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2008年10月

てんほー、はこぱら、にちゃんねる

天鳳というネット麻雀の魅力はいくつかあるけれど、
月額500円という低料金で、(←ここ大事)
細部まで拘った高画質のグラフィック機能を使えることの他に
観戦機能と牌譜をURLとして残せる機能がある。

自分が注目する打ち手を観戦して学ぶという他に
牌譜で場の状況を一目で正確に共有できることで
最適な判断基準を議論し構築する一助にもなるし、
皆で観戦して盛り上がれるというメリットもあるわけだ。
(つのさん!一度くらい八段になりたいんですが
今回はこんなもんでいかがでしょうか!><)

2ちゃんねるという匿名性の高いところで天鳳が受けたのは、
おそらくそんな理由もあるだろう。

自由に発言出来る場に、皆で共有できる情報が与えられれば
おのずと盛り上がるということだ。

もちろんそれはいいことばかりではない。

2ちゃんねるの天鳳ユーザー雑談スレッドに書き込まれるレスの
少なくとも30%くらいは誹謗や中傷か無意味な書き込みだし
10%くらいは良く分からないAA(アスキーアート)だ。

匿名だから何だって書けるということになれば
荒れない方がおかしいとも言えるだろう。

一方、はこパラというSNSがある。
麻雀用語を使っていることから分かるように
主に麻雀を嗜む人のためのSNSだ。

SNSと言っても、紹介が無くても誰でも登録できるし
フリーメールだけでアカウントを取得できるから
mixiに比べれば、やや匿名性は高くなっている。

僕も一時期アカウントを持っていたことがあって
その時には割とちゃんとやっていた。

麻雀という共通項を持つ人々の集まりだから
記事は必然的に麻雀の話が中心になるし
通りすがりの人も食いつきやすい。

特にプロが大量に登録しているので
生の声が聞けるというメリットもある。

最高位戦と協会という二つの団体が公認する事で
ひょっとしたら、統合へと向かう動きは
このはこパラから生まれるのではないかという期待もあった。

ただ、それが現実の動きとして形になったとは思えなかったし
団体公認であるが故に、
書きたいことを書けなくなった部分もあるだろう。

結果として、SNSにUPされる記事の多くは
どこで何を食べたとかいったスイーツ(笑)っぽいものだったり
身内のじゃれあいのようなものだったり
あるいは自分の働く店の集客のための営業日記だったりで
特にそういう記事を読みたいわけではない僕は
いつしかほとんどログインすらしなくなった。

HNは付けるけれど、匿名性はそこそこある。
ただ、発言をしようと思ったら
それは2ちゃんねるほど無責任ではない。

何のプロフィールもないHNだけの人物が発言しても
それをちゃんと受け止めてくれる人はあまりいない。
mixiで言うところのマイミク申請をしたところで
普通はそんな人物を承認してくれるとは思えない。

自分がどういうパーソナリティの持ち主なのか、
周囲が判断できるだけの情報をある程度与えないと
そこにはコミュニケーションは成立しないだろう。

どっちがいいとかそういうことは分からない。
ただ、僕はアカウントだけ残した状態になっていたのだ。

ところが今回、天鳳のオフィシャルコミュニティが
はこパラに出来ているのを知って
もう一度アクティブユーザーになることにした。

天鳳のトップに告知されているくらいだから
はこパラ運営サイドも公認なのだろう。

かつてバグの多さにユーザー数が伸びずに
はこパラオリジナルのネット麻雀サイトは閉鎖を余儀なくされたが
それに参加していた人々が天鳳に流れ込んでくれば
それはそれでレベルの上昇も期待できるかもしれない。

加えて、数多くのプロが登録しているわけだから
天鳳というステージで、その強さを見せてくれるような
そういった舞台設定も期待したい。

前述したように、天鳳で打つということは
周囲から観戦されるということであり
同時に、批評の対象になるということでもある。
SNSの日記だけではなく、2ちゃんねるでも当然俎上に乗るだろう。

でもそれってプロなら望ましいことなんじゃないだろうか。

誰が強いとかタイトルホルダーだとか言ってみても
それが共感される範囲はあまりにも狭いし
現実として、ネット麻雀で目覚しい成績を修めているプロは少ない。

それは、モチベーションを担保するシステムがないせいもあるが
プロがプロとしての矜持を持っていないせいでもある。

金にならないからちゃんと打たない
       ↓
しょぼい成績しか残せない
       ↓
金を払っても見たいと誰も思わない
       ↓
どこからもお金が出てこない
       ↓
金にならないから(ry

この悪循環を打破する機会として
はこパラという業界大手が運営するSNSと天鳳が結びつくとすれば
これはなかなかのものだと思わないでもない。
実際にどういう動きなのかは、もちろん僕は知らないけれど。

でも、プロは今回、いきなり利を求めるべきではないと思う。
今まで一般愛好家の期待を裏切り続けてきて
時に否定宣言まで出されてしまったのだ。
利を求める前にそれを払拭するのはプロの責務だろう。

そういうことを考え出せば、
おそらく分裂している場合ではないことにも気づくはずだ。

だって、プロが真剣に打って結果を出しているネット麻雀サイトは
今のところ存在していないのだ。

資金面で連盟に大きく遅れをとっていると言われる両団体が
この先連盟と互していこうと思ったら、
このチャンスを逃してはならないのではないだろうか。
先行投資のようなものだけれど、
投資するのは、金ではなくて自分たちの強さだけでいいのだ。

もしプロに何かしらの利が与えられるとすれば
それは一般ユーザーが出した金の一部か
一般ユーザーを当て込んだスポンサーの出す金だ。
その価値があることを証明して欲しいと思っている。

長期で打てばやっぱりプロは強い。
さすがにプロは良く鍛錬している。

こんな印象をユーザーに与えられれば
新しい可能性はきっと出てくるんじゃないかな。
観戦もされるし、牌譜も残るから、各々のプロが
自分で集客することだって不可能じゃない。

はこパラというSNSでアカウントを持っていれば
ユーザー、ファンからの声はダイレクトに届く。
それは多分、楽なことばかりではない。

誹謗中傷、粘着、ストーカー、価値観やプロ観の押し付け・・
そんなことも数多く経験するかもしれない。
2ちゃんねるでは当然叩かれるだろう。

でも、それって当然なんだ。
言い方は悪いが、一山幾らのプロもどきから
周囲に認められるプロ(食える食えないは別にして)になるには
そういうところにどう対処できるのかが問われるんだと思う。

それが出来なければ、淘汰されるだけだ。

僕が個人的に知っているプロで
天鳳で打ってみて欲しい人が何人かいるけど
彼らと天鳳を結びつけたいなという気持ちもある。
彼らを周囲に認めさせたいと言い換えてもいいかもしれない。
そのためのアイデアや対処法について、考えが無いわけでもない。

でも、もしかしたら、リアルで僕と打ったことのあるプロは
僕を尺度にして天鳳のレベルを推し量ろうとするかもしれない。

「さくらこ?大したことないよ。さくらこがあれくらいなら、
俺はきっと東風でも安定R2100の八段は行く。
東南だったら九段イケるね」

なんて思う人もいるだろう。

言っとくけど、そんなに甘くないよ。

相手をするのは僕じゃなくて天鳳のトップクラスだしね。

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2008・Jリーグdiv.1第三十節 柏レイソルvs横浜Fマリノス

久しぶりの日立台。
アウェイで大宮、札幌と破った後のホームに
相手は同じく残留を争う位置にいる横浜を迎えて戦う。

この試合に勝てれば、ほぼ残留は決まったと言えるだろうし
いいムードで臨めるだけに、キッチリ勝ってほしいという気持ちで
日立台へと向かう。

スタジアム手前の公園に入った時点で
以前までと趣が変わっていることに気づく。
導線が大幅に変更されたために、
混乱を防ぐための係員が動員されている。

アウェイのサポーターが並ぶ位置は隔離され
警備員も大幅に人数を増やしている。

言うまでもなく、前回の鹿島戦における事件の影響だ。

運営コストはかなり増加しただろうと思うが
それでも尚、日立台で試合をすることへの拘りが見える。
一サポーターとしては、やはり頭が下がる思いだ。

ただし、フードコートの牧歌的な雰囲気は完全に失われたし
アウェイサポーターには相当な不便を強いることになるだろう。

世界的に見ても、ホームとアウェイのサポーターの衝突は多いし
それを避けるための措置はどこのリーグでも採られている。

試合は試合、それ以外では呉越同舟。
そういけばもちろんいいのだけれど、
性善説だけで運営はできないし、するべきでもない。

今回の原因を作った側がまるで平然としていることには
僕は今でも強い憤りを感じるし、
多分、彼らが考えを改めることは無いから
そういう連中がいることを前提にしないといけないのだろう。

ただ、それを起こさなくするような意識というのは
それぞれのサポーターの中に醸成しうるものだ。
フーリガンにならない、させないために。

ホームの僕らは少し寂しくなったフードコートを見て
アウェイに来るサポーターは、仮設トイレの不便さを味わうことで
その価値観を共有できるはずだ。

そしていつか、またフードコートが
どちらのサポーターにも開放される日がくればいいなと思う。

そういえば、試合の前にちょっとしたイベントに参加できて
選手のアップを間近で見ることが出来た。
選手の緊張感が伝わってきて、なかなかいい体験だった。

僕にしては珍しく写真をいっぱい撮ったので載せてみる。

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肝心の試合は完敗だった。
4月にあった清水戦でも思ったんだけど

マリノス調子悪かったんじゃないんかゴルァ!

