説明だ。

「何だよ、アイツ断ったんじゃないのかよ」

こんな不満が出てくるかもしれない。
そういう客に問い詰められたら、こう答える。

「いえ、いろんな方からご指摘があったんで
うちとしても細かく検証もしましたし
ご本人とも話させていただいた結果を総合的に判断して
出入禁止処分は一旦保留ということにしたんです。
何かあればもちろんすぐ断ります」

ポイントはやはり二つ。

総合的に判断したと強調することで
場当たり的、恣意的な運用ではないということを示す。
そして、一旦保留という表現を使うことで
通報してくれた人々への配慮を示す。
皆さんが間違ってたわけではないんですよ、ということだ。

金を落としてくれる客だからという理由でも
可哀想だからという理由でも、
めんどくさいからという理由でも、必ずこう言う。

だって一旦保留だろうが執行猶予だろうが、言葉の効果は同じだ。
断ろうとした客は今後も来店して遊ぶ。
変に復活なんて言うと、他に出入りを断った客に恨まれかねない。

「何で俺は復活させねーんだ!」

なんてね。

ほんの些細な表現一つで、
当該客、及び他の客へ与える影響は大きく異なる。
店側が思うより、客は扱いの違いに敏感だ。
こういうところで失敗すると、僕らの商売はまずこける。

機嫌を損ねてしまうことで来店しなくなるというリスクの他に
通報や暴力といったリスクも負っているからだ。

普通の商売ではどうなのかは知らない。
もちろん、天鳳の話とは全く関係ない。
ふと思いついただけだ。

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侵略者再び

福地先生も記事にしてたけど
以前不正だということで通報されて
アカウントを止められたという噂の打ち手が
別のIDで再び不正をやって特上まで来たようだ。

娘とトランプして遊びながら横目で天鳳を開いてたんだけど
一旦トランプを止めて観戦してみる。

なんだか良く分からない打牌を続けて
ダントツを作ってしまい、
3着目と4着目でオーラスを迎える。
(基本的な力が不足しているとしか思えなかった)

ところが、オーラス、2着には5200以上が必要な親分が
こんな手でリーチをかける。

三萬四萬五萬二筒四筒九筒九筒九筒八索八索南南南

南家だけどドラも無く、このままだと3200で届かないが
一発ならOKだし、実際手下は三筒を持っている。

これは一発で打ち込むか?
と思っていたら、何故か打たずに隣の二筒を打つ。
これももちろん無筋だ。サインミスか?

その謎はハイテイで解ける。

途中チーを一回入れて自分にハイテイを回した手下は
途中、和了りになる牌を引くも、和了を拒否する。
まぁそれじゃアガラスだしね。

そして親分が自力でツモれなかったのを見て
聴牌しているところから三筒を抜き打つ。

リーチ・南・ハイテイの6400で2着浮上だ。
下の画像はその瞬間のスクリーン・ショット。
ログは対戦した本人しか持っていないから少し分かりにくいけど、
明らかに不自然な打牌であることは間違いない。
聴牌形を維持できて、かつ通っている牌を切らずに
当たり牌を打つわけだからね。

Photo_4

そして次の戦いでも、そのコンビはやってくれる。
オーラス、29800でトップ目の親分が
ラス目の親のリーチを受けて困ってしまう。

ところが聴牌が入る。

Photo_5

五索八索五筒の選択だけど
和了牌はどちらも手下が持っている。
後は、どっちを切るかだ。

親分は観戦している連中を挑発するかのように
待ち牌数が少ない五筒の単騎に取る。
一発で打ち込むと、手下がラスになる可能性もあるから
親に和了されるのを覚悟しつつも1巡だけ待ち、
次の巡目に見事五筒を抜き打つ。

Photo_6

その前に親が和了しちゃえばザマーミロなんだけど
そうはうまく行かなかったようで
まんまと侵略者の餌食になった。
気の毒としか言いようが無い。

こんなことしてて楽しいのかと思うけど
まぁいろんな連中がいるなと。
こういうのはどこのネット麻雀でも起きることだし
完全に防止するのは難しいから、観戦って結構大事かも。

僕はカジノ時代、自分の店で不正があると思われるのがすごく嫌だった。
負けるとそう言う客って結構多いんだけど、
それに変な根拠を与えないように、ものすごく気を使った。
李下に冠を正さずってやつだ。
やってることはろくでもないことだけど(笑)。

てなわけで、プレーヤーにとって、安心して遊べる環境というのは
個人的にはものすごく大事だと思うので
根気良く対処していくしかないんだろう。
(自分に直接被害が無ければいいって人もいるけど
そういう人ほど、自分がされたらものすごく騒ぐんだ(笑))