と思いたくなるくらい、横浜の攻撃も守備も素晴らしかった。
山根の出来が今ひとつだったせいもあるが
プレスもあまりかからなかったし、左サイドの裏を何度も突かれた。

杉山は利いているだけに何とか90分持たせてほしい。
途中交代の枠が一つ決まってしまうというのは
戦術的にはかなり厳しいものがある。

太田は一度いい突破があったけれど
攻撃という点で考えると、スペースを消された場合に
それを打開する手段が乏しすぎる。
大津のようなテクニカルなタイプも右で使ってみてほしいが
残留を決めていない現状では冒険は難しいか。

でも大津は体が出来てきたのと、気持ちが出てくるようになって
来期以降が非常に楽しみになった。
GKからのフィードも何度も競り勝っていたし
村上と共に、身体能力には驚嘆すべきものがある。

失点はいずれもペナルティエリア付近でボールを奪われてからで
やはり能力の高い選手がいるチームには
そういったミスは致命傷になることを改めて実感した。

言い方は悪いが札幌や大宮あたりでは
露見しなかっただけなのかもしれない。

それにしても完敗だったわけだが
残りの4試合で何とか勝ち点を3は積み上げてほしい。
42あればさすがに残留できるだろうから。

日立台の残り2試合、
今日みたいな情けない試合、絶対やらないでくれ。

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The Outcasts・27-6

事件、と言っても、店には直接関係は無かった。
ただ、影響は非常に大きかったと言わざるを得ない。

チャンが強制送還されたのだ。

悪事が発覚して当局に拘束された、というのではない。
チャンのような幹部クラスは、
そう簡単にはそういったことで引っ張られない。
直接の実行犯にはまずならないからだ。

蓮がたどたどしい日本語で話した内容と
周囲の中国人の話を総合すると、こういうことだった。

チャンがたまたま訪れた中国系のクラブに
入国管理局が強制捜査に入った。
歌舞伎町では良くある話だ。

不法滞在の中国人ホステスを連行した後、
捜査官はチャンにも外国人登録証の提示を求め、
チャンが提示したそれを見て偽造と見破ったらしい。

「あのヒト持ってる登録証、普通の警官は見ても分からない。
ホントのプロだけ分かる」

口惜しそうに蓮は言った。
確かに、最近の偽造技術は格段の進歩をしていて
僕ら素人が見てもまず見破れないものらしい。
入国管理局の捜査員でも判断に迷う物もあるらしいが
真贋を判定する専門家も最近は同行するようになっているのだ。

チャンにとってはアンラッキーだったし
店の売り上げにとっても打撃は大きかったが
大口の客が一人いないからと言って
即座に経営が苦しくなるわけでもない。

痛いけどしょうがないか・・

事件直後、僕はそんなことを思うだけだった。

けれど、チャンがいなくなった影響は
思わぬ形で店に波及した。

店に来る中国人女性客の中で
より格上の男と付き合っている者が
派閥のボス的存在になることは既に書いた。

チャンの存在によって一目置かれ
派閥に属さずに独自の路線を歩んでいた蓮。
ボス格にも怯まずに言いたいことを言えたのは
そのパワーバランスが保たれていたからだ。

それが崩れたのだ。

今まで面白くない思いをしていたのだろう、
ボス格の中国人たちは、
蓮や玲に、露骨に罵声を浴びせるようになった。
反目に回ったりすれば、ほとんど喧嘩腰でベットを下げさせた。

今までのように、蓮がうるさいと文句を言っても
全く聞き入れるそぶりを見せなくなった。
むしろさらに大きな声で何事かを言い返し、
今度は蓮が悔しそうに黙りこむようになった。

怒鳴りあうような声が店に響き、
店の人間が慌てて飛んで行って注意してから
ようやく静かにする始末だった。

それから、例えば空席が一席しか無い場合には
蓮以外の客には手持ちを溶かした誰かが席を譲っていたのに
蓮に対しては知らん顔をして居座るようになった。

店の従業員が遊ばないなら席を空けてくれと頼むと
ボス格が自分のチップを何枚か貸してやって
プレイを再開させてわざと空席を作らないようにする有様で、
今まで黙認していたギャラリー行為を一切禁止せざるを得なくなり、
店として余計な業務を抱えることになった。

それ自体は致し方のないことではあるが
女の戦いの陰湿さと凄惨さを目の当たりにして
僕は正直に言って恐怖に近い感情すら抱いたのと同時に
少しだけ、不思議に思うことがあった。

なぜ、そんな屈辱を味わってまで
蓮と玲はこの店に来るのだろうか。

他にもカジノはいくらでもあった。
新たに店を開拓しておとなしくしていれば
少なくとも露骨な嫌がらせは避けられるはずだ。

屈辱に唇をかみ締めてまで
この店で勝負を続けていた蓮と玲。

いくらチャンとは言え、もう一度日本に来るのは
そう簡単なことではないはずだが
その日まで耐え続けるつもりなのかと思っていた。

ところが。

そういった嫌がらせがどれくらい続いただろうか。
ある日、ふと僕が気が付くと
その嫌がらせはピタリと止んでいた。
チャンがいた頃と同じような応対に変わっていたのだ。

僕はてっきりチャンが戻ってきたのかと思い
ゲームの合間に、あくまでさりげなく蓮に尋ねた。

「チャンさん元気?今どうしてるの?」

蓮はちょっと寂しそうに笑って言った。

「向こうにいる。戻って来れない」

となると、チャンが戻ってきたわけではなかった。
けれど、僕が見る限り、
パワーバランスは明らかに再び変化していた。

特に店の経営に影響があるようなことではないのだけれど
僕はそれが気になって、営業で行った中国クラブで
ホステスをしている中国人にそれとなく話を振った。

「チャンさんの彼女とAさん(ボス格の一人だ)たちは
仲直りしたのかな?
最近あんまり揉めてないみたいだけど」

実の所、そのホステス自身は大していい客ではなかったのだが
いわゆる事情通という存在で、
何かと情報を手に入れるには都合が良く
僕は時々彼女の店に行って金を落としてやっていた。

向こうもそれを自覚していたのか
知っていることは教えてくれた。

彼女が言うには・・

「別に仲直りってわけじゃないの。
やっぱり今までいろいろあったからね。
でもね、妹の方が最近彼氏が出来てね・・」

そういうことだったのか。
僕はようやく合点がいった。

後ろ盾になる男が失脚すれば
女の方も勢力を失うのが当然だけれど、
だからと言って、そうそう別の男に乗りかえられない。

蓮が後ろ盾を失った代わりに
今度は玲がそれなりの格の男と付き合うことで
崩れたパワーバランスは再び均衡するようになったのだ。

まさか、だから蓮は玲を今まで誰とも付き合わせなかったのか・・。

僕はそう思い至って背筋が寒くなった。

中国人の家族の絆と言うのはかなり強い。
どこに行っても彼らは故郷や家族を忘れないし
家族のために出来る限りのことをしようとする。

同時に、年長者が弟や妹に与える影響も大きい。
特に、異国で姉の庇護の元で暮らすような場合は
ほとんど絶対なのかもしれない。

首領格とは言え、いつ捕まるか分からない稼業で
なおかつグループ内の権力闘争もあったであろう男と
異国で付き合うようになった蓮。
そのおかげで彼女はいい暮らしと、優越感を味わってきたわけだ。

けれどいつその暮らしが失われるか分からない。
そんな時に、自分の身とプライドを守るには・・
蓮が玲に近づく男を厳選したとしても、全く不思議はない。

僕らの仕事にも、リスクは付きまとう。
だから、リスクは極力減らしたいし
何かの時のために、なるべく保険をかけておく。

けれど、異国の地で、それもアングラの世界で
生き抜こうとしている彼女たちから見たら
きっと甘すぎるんだろう。

そのしたたかさには、敵いそうもないな・・。
僕は、ただただ溜息をつくしかなかった。

もしかしたらそれは、中国人だけではなく
日本人の女も同じなのかもしれないけれど。

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The Outcasts・27-5

僕の知る限り、中国人は世界でも指折りの博打好きな民族だ。
世界中どこのカジノに行っても中国人の老若男女が大勢いて
どこのカジノでもわぁわぁと騒ぎながら博打を打つ。

「角(クヮン!!」
「零(リン)!ドロー!!」

そういった呼び込みもするし
次の予想はどっちだとかいった会話も頻繁にする。

そして、ただでさえ中国語というのは発音が強い言葉だから
普通に会話をしていても喧嘩をしているように聞こえる。
加えて彼らは非常に熱くなりやすい性質を持っているから
どうしても異常な大声を出して騒いでいるような状況になりがちだ。

日本のアングラカジノでも、それは同じだ。
中国人を入れている店では
女性だけであったとしても、それに頭を悩ませる。

日本人は博打場でわぁわぁと騒ぐことを嫌うからだ。
特に、自分にとって理解できない言語で喚かれれば
それはただの騒音にしかならない。

サービス目当てでシノギに来ているガジリなら
そういった騒音は我慢するのだろうけれど
そこそこ張るような客は、五月蝿いのを嫌がる。
するとせっかく盛り上がった場面が白けていってしまう。

黒服が注意しても、効果は長続きせず
半ば根競べのような感じになる。
そうすると現場にストレスが溜まってきて
他の接客にも影響が出るようになってくるのだ。

この点において、チャンとチャンの彼女は
店にとって非常にありがたい存在だった。

チャン自身は、中国人の女性が主に座るような
10バラや20バラといった低めのレートでは遊ばなかったが
蓮と玲は、低レートでおとなしく遊んでいた。

当時の店にはかなりの数の中国人の女性客が来ていたが
大きく分けて2,3の派閥があった。

別に彼女たちが乱闘をするわけではないのだけれど
何か注意をする時は派閥のボス格に納得させないと
なかなか効果が上がらない。

あまりに五月蝿い客は出入りを断るのだけれど
それもボス格が納得しないと余計に騒ぎになる。

チャンの彼女たちはどこかの派閥に属すと言うよりは
数人の小規模な派閥を形成しているようだったが
よくよく観察してみると、
どのボス格からも一目置かれているようだった。

ボス格の女性にも当然彼氏がいるのだけれど
おそらくチャンよりは格下だったのだろう。

男が女を惹きつける上で最も効果があるのは
世界中どこでも、金と権力だ。
男同士もそれを巡って争うのだけれど
女同士も代理戦争のようなことを繰り返す。

アングラカジノでは表立った抗争にはならなかったが
付き合っている男の格で、ある程度のところまでは
彼女たちの力関係が決まっているのは想像できた。

そして、店にとって幸いなことに、
蓮は静かに遊ぶことを好んだ。

さらに幸運なことに、五月蝿い中国人客がいると
ボス格に向かって鋭く何事かを言って
その客を静かにさせてくれたのだ。

効果は僕ら従業員が注意する時の比ではなかった。

蓮に文句を言われたボス格は
むっとした表情を見せながらも
該当者・・要は下っ端だ・・にきつい口調で何かを言い
言われた該当者はあっという間におとなしくなった。

「アンタのせいで恥かいたじゃない!」

そんな感じだったのだろう。

だけでなく、蓮が店側と同じスタンスを取ることで
店の従業員が同様な注意をする場合にも
同じような効果が生まれてきたのだ。

それから、中国人が嫌う「反目」に対しても
蓮は格上であることを見せ付けた。

例えば、ボス格がバンカーに張ったとする。
その場合、格下の者はプレイヤーに張りたくても張らない。
仮に張ったりするとボス格や取り巻きから罵声が飛び
ベットを半ば無理やり撤回させられることになる。

蓮は、そういったことを一向に気にせず
ボス格が一方に張っていても平気で反目に回った。
ベットがかち合うと、ボス格の方が嫌な顔でベットを撤回した。

その光景は、ベットが低くなる分、
店にとっては必ずしもプラスではなかったが
なかなか滑稽な有様ではあった。

ともあれそのおかげでその後しばらくの間、
店の安静はそこそこ(あくまでそこそこだ)高い状態で保たれて
賑わっているのにまずまず落ち着いて打てるということで
営業をかけて呼んだ日本人も定着するようになった。

当時の歌舞伎町で、1,2を争う繁盛店だったし
数字もかなり良いものだった。

「奴らがあちこち襲って手に入れた金を
国外に持ち出させないで国内で落とさせてるんだから
俺たちでも国の経済にとっては貢献してるよな」

僕らは冗談半分にそんなことを言いあった。

かなり抜けたし、そろそろ箱を替えようかという話も
その頃には上と交わしていた秋口のことだ。

ちょっとした事件が起きたのだ。

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The Outcasts・27-4

チャンは平均して月に1、2000万を落としていただろうか。
一人で落とす金額としてはかなり大きいものだけれど
チャンがそれを惜しんだり、苦しくなっている様子はなかった。

ということは、チャンはそれ以上の実入りがあったのだろう。

とはいえ、僕らとしてはそれに安穏としているわけにはいかない。
あまりに負けが込めば、いつ牙を剥くか分からない。
チャン以外の中国人男性は決して入れなかったし
チャンが連れてくることも無かった。

時々チャンは店があるビルの外まで
部下らしき男と一緒に来ることがあったが
部下は店内はもちろん、ビルの敷地にすら入らなかった。

チャンは自分のシノギを決して口にはしなかったけれど
チャンを昔から見ていた僕はもちろん薄々分かっていた。

おそらくチャンは、宝石店や高級住宅などを
油圧ジャッキや重機を使った荒っぽい手口で襲う
爆窃団のような組織の首領格だったはずだ。

ビルの入り口ではなく、外壁を破壊して侵入し
金目の物品を根こそぎ奪い取る手口は
ここ数年、かなりの被害を出していた。

数年前に僕がチャンを見た時(当時は蓮とは一緒ではなかった)、
チャンは自分の下の人間から分厚い封筒を受け取っていたし
ある時には現物そのものを受け取ったりもしていた。

なぜそれが現物と分かったかと言うと
チャンは店の社長や僕の所に来て
先刻受け取ったアタッシュを開けて言ったからだ。

「どれか好きなの買わない?」

アタッシュの中には、高級時計が何本もあった。
ロレックス、カルティエ、オメガ・・・
値札が付いたままのその時計は
明らかに本物であり、明らかに盗品だった。
どこかの宝石店を襲った戦利品だったのだろう。

「ロレックスは70%、他は50%でイイヨ」

不敵な笑いを浮かべてチャンは言った。
僕は時計というものにあまり興味が無かったので
チャンがこれを手に入れた背景を想像するだけだったが
横にいた社長は購買意欲をそそられた様子だった。

「このロレックス半値にしてよ」

盗品だと高をくくってか、そう値切ろうとする社長に
チャンは即座に答えた。

「ロレックスはダメ。売れるから。
でもカルティエも買ってくれるなら半分でいいよ。
社長の彼女にあげたら喜ぶよ」

基本的に、こと小売に関しては
普通の日本人は中国人の敵ではない。
彼らは何と言っても華僑を生み出した人種なのだ。

その時に、別の客の対応をしなければならなくなって
僕はその場を離れてしまい、
結局、社長が時計を買ったかどうかは定かではない。

ただ、当時ならいざ知らず
当局による対中国人の警戒態勢がこれだけ厳しくなった今、
以前と同じように、店で盗品を捌かせるわけにはいかない。

僕はチャンの機嫌が良さそうな時を見計らって
その意向をそれとなくチャンに伝えた。
チャンはにっこり笑って

「ダイジョウブ、今はそういうの持ち歩かないから」

とだけ言った。
僕らよりも本人の方が用心しているということだったのだろう。

チャンが来ることで、店にとって都合が良いことが
実はもう一つあった。

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The Outcasts・27-3

チャンが歌舞伎町に出没しだしたのは
多分、まだ、中国人でも比較的自由に
アングラカジノに出入りできる時代だった。

日本語も下手ではなかったし
盆面も悪くなかった。
もちろん、羽振りも良かった。

ただ、バカラに関してはやはりカモでしかなかった。
張りっぷりがいいから、勝てば数百万を抜かれるが
勝った金など数日すれば回収できるし
そもそも滅多に勝たないのだ。

だからこそ、中国人男性を規制するようになってからも
僕はチャンを受け続けていたのだとも言える。
来れば数百万単位の勝ち負けになるわけだから
まずまずビッグベッターと呼べる客なのだ。

僕のいた店が新たにオープンしてまもない頃
僕はチャンと区役所通りでばったり会った。
見るからに中国人と分かる男数人と歩いていたチャンは
僕を見つけると近寄ってきて

「遊べる?」

と尋ねてきた。

「チャンさんだけなら」

と僕は答え、チャンはそれにそれに頷いて
連れの男たちに何かを言って別れた。

そして僕は、そこからすぐのところにあった
当時の自分の店へと連れていった。

店には中国人の女性客が数人いたけれど
チャンはその全員と知り合いのようで
中国人女性たちは一様にチャンに声をかけ
チャンも鷹揚にそれに答えていた。

そしてチャンは携帯電話でどこかに電話をかけた後、
奥の高レートテーブルに座り
万札のズクを5つ出してゲームを始めた。

程なく、派手な顔立ちをしたチャンの彼女がやってきて
他の中国人女性が遊んでいるのと同じテーブルに着いて
20万分のチップを買って遊び始めた。

会員規約への同意書へのサインは
彼女は「蓮」と書いた。
本名かどうかはもちろん知らない。

それからも、チャンとチャンの彼女は
僕のいた店に頻繁に来るようになり
店の売り上げにずいぶん貢献してくれるようになった。
いつの頃からか、蓮は妹と言ってもう一人女性を連れてきて
妹の方は同意書に「玲」と記した。