通報があれば即排除ってわけにもいかないから
何らかの基準は必要になるんだけど
天鳳における今後の課題ではあるだろうから
見かけたら、一ユーザーの声として発信していこうとは思っている。

そろそろサッカーもオフシーズンになるから、
天鳳が無くなったら僕の余暇が寂しくなるしね。

余暇っつーレベルじゃねーだろって突っ込みは却下。

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段位と成績

天鳳では、プレーヤーの強さを示す指標は二つある。
R=レーティングと段位だ。

もちろん指標となりうる数値はそれだけではなく、
平均順位だとか、安定段位だとか
いろいろなものが考案されてはいるのだけれど
サイトとしてメインにしているのがその二つということだ。

僕の11月1日付でのRは2072、段位は七段だ。

Rは一試合ごとに変動するから
見かけの数値にさほどの意味は無いが
安定してこれくらいのRを出せるようになればと思っている。

段位も何とか八段を目指したい。
目下、天鳳には20人ほどの八段がいるのだが
東南戦のポイントが東風戦の1・5倍になったせいなのか
ここ最近で一気に増えたような気がする。

これは別に東南のレベルが低いということではなく、
好調期に一気に昇段しやすいということなのではないかと思うが
だからと言って、東南専門で八段を狙おうとは僕は思わない。

僕は自分の麻雀にはまだまだ欠点が多いと思うし
もっともっと打ち手としてのレベルを上げたいと思う。
レベルを上げれば、東風だけで八段になれると信じているわけだ。

同じステージで打たなければ、
レベルが上がっているのか掴みにくいから、
これからもほぼ東風専門で打つだろう。

では、僕はどこを向上させればいいのだろうか。

とあるプレーヤーを紹介する。
「超ヒモリロ」さんという、つい先日、見事に八段に昇段した方だ。
リンク先にあるように、ブログもやっているけど、
密かに雑スレも時々AAを貼って荒らしているらしい。

そんなジェスター彼の成績を見てみよう。

*一位率:0.255
*二位率:0.266
*三位率:0.272
*四位率:0.208
平均順位:2.432 放銃率0.120

ディスるわけでも何でもなく、
この順位分布で八段になるのは難しいはずだが
東南も打たれているようだから、両方で好調だったのかもしれない。
その分親不知で苦しめばいいだけのことだ。

一方、僕の成績だ。

*一位率:0.271
*二位率:0.274
*三位率:0.231
*四位率:0.224
平均順位:2.407 放銃率0.128

一目瞭然、というやつだろうか。

天鳳における段位ポイントは、ラスだけがマイナスで
三位はポイントがマイナスされないことから生じる
「ラス回避力」、これがもう格段に違う。
ただのカクヘンじゃないってことだ。

ツモられることによる失点は
長期ではそう大きな差は出ないだろうから
結局のところ、ラス回避力の差は放銃率の差なのだ。

先月の僕は、ラスが24%もあったし、放銃率は14%もあった。
これじゃ昇段なんてできっこない。

でも、たぶん彼と同じようには僕は打てない。
3>2>1>>>4という分布なんて目指せない。

できれば僕は1>2>3>4という分布で4を減らしたい。
今は2>1>3>4だから、1位を獲りつつ4位を減らしたいのだ。

目標を挙げるとすれば、
同じく昨日八段に復帰していた('(ェ)'o)=クマーさんか。

*一位率:0.315
*二位率:0.266
*三位率:0.208
*四位率:0.211
平均順位:2.315 放銃率0.120

・・・離れすぎて目標にならんな、こりゃorz

でも、昨日は書き込まなかったよ。
義父母が遊びに来てたから
クマーさんが打ってる時は横目でチラチラ観戦してただけだけど
雑スレ出てきてた時は福地先生と呑みに出かけてる時間だった。
ま、レアコテの出現に携帯から雑スレに熱中しちゃったけど><

ともかく、僕が昇段しようと思ったら
再びカクヘン、それも長期のが来ないと難しいだろう。
超ヒモリロさんよりも有利な点があるとすれば
僕は親不知を全部処置してあることくらいだしね。

<補足>

福地先生の記事でも超ヒモリロさんのことが取り上げられていて
(思いっきり童貞をネタにしてたけど)
ちょっと驚いた点があったので補足しておく。

(以下引用)

以前、雀賢荘メルマガで、プロ協会の小倉孝タンに
麻雀の上達法を書いてもらったことがあった。
それが東風荘で打ってはログを見返すって方法で、
典型的な10代の勉強法だった。
これは20代以上の人には意味ねーなーと思ったもんだ。

(引用終わり)

実は、僕は天鳳で2500回以上打っているのだけれど
特上で打った牌譜ログはほとんど見返している。
もちろん全局じゃなくて、気になったところが中心だけど。

それって10代の勉強法なのか・・

そろそろ不惑なんだけどダイジョウブか、俺。

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