姉同様、妹の方もかなりの美人だったけれど
そちらには男の気配は全く無く
僕は実は二人ともチャンの彼女なのかと思ったりもした。
蓮よりも玲の方に気を使っているチャンの様子を見ると、
そうではなさそうなのはすぐに分かったが。

それはともかく、ビッグベッターが盆に一人いると
他の客も煽られて大きく張ったりするようになる。
プレイヤーとバンカーの両方にかなりのベットが置かれる、
いわゆる「いい場面」が出来てくる。

そして「あの店ではいい場面が出来ている」という噂が
別のビッグベッターを引き寄せるようになる。

それは当局に目を付けられる一因でもあるのだが
客が入らないことには、店が潤うはずがないし
流行っていようが寂れていようがリスクは存在する。

ならば腹をくくって臨むしかない、
それが当時の僕の置かれた状況だった。

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The Outcasts・27-2

そもそも、アンダーグラウンドのカジノの世界では
金は、基本的に闇の中を動いていく。

チップを買ったからといって領収書も出ないし
大勝しても不労所得の申告をする人間もいない。
従業員の給料からの源泉徴収や保険の天引きも無い。

一番初めの開店時の資金すら
どこからどういう流れでやってきたのか
知っているのはオーナーだけだ。

当然、強盗の被害にあったところで
警察に届けられるはずはない。
(客が被害者になって、被害届を出すのなら別だけれど)

店の(あるいは客の)金を狙っているのは彼らだけではない。

従業員がヨコ(横領)で金を抜こうとしているかもしれないし
客がゴトを仕掛けに来ているかもしれない。
キャッシャーが胴金を持って逃げてしまうかもしれない。

さらに言うなら、摘発されてしまえばその金は没収されて
国庫に入ってしまうことになる。

(それでも尚、手を出してみようかと思うくらい
カジノというのは金が落ちるものなのだ、と言えば
合法的に運営できるのなら、と
地方自治体などがカジノ法案に色気を見せるのは
理解できるのではないかと思う)

話が、少し逸れた。

乱闘だの強盗だのときな臭い話が次々に発生した結果
大抵のカジノでは中国人男性を無条件には受けなくなったが
条件付で彼らを入れる店というのは何軒かは存在した。

張りっぷりが良く、盆面のいい客であること、
顔馴染みの黒服がいて、日本語で会話が出来ること
そういう人間だけを選んで受けていくのだ。

多くの場合、そういう中国人は
彼ら不良グループ(もちろん荒稼ぎしている)の幹部クラスだ。
取り巻きも入れないし、友達でも紹介客は受けない、
その人間だけ入店を認める、という条件を呑むなら受ける。

一般的に、中国人は僕ら日本人が想像するよりもずっと
面子や体面というものを重要視する。
面子を潰されたと感じた時の怒りは大変なものだ。

逆に言えば、普通の・・いや、普通ではないか・・
平凡な中国人が入れない場所に
自分だけが特別に入ることが出来る、というのが
中国人不良のある種のステイタスになっていく側面もある。

よほどシノギに詰まってくれば牙を剥くこともあるだろうが
カジノの寿命の方がよっぽど早く尽きるから
そんな気配がすれば店を閉めてしまえばいい。

少なくとも、不良のリーダー格を入れて面子を立てておけば
その場所を荒らさせないようにしてくれるのだ。

チャンはそんな特別な中国人の一人だった。

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The Outcasts・27

アングラカジノの世界で一日に動く金は大きい。

店側が受ける、客のプレイヤーとバンカーへのベットの差額が
10万から30万くらいのテーブルしかない小中規模の店でも
店に置いている胴金は少なくとも300万はある。

50万から100万といった高額なテーブルを置く店であれば
最低1000万程度は置いていないと
客が大勝した時に(もちろんそういうこともある)
換金用の資金がショートしてしまう。

客が勝った時に勝ち金が付けられないというのは
アングラの賭場では致命的だ。
チップを買う時は現金を出さなければ買えないのに
それを換金できない賭場で打つ者などいない。

だから、アングラカジノの店の中には
胴金として置いている金と客が持ってきている金を併せれば
数千万もの金があるということになる。
ある意味では、誰もがそれを虎視眈々と狙っているわけだ。

そして、その割にはセキュリティは甘い。

武装したガードマンがいるわけでもなければ
防弾ガラスがキャッシャーに張られているわけでもない。

その結果、一時期カジノを襲う強盗などというものも頻発した。
客を装って店内に入り、頃合いを見計らって襲う。
中国人密入国者の集団などが形成するチャイニーズマフィアは
銃や青龍刀などを持ってきて襲うから、誰も抵抗出来ない。

しかも彼らは、店側だけでなく、店で遊んでいた客まで襲う。
手口も非常に荒っぽく、あちこちのカジノを襲った中には
猿轡代わりに口に巻いたガムテープで窒息死した客もいた。

そうなってくると、中国人男性が何人もいるような店には
日本人が近寄らなくなってしまうことになるから
都内のカジノでは中国人男性自体を最初から断るようになった。

警察白書などでどう分析されているかは知らないが
中国のように広大で、かつ言葉が何種類もあるような国では
人の行き来が非常に少ない。

例えば広東語を話す地域から上海語を話す地域に移る者は
よほどの事情が無い限りまずいない。

北京に関しては、北京語が公用語であることもあってか
その傾向はやや低いようだが、
いずれにしても人の交流が少ない分、
その地方によって気質がかなり異なる。

さらに踏み込んだ分析をするなら
日本にいるチャイニーズマフィアが主なシノギにすることも
彼らがもともといた地方によってずいぶん異なる。

福建省などのグループであれば
強盗、それもかなり荒っぽい手口の粗暴犯が多いし
上海のグループならカード偽造などの知能犯が多い。
東北などから来たグループであれば、北朝鮮に近いせいか
覚醒剤の密売などをシノギにしているようだ。

基本的には彼らは博打に関してはカモでしかないし
彼らが持ってくる金は魅力的ではあるのだけれど
彼らが博打を打ちに来ているのか
あるいは客を装っているだけなのかは外見では分からない。

もちろん最初は客として来ていたのが
金に詰まった挙句強盗になるというケースもある。

だったら最初から入れないようにするしかないので
中国人と思われる男性客に関しては
新規の時点で受けないようになってしまったのだ。

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ニュース解説

まずはこのニュース。

9月19日付だったかな。
報道では実名報道だったけど、ここでは名前を伏せる。
別に知り合いでも何でもないけど、
公的な報道機関じゃないので実名である必要もないから。

売り上げ3億円超か=バカラ賭博で18人逮捕-警視庁

バカラ賭博をさせたとして、警視庁組織犯罪対策4課などは18日、
賭博開張図利などの現行犯で
横浜市港南区上永谷、カジノ店店長A容疑者(39)ら15人を逮捕し、
賭博の現行犯で東京都渋谷区に住む不動産仲介業の男(59)ら3人も逮捕した。

同課はバカラ台やトランプ、現金約600万円を押収。
5月下旬から営業を始め、3億数千万円を売り上げたとみて追及する。

調べによると、A容疑者らは18日午前1時55分ごろ、
港区南青山のビルにある地下2階の一室でバカラ賭博をさせ、
手数料を徴収するなどした。

たぶん、普通の生活を送っている人は
こんなニュースは斜め読みして終わりなんだろうけど
僕はこういうのをいちいち精読しないと気が済まない(笑)。

で、こんなことを読み解いていくわけだ。

夜中の1時55分ってずいぶん遅い時間にガサ入れてるな

→たぶん24時間営業じゃなくて夕方6~8時くらいに開けて
朝8時くらいまでの営業なんだろう。
で、場面が盛り上がるのが夜中なんだろうな。
この日は客の入りが遅くてなかなか場が立たなかったと見た。

四ヶ月で売り上げ3億数千万か

→この売り上げってのは多分インの総額だろう。
ここから客が換金して持って帰る分は入ってないはず。
20%抜けてたとしても粗利で7000万弱。

実際は6000万を切るかな。
24時間営業じゃないと、抜け切れないだろうから。
月に1000万残っていれば上出来。
サービスや営業費などを考えたら1000万切るかも。

経費は家賃とケツ持ちで200万。
人件費は黒服が5人、ディーラーが5人、ウェイトレスが2人
キャッシャーとシキテンが1人ずつと見れば十分。
500万くらいかかってるだろうか。15人いれば600万いくか。

純益で残るのは2,300万ってところだろうか。
これがオーナーの取り分ってことになる。

とまぁ普通ならここで終わって別に記事にもしないんだけど
今回は続報が出ていたのだ。

不動産会社社長を逮捕=バカラ賭博場を実質経営か-警視庁

東京都港区南青山のビルでバカラ賭博をさせたなどとして
18人が逮捕された事件で、警視庁組織犯罪対策4課は1日、
賭博開張図利容疑で、
同区六本木、不動産仲介会社役員B容疑者(63)を逮捕した。
「反省している」と述べ、容疑を認めている。

調べによると、B容疑者はカジノ店店長A容疑者(39)らと共謀。
9月18日午前1時55分ごろ、同区南青山のビルの一室で
バカラ賭博をさせて手数料を徴収し、不法な利益を得た疑い。

店を訪れては従業員に指示を出しており、
実質的な経営者の一人とみられる。

これが1日付のニュース。

オーナー逮捕と聞いてちょっと驚いた。
普通は表には出てこないわけだから。

でも報道を見ると、
店を訪れては従業員に指示を出しており、とある。

現場出てるんかーい!

時々いる、こういうオーナー。
一代で財を築いた叩き上げの人が多い。
自分のやり方や経営の仕方に自信があるのだ。

「俺の言う通りにしてれば間違いないから」

なんて言って末端のディーラーにまで説教なんかしたりする。
摘発された時には店にはいなかっただろうけど
きっと内偵捜査段階で写真バッチリ撮られてるね。
連日出入りしてるんだから、尾行されてたかもしれない。
で、他の客や従業員に面通しされて終了、って感じかな。

「あ、この人いっつも来ていろいろ指示出してました」

なんてね。
アングラ商売には向かないタイプなんだろう。

そして驚くべきことに、
さらにこの事件は続報が出たのだ。

映画製作会社社長ら逮捕=バカラ賭博場関与の疑い
-運営資金を出資・警視庁

東京・南青山のビルでバカラ賭博をしていた事件で、
カジノ店の経営に関与した疑いが強まったとして、
警視庁組織犯罪対策4課などは16日、
賭博開張図利容疑で
横浜市港北区日吉本町、映画製作会社社長C容疑者(63)を逮捕した。
同ほう助容疑で東京都中野区大和町、同社役員D子容疑者(38)も逮捕した。

C容疑者は「間違いない」と容疑を認めている。
賭博場運営資金を出資しており、
同課は事実上のオーナーだったとみている。

調べによると、C容疑者らはカジノ店店長(39)=起訴=らと共謀。
9月18日午前1時55分ごろ、港区南青山にあるビルの地下二階の1室で、
客にバカラ賭博をさせて手数料を徴収し、不法な利益を得た疑い。
 

芋づる式キター!

この人たちはさすがに現場に口は出してないだろう。
客のふりをして覗きに行ったりはあっただろうけど
オーナーだなんて知ってるのはおそらくAとBだけだ。
(共謀してって書いてある以上、ABとCは面識はあるはず)

最初に落ちたのは多分Bだろう。
(弁護士を着けてやったりとかそういうケアが無かったら
もしかしたらAが謳ってしまったかもしれない。
そういうケースも稀にある)

ともかく、実質的な経営者の取調べとなってくれば、
日々の行動だけじゃなく
携帯の通話記録とかまで洗われちゃって
金の流れも掴まれたのかもしれない。

「Bよ、毎日電話かけてるこのCってのがオーナーだろ?」
「お前Cと六本木の○○で会って上がり渡してたじゃねぇか」

まぁ証拠固められたら吐いちゃうよね、普通は。
でBが吐けばAも落ちると。

「お前だけCかばってても、お前の心証が悪くなるだけだぞ」
「もうBがゲロってるんだから認めちゃえよ」

あの手この手だ。
警察ってのはそういうプロだから。
いや、経験はないけど。

BとCは同じ年齢ってことは
同窓かなんかのつながりもあったかもしれない。
アングラ商売に手を出すからには
信頼できる相手じゃないと、なかなか組めるもんじゃないし。

で、もう一点、気になった点がある。
幇助容疑で捕まったCの会社の役員D子(38)だ。

役員にしては年齢がやけに若くはないだろうか?

ここで誰もが思い当たるだろう。
D子はCの愛人なんじゃないか?と。

多分、これは当たっているんじゃないかと思う。
その若さで役員になり、
Cが手を出したアングラ稼業にまでタッチしているのだ。
普通の雇用関係では考えられない。

さらに踏み込んだ考察をしてみる。

店長にまでなるくらいだから
Aはかなり長いことこの世界にいるはずだ。
バブルの最中にこの世界に入ってきたかもしれない。

だって、僕と同年代だから。

そして、AだけでなくD子も同年代だ。
となると、こんな仮説が出てくる。

D子はもともとこの業界にいたんじゃないか?
AとD子はもともと知り合いなんじゃないか?

ディーラーかウェイトレスかは分からないけれど
この世界を全く知らない女性が
パトロンの隠れた出資先まで関わるとは思えない。

むしろD子が、Aの持ちかけてきた話を
BとCとの間に入ってプッシュしたのではないだろうか・・・。

もちろん、これはただの僕の妄想だ。
でも、テレビのニュース番組では絶対に取り上げられないので
ここでこうして取り上げてみた。

そんな妄想してたって何の役にも立たないんだから
仕事しろっつー話なんだけどね。

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ギガンテスに遭遇

今月に入って不調の天鳳。

起家の時は跳満あたりを親被りして始まり
ラス親の時は同点でラスを引く。

和了牌はどこまでも山に深く
手にならないはずなのに6巡目に二軒リーチに挟まれて
なぜか両方に通る牌も無く後筋に引っかかる。

誰と当たっても勝てる気がしないのだけれど
泣きっ面に蜂を地で行くように「ギガンテス」にぶつかる。
逃げられるなら逃げたいけれど、逃げようが無い。
覚悟して対局を始める。

ところが東一局に親が猛連荘してダントツになる。
これじゃラスだけは避けて、あわよくば2着を目指すしかない。

そんな状態でラス前を迎える。

点数状況はトップ目が55500、僕が2着で18800、
ギガンテスが15700で親が10000点だ。
現状は辛うじて2着目だけれど
ラス親がギガンテスだから少しでも点差を付けておきたい。

ということでこの聴牌で即リーチを打つ。

Photo

北家だからダマでも和了できるけれど
2600和了したところでほとんど条件が変わらない。
だったら5200、裏次第で満貫にして
オーラスを少しでも有利な条件で迎えたい。

ラス目の親が押し返してきて追いかけられるけれど、
さすがにこの状況は想定内だ。

親の現物に北があるから
親に打つなら、と北が出る可能性もある。
字牌のシャンポンはそんなに悪い待ちではない。

ここでギガンテスの捨て牌に注目してもらいたい。
共通安全牌はおろか、片方の現物すら無い。
一発目の一万だって親に通る保証は無い。

そして安全牌が増えないまま手が詰まる。

Photo_2

ギガンテスから見た場が上の画像だ。
(北掴んじゃえばいいのに!)

ここでギガンテスはほぼノータイムで六万を落とす。
この理由がまるで僕には分からない。
まだ七万だったら苦しい二枚壁かなと思うのだけれど。

でも七万切ってしまえば四万も出て行ってしまうかもしれない。
ところが親はカン四万なのだ。

Photo_3

結局この局は流局した。
ギガンテスの守備力の高さに感心するしかない。
案の定、僕の和了牌は王牌に2枚も殺されていた。
北を掴んだらどうしたかには興味があるけど。
(白はさすがに出ないだろう)

Photo_4

この対局は必死で2着を死守した。
続く一本場で満貫をツモって迎えたオーラス
ラス目とギガンテスの仕掛けが入る。

Photo_5

跳満でトップの場面になったけれど
僕はひたすら耐え忍んで、ギガンテスをノーテンに封じた。

タンピンドラ2で跳満が見えてきた時など
何度中を切りたくなったか分からない。
でも切ったらギガンテスに鳴かれてたぶん和了されただろう。

Photo_6

この回は何とか耐えられた。
でも、やっぱり不調の時期は焦りも出てきて
耐え切れないこともいっぱい出てくる。
そして僕は不調の時に、つくづくあることを実感させられる。

切れ打ち、降り打ち、豆ダマ・・・

どう見ても僕がスライムです本当にありg(ry

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練習試合 柏レイソルvsFC東京

代表の試合日程の影響で、
せっかく連敗を止めたレイソルの試合は2週間空く。

練習見学にでも行こうかと思っていたら
今日、FC東京との練習試合があるとのことで
雨が上がったこともあって出かけてきた。

先日の大学との練習試合とは異なって
J1のチームが相手だから、現状を見るのにはうってつけだ。

かなり気温も上がって日差しも強い。
ピッチコンディションはあまり良くはない。
両チームとも、怪我には気をつけてもらいたいと思いながら
開放されたメインスタンドに腰掛ける。

前半は両チームともレギュラークラスが並ぶ。
FC東京は故障者が多いとのことで
カボレなどの外国人選手は出ていなかった。

レンタルで移籍している鈴木達也が元気そうで安心するが
同じことを感じている人は多いようで
鈴木には一際大きな拍手が飛ぶ。

試合の方は、お互いあまりタイトにマークしていないせいもあって
フランサの技術がやけに目立つ。
高い位置でボールを自由に持たせると
やはりとんでもないアイデアとそれを実現させる技術を見せてくれる。
ただしパスを受けた選手がシュートを枠に飛ばせずに
なかなかゴールは決まらない。

相手のFC東京も赤嶺あたりはやはり怖い選手だなと思う。
フランサにボールが渡った時に、相手のGKが
右足に注意するように指示が大声で飛んだが
その瞬間、フランサが左足でパスを出してスタンドに笑い声が起きる。

選手同士の声の連携もほとんど聞こえてくる。
こういうのも練習試合の面白いところだ。

前半終了近くに、いいクロスが上がってきて
相変わらず調子の良さそうな菅沼が決めて1-0で前半を終える。

杉山のポテンシャルの高さが非常に目立った。
真面目な話、この選手、体調が良ければ
長谷部や稲本あたりと比べても遜色ないかもしれない。
結婚したばかりの永井もそろそろ覚醒してくれてもいい頃だ。

後半はユースの選手もかなり入れてきて
調整というよりはアピール的な要素が強くなる。

連携という点ではまだまだだけれど
このうち何人がトップで通用する選手に育つか、というのも
地元のクラブを応援する大きな楽しみの一つだ。
柳澤も出ていたけれど、後半の最後の方はかなりばてていた。

ナイジェリア人の練習生を守備的MFで使っていたけれど
特に目立つような動きは無かった。
あまりにも線が細すぎるという印象だったけれど。

目立ったのはポポ。
素晴らしいミドルを3本ほど打って1本決めた。
寄せが甘いとやはりいいシュート力を持っているのは間違いない。
あまりゴールを決めていないけれど
ポポの武器を生かすような使い方自体が少ないんだと思う。
個人的にはもう一年見てみたいと思った。

FC東京では、ハナ○ソ王子こと平山が出ていた。
体格の割には足元が上手い選手だけれど
トップ下のような位置に入っていてもあんまり怖くないようには思う。
ポストがきちんとできるのであれば相当怖いはずなんだけれど。

後半はお互い一点ずつ決め合って、結局2-1で柏の勝ちで終わった。
勝敗自体に大きな意味は無いけれど
やはり負けるよりは勝った方がいいに決まっている。

200810111454000

試合後、鈴木が大谷や蔵川と談笑していた。
青いユニよりも黄色のほうが似合うよ、でも。

200810111453001

ボランチの組み合わせにかなり幅が出来てきたようで
これはかなり心強くは感じられた。
左SBに蔵川が回れるようなら尚更だろう。
山根、杉山、栗澤、永井、大谷をどう組み合わせるか。

この日の印象だと、降格を危ぶむような陣容ではない。
後6試合、一つでも多くの勝ち点を期待できそうだ。

もちろん、相手も必死にやってくるのだから
そんなに簡単ではないのだけれど。

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感情移入

昨日、サッカーの日本代表の試合を観た。

強豪チームである浦和とガンバの選手がいなかったけれど
それを抜きにしてもしょっぱい試合だったなぁと、思う。
シュートが枠に飛ばなさ過ぎる。

昔に比べれば強くなっているのは間違いない。
でも、その分、移入できないような気はする。

ドーハより前の国際試合においては
そもそも「その先にあるもの」自体が見えなかった。
ドーハになって初めて、それは現実の目標として見えた。
結果は悲劇に終わったけれど、僕はものすごく移入して観ていた。

フランスW杯の時もそうだった。
日韓共催の時も、そうだった。

強くなって「その先」の舞台で戦う代表に一喜一憂していた。

いつから、こんなに醒めたんだろう。

贅沢なのかもしれないけれど、親善試合では物足りなくなった。
選手が手を抜いているわけではないのは分かる。
非常に優れた選手が集められている。
柏レイソルの敵チームとして見たら、いやな選手ばかりだ。

ということは、舞台設定が物足りないんだろう。

でも実は、移入できない理由がもう一つある。
あの応援だ。

おーにぃっぽぉおん、にぃっぽぉおんにぃっぽぉんにぃっぽぉん♪
ハイ、ハイ、ハイハイハイハイ♪

このチャントがダメだ、と言っているのではない。
中東などの遠距離まで遠征するウルトラには敬服もする。
彼らがいるから、弱かった代表も強くなってきた側面もある。

でもこればっかりってのはどうなんだって思うのだ。
ハイ、ハイ、ハイハイハイハイって
まるでコンパの一気飲みじゃないか。

チャンスでもピンチでもこれ。
耳になじみやすいメロディだから余計に困る。

試合には流れというか展開上の綾のようなものがあって
相手に押し込まれる時間帯もあれば
こちらが押せ押せになる時間帯もある。

ボールを奪った瞬間に「これはチャンスだ」というケースもあれば
セーフティに外にクリアすべきケースもある。

クラブチームの応援はだいたいそれに合わせて作られている。
CKやFKの時の専用のチャントはどこのクラブにもある。

その他、柏の場合で言えば、太鼓を使った応援があるが
最終ラインでボールを回している時はゆっくり太鼓を鳴らし
カウンターなどで一気に前線に持って行く時は鋭く、短く鳴る。

日立台のような臨場感のあるスタジアムであれをやると
いかにもスタジアム全体でチャンスを後押ししているような気になる。
当然ピンチの続く展開の時は、それに合わせたコールがある。
応援は試合展開に合わせた方が、移入はしやすいのは間違いない。

それに比べて常に「にぃっぽぉおん♪」はちょっと移入しにくい。
もっとはっきり言うなら、飽きる。
良し悪しと言うよりは、好き嫌いの話ではあるけれど。

日本代表も停滞している今、
応援のあり方も考え直した方がいいように思う。
自然発生的に応援が変化するのが一番なんだけど
コールリーダーがいたらそれは難しいんだからさ。

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振り向けば奴がいる

ついに、ついに奴がやって来た。
この一ヶ月ちょっとの間、気配はあったものの
俺じゃなく、福地先生のところに行ったとばかり思っていた。

だがしかし。

さんざん嬲られた後、福地先生が奴の目論見通り降段した。

「福地誠、死亡確認!(AAry)」

と言ったかどうかは定かではないが
どうやら奴は次の標的に俺を選んだらしい。

奴が狙いを外すなんてことはない。
今月になって3-3-6-9で、わずか20戦ほどの間に
俺は奴にRを50、ポイントを600ほど奪われた。
あっという間だった。

だからと言って打つのを止める訳にはいかない。

確かに最近は雑スレもあんまり見ていないし
誰に義理があるわけでもない。
別に止めても一向に構わないはずだ。

でも戦いの舞台があれば、戦わないわけにはいかない。
そこに山があるから山に登り、
そこにアイコンがあるからクリックするんだ。
いちいちそんなので止めてどうすると、
自分を叱咤して俺は天鳳を起動した。

手にした配牌がこれだ。

Photo

はっきり言って、良くはない。
チャンタと789の三色がかすかに見えるくらいで
とてもじゃないけど面前で聴牌する手ではないだろう。

半分ブラフのつもりで俺は真ん中から切り出した。
ちょっとでも動きがあったら降りるつもりだ。

ところが思いがけないツモが来た。
幺九牌ばかりであっという間にこうなったのだ。

Photo_2

どうだい、国士無双の一向聴だぜ。
發が来れば夢の十三面張の聴牌だ。
少なくとも聴牌まではほぼ間違いないと思うだろう。

ふっ、ここからが長いのさ。

場に出ているのが15枚だから、この時点で24枚ある。
他家の手にある枚数は字牌は無さそうだし
6枚としても残り18枚で山の残りが55枚だ。
約3分の1は幺九牌という計算になる。

奴め、何回空振りさせやがる。

ようやく聴牌が入ったのが5巡後だった。
發待ち。お約束のように1巡前に切られている。

Photo_3

そして1巡差で助かった下家の親がリーチをかけて一発ツモ。

Photo_4

なになに、ドラ単騎七対子か・・。
裏ドラ乗って親倍か・・くっ、あの發を捕まえられないとは。

「くやしいのうwwwくやしいのうwwww」

奴の嘲笑う声が聞こえてくるようだ。

この時点でテーマはラス回避だ。天鳳なら当然だろう。
ところが3着目で迎えたオーラスの親でまた大物が入る。

Photo_5

どうだ。カンドラも乗ってドラのダブ東ポンだぜ。
ダブ東ドラ7赤1の親倍、待ちも良さげな四ー七万だ。
四枚目の東持って来ないかななんてお前だって思うだろ?
サイバイマーン、カモーンってなもんだ。
それでも出たら2着までだけど。

ところでここで3-6筒のどっちを切るかって話なんだが
まぁ数巡前に自分で切った6筒に手をかけたくなるが・・

Photo_6

「否っ!この時対面は張っていたッ!現物のカン6筒・・!
一歩踏み出せば奈落ッ、すぐ先に待ち構えていた死神ッ」

福本伸行風に書けばこうなる。
ヒゲロングさんなら画像を作るんだろうが、
そういうのはあちらさんの専門分野だ。
こっちのブログに期待されても困る。
縄張りに敏感なのはヤクザの習性だ。

でも俺は3筒切ってかわしたよ。
6筒2枚切ってしまうと筒子の上を押されやすくなるし
後々4筒と入れ替えるべき局面になるかもしれないからな。
6筒は下家が2枚抱えてるから、この時点で対面はカラ。

俺の四ー七万は7枚生き。対面の6筒は0枚。
7対0だぜ、なな、たい、ぜろ。
大事なことなんで二回(ry

つーか、この四ー七万、配牌からずっと受け入れを待ってたんだが
幾らなんでも深すぎやしないか?そう、これも奴の仕業さ。

ともあれ7対0ならめくり合ってりゃ自然にこっちが勝つ。
でも奴にはそんなこと関係ないんだ。

「クックック・・簡単なこと。
山に無ければ出させればいい」

そんなつぶやきが聞こえた気がして、俺が持ってきたのは中。
下家ポン。現物の6筒の対子落とし。

「ロン、1300」

・・・終了か・・夢見させやがって・・。

ああ、三着で良しとしろよ、だよな。分かるぜ。

でもな、これだけは言っておくぜ。
奴はいつだって気まぐれに動きやがるんだ。

俺がくじけちまったらどうする?
「もうやってらんねぇ!」なんて保存しちまったら。
「雑スレも天鳳も卒業だ!」なんて言い出したら。

最近の雑スレの荒れ具合を見ると、
もしかしたら、いい頃合なのかもしれないしな。

そしたら、奴が次に行くのは・・・。


ほら、お前の後ろ、何か気配がしないか?

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追求

麻雀の世界は狭い。

僕のような一介の愛好家でさえ、
ほんのちょっと知人を辿って行くだけで
結構な有名人と知り合うことも出来たりする。

ブログやSNSという相互的メディアのおかげで
その手間も格段に少なくなった。

ひょんなきっかけで知り合った人が主催する大会があって
そこで僕は、数多くの人と知り合い、卓を囲んできた。
今回で、6度目の大会になるだろうか。

今回の出席者は・・

近代麻雀にコラムを持つライター。
同じく近代麻雀に連載されている漫画の原作者。
将来を嘱望されつつも、一線を退いた元有名プロ。
一日に四桁を超えるアクセスを集める有名ブロガーなどなど。

5年前の僕ではまず知り合わなかった人々と
こうして大会のようなものに一緒に参加できるのだ。
実に素晴しいことだと思わざるを得ない。

もちろん、実際の麻雀は別だ。
有名人が相手だからと言って、気後れするわけにはいかない。

東南戦、赤無し、一発裏ドラありのルール。
全員と一度は当たるシステムでの半荘5回戦の予選と
予選のポイントを半分持ち越して行われる一回勝負の決勝。

勝ち負けは時の運とは言え、
負けたくないのは当り前の話だ。
俺TUEEEE日記を書かれるのは嫌だという気持ちもあった(笑)。

この日の前半は、かなり好調だったと思う。
手もそこそこ入っていたし、押し引きもまずまず合っていた。

何と言っても、打荘数で言えば
僕はこの半年で東風戦を2500回打っているのだ。

リアルの打ち込みが不足してる分、
牌は時々こぼしたりしてしまうけれど
麻雀は牌捌きを競うゲームではないし
打っているうちに、そういうのは体が思い出してくる。

問題はあくまで局面ごとにどういう打牌をするかだし
そういう意味では、実戦不足ということはないはずだ。

結果、予選を終えて僕は総合3位で決勝卓に進むことができた。

トップとの差は50弱だったから、
優勝条件は、首位を10000差の3位以下に落としてのトップだ。
幸い席順がラス親だったので、オーラスまで目は無くならない。

けれど決勝戦は開局直後から苦戦が続いた。
全く手が入らないか、一向聴までこぎつけても
そこから手が全く進まないうちに
他家からリーチが入って後退を余儀なくされる。

キレたらダメだ、我慢するんだ。

そう思って必死に耐える。

麻雀はツいているときは誰が打っても勝てることも多い。
みんな上手く、強く見える。
でも不調の時ほど、その打ち手の傾向や資質は出てくる。
自棄になったり、場が見えなくなって雑になったり。

焦りや苛立ち、甘さを見せてはならない、そんなことを思いながら
他家の動向に細心の注意を払う。
この状況で他家を楽に走らせては、場を壊してはいけない。

なんてドMなゲームなんだろう。

けれど我慢している間に、ツモられたり不聴罰符を払ったりで
放銃も和了も一度もないまま僕の点数は徐々に削られる。
15000差の3着目でラス前を迎えたが、
むしろこの点差で済んでいるのは上出来と言っていい。

幸い、トータルトップ目が現状のラス目だから
自分が浮上できさえすれば優勝のチャンスはある。
ただし、他の二人もそれは同じな上に
その二人は3万点ちょっとで競り合っている。

とにかくオーラスの親を圏内で迎えたい一心で
必死で仕掛けて2000点を和了する。
リーチ棒が2本供託されていたので
これで親満和了で優勝(和了止め有りのルールだ)だ。

上家と下家は和了トップ。
ラス目のトータル首位は満貫ツモで優勝。

配牌はいたって平凡。

三萬四萬一筒一筒二筒二筒二筒四筒八筒九筒四索北北白

かすかに234の三色が見えるくらいか。
実際は何でもいいからリーチを打つ形になるだろう。

ところが、手牌が意外な伸びを見せた。

四萬を立て続けに引いて暗刻が二つ完成する。

一筒北はまだ生牌だ。

聴牌になる牌を引け。

そう念じつつツモると九筒が重なった。

四萬四萬四萬一筒一筒二筒二筒二筒八筒九筒九筒北北

他家は特に目立った捨て牌ではなく
北家の上家はタンヤオ系統の捨牌で
翻牌の北を持っていそうな切り出しではない。

これは全部山にいるだろう。

そんなことを思い、鼓動が一瞬早くなるのを感じる。
ツモり四暗刻の形なら、出和了でも優勝だ。

そこで場に出たのが九筒
僕はこれを鳴かずにスルーした。

残りの一筒九筒北は確かに全て山にいた。

けれど、それをツモる権利は与えられず
上家がタンヤオの仕掛けをした瞬間、
下家に平和の聴牌が入り、僕がすぐにそれを掴んだ。

「ポン聴だったかなぁ」
「ツモでOKだしねぇ」
「いや、あれは伝説を作りにいくべきでしょ」

ギャラリーになっていた参加者と言葉を交わしながら
僕は山をめくった。
ごく浅いところに、一筒北があった。

ポン聴を取って、ツモなら満貫で終了。
出和了でも続行できるんだから。

それは分かっていた。
そして、それが賢明だというのも分かっていた。
緩慢な手組みで進めていい局面ではない。

優勝以外に価値はない大会だ。
役満に祝儀が付くわけでもない。

美学とか美意識とかそういう格好の良いものではない。
僕はコジマセンセイではないから、
そんな美学は誰にも求められてはいない。
勝ちさえすれば良かったのだ。
つまらない見栄を張る必要など、どこにも無かった。

十分ではないか。
耐えて耐えて、オーラスの親を迎えて
この手をツモれれば逆転優勝できるのだ。
出和了だとしても、次局以降にまだチャンスはある。

でも、僕は自分で分かる。
僕はあれが鳴けない。
多分、また同じ状況になっても1枚目は鳴かないだろう。

それは美学というよりは
できれば役満でかっこよく決めたいという欲なんだろう。
あるいは一撃で決めたいという焦りか。

後悔は無いけれど
でも、だから僕は、やっぱり弱い。

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2008・Jリーグdiv.1第二十八節 大宮アルディージャvs柏レイソル

柏サポーターにはたぶんトラウマがある。

降格したこと、そのものについてだけではない。
低迷したチームが壊れていく過程において
自らもその一端を担ったことについて、である。

不甲斐ない戦いに終始するチームを、選手を、
試合が始まる前から痛烈に罵倒し、
辛辣な言葉を並べた弾幕を幾つも掲げて
試合中にはホームチームにブーイングを浴びせかけた。
試合の後には、まるでダイジェストのようにそれらをまとめてやった。

観客が落とす金でプロの興行は成り立っている。
スポンサーが金を出すのも、そこに観客が集まるからだ。

そういう意味では、観客が不満に思った時に
それをネガティヴなメッセージとして行動に出すのは
必ずしも間違っているとは言い切れない。

結果が出なければ叩かれる。

プロはそういうものも覚悟しなければならないものなのだ。

ただ、現実として、それが良い方向に作用することは少ない。
事実、降格した年の柏は、チームもバラバラで
サポーターの熱情は行き場を失い、
やがて怒りへと換わるしかなかった。

こんな思いはもう絶対にしたくない。

柏というチームが生まれ変わろうとしたのは
その思いが、クラブのフロントにも選手にもスタッフにも
さらには個々のサポーターにも共有されたからだと思う。

そのせいか、柏のサポーターは
チームが負けてもブーイングは滅多にしない。
先日の川崎戦のような大敗でもだ。

前述したように、プロであるからには
それは一概に否定されるべきではないのにも関わらず、
そういった行為があの忌まわしい記憶と結びつくのだろうか。

けれど、ここ10試合、勝ち星から遠ざかっていた間に
やはり不信感のようなものは出てきていたように思う。

サポーターのそういったナイーブさは
もしかしたら選手を甘えさせているのではないか。
サポーターの思いほど、選手は危機感が無いのではないか。

降格をいやでも意識せざるを得ない状況に追い込まれ、
そういったネガティヴな解釈も散見されるようになっていた。

そんな状態で迎えたアウェイの大宮戦、
柏サポーターの考える原点が明白に示された。
クラブの広報初め、スタッフの思いがダイレクトに届けられたのも
その原動力になっていたかもしれない。

クラブを信じて、選手を信じてくれ。
もう二度とあんな風にはならないから。

そんなメッセージがサポーターには伝わっていたはずだ。

アウェイゴール裏を埋め尽くす黄色。
強敵浦和レッズとの試合ですら2000人だった柏サポーターは
おそらくこの試合では3000人を優に超えていただろう。
(*画像はネット上で拾ったもの)

Momoiro07425

サポーターミーティングでの沸騰寸前の熱情は
ウォーミングアップの時の絶叫にも似たチャントになって爆ぜた。

柏サポーターの出した答えがその光景だったように思う。

試合は村上というラッキーボーイのおかげで
思いがけない展開になった。
まさかとしか言いようがないけれど、
使われない苦しさを味わってきた村上と菅沼が
揃って得点を決めたことは、何よりも素晴しいことだろう。

フランサは相変わらず視野が広くて技術が高く
(アウトサイドでどうしてあんな正確なパスを出せるんだろう)
古賀は終始安定したDFで、相手のFWを封じ込めた。
久々に出てきた杉山は攻守に効きまくりで
交替して出てきた選手も実に効果的に動いていた。
春先はまだひ弱だった大津も飛躍的な成長を見せていた。

4-0という結果は満足すべきものだろう。

ただ、まだ何かを成し遂げたわけではない。
低迷を打破するきっかけになりそうな手がかりを掴んだに過ぎない。

口先で「一心同体」と言うのは容易い。
耳障りの良い言葉が、時として問題を見失わせることもある。

けれど、この試合で見た光景は
この、まだ強豪とは言えない再昇格二年目のチームにとって
戻るべき原点の試合として記憶されるべきものだと思う。

信じるに足るクラブであり続けること。
そういうクラブだと信じ続けること。

日立台に少し雰囲気の似た箱型のスタジアム。
日立台よりも大きく、黄色く染まったゴール裏。
あの光景に未来の柏を重ねたのは、僕だけではないと思う。

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異端・2

現在、主流の考えとして存在する
親なら何でも即リーチ、
子でもリーチ+1翻なら原則即リーチという戦術。

面前で聴牌が入る、
リーチをかける
他家がみんな降りる
ツモって和了できる
(゜д゜)ウマー

これなら何も文句は無い。

問題は他家が押し返してきた場合だ。
めくりあいになって勝てればやっぱり(゜д゜)ウマーでいいけれど
負けた場合に、はい負けました、ラスでした、ではやはり厳しい。

それに、勝負事においては、戦術の固定というのは
必ずしも有効なものではないと僕は思うのだ。

例えば、株の世界で名を成した「是川銀蔵」という人は
こんな言葉を残している。

野も山も みな一面に 黄色なら 阿呆になって 白を買うべし

あるいは相場の世界には、こんな格言もある。

人の行く裏に道あり花の山

つまり、ある程度戦術が固定化しつつある現状では
あえてリーチをかけずにダマに構えるという戦術も
そこそこ有効なのではないかと考えたのだ。
(ラス回避のための苦肉の策でもあるのだが)

リーチをかけないことで打点は下がるけれど
「赤牌がある」「東風」の麻雀ではカバーできそうな気もしていた。

目立って意識したのは

・親とめくり合いの状況はできれば避ける
・場に高い色の愚形リーチを避ける

ということだけなのだけれど、
そうせざるを得ない状況ももちろんあって
一概に確立できたともなかなか言えない。

ただ、結果として僕のリーチ率は15.5%と平均を大きく下回った。
比べてみれば分かるけれど、明らかに異端の数字だ。

唯一クドーさんは僕と同じくらいのリーチ率だけれど
副露率が僕より5%以上高い。
そもそも鳴いたらリーチできないからね、という話なのだ。

ただ、打点に関しては当初の目論見通り
他の打ち手に引けはとっていない。
むしろ高い方だと言っていい。

ということは、これは結構有効な戦術なのではないか。
少なくとも、リーチをある程度控えていても
これくらい(直近800戦の平均順位2.360)は戦える、
ということは言えると思う。

(ただし、これは天鳳の赤有り東風という場面においてだ。
天鳳でも赤無し東南になれば打点の低さはカバーできないし
赤有りでも祝儀があるフリー雀荘のルールになったら
当然採るべき戦術は変わってくるだろう。
要は今度は使い分けられるだけの柔軟性の問題になってくるわけだ)

もちろん、こういうことを公開してしまうと
打ち筋がばれてしまうのではないか、
という懸念が僕にも無いわけではない。

でも、リーチをかけない、というのではない。
場面を厳選してリーチを打つ、というか
リーチの精度を上げていくように、僕が努力していけばいいのだし
実際サイトから拾ったリーチ和了率は
僕はサイトに載っている打ち手の中では最も高い数値だ。
(天牌みたいに「俺はあがれないリーチはかけねぇよ」とかは無理だけど)

何よりもだ。

戦術というのはやはり多数の打ち手によって検証されるべきだ。
リーチ最強と考える打ち手と、僕のような打ち手が混在し
それぞれ研鑽して進歩していけばいいと思う。

とつげき東北氏の唱えた戦術が数年経過した現在
相対的な有効性の低下を指摘されているように
そうやって淘汰や進化が繰り返されるのが優れたゲームのあり方だ。

僕はトッププレイヤーとは言えないし
具体的な結論を導くような研究もできないので
経験的な仮説しか出せない。
せいぜいこうやって仮説を発表して共有するだけだ。
検証して文章化する、だとかそういうのは
福地先生とそのブレーンに任せるしかない。

ただ、麻雀というゲームに魅せられた一人として
日々向上する努力を怠るような打ち手ではありたくないと思う。

今のところ、このアプローチで僕は八段を目指そうと思っている。
研究されたりして行き詰ったら、その時また考えればいい。
安定段位という指標からすると、かなり困難な目標らしいが。

ともあれ、精度をもっと高めることができれば
特上卓で頻繁に当たるような打ち手に対しては
逆に僕の打つリーチの威力が高まるという可能性だってある。
マークはするよりされる方が楽なはずだ。

「さくらこがリーチをかけてくるからには自信があるんだな」

こうなればイメージ戦争という麻雀の一側面においては確実に勝ちだ。





恫喝リーチとかそういう呼称はやめてほしいけど。

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異端

当たり前の話だけれど、麻雀に必勝法は無い。

デジタルだとかオカルトだとか、あるいは流れだとかを語ってみても
それは一つの考え方に過ぎない。
語る本人が、より勝てると考えている方法、アプローチだというだけだ。

ただ、シミュレータなどを使った期待値計算などの研究が進み
麻雀の戦術というのは大幅に変化している。

以前「昭和的麻雀」という表現を使ったことがあるが
一昔前の戦術は、明らかに不利とされるようになっていると思う。

・順子形でカンチャンが残ったら二面への変化を待って平和にせよ。
・簡単に降りるのではなく、極力回し打て。
・一手替わり三色はダマ。
・片和了の仕掛けは極力控えよ。

などの戦術を採用している打ち手は
リアルではまだそこそこの割合で残っているけれど
ネット麻雀においてはかなり少数になっているはずだ。

一発、裏ドラ、赤があるルール(祝儀がつくなら尚更)においては
基本は聴牌即リーチというのはかなり有効な、
というかほぼ絶対のチョイスだ。

天鳳においてもその傾向は顕著で
ほとんど全ての打ち手は聴牌を一直線で目指し
面前で聴牌が入れば、かなりの割合でリーチを打ってくる。

例の牌譜解析を集めたサイトで数字を拾うと
リーチ率の平均は18%近くある。高い人は20%を超えている。

実際、リーチに向かって押すのは相当怖い。
リーチをかけた時点で1翻増えていることに加えて
裏ドラが乗る可能性も30%くらいはあるのだ。

さらに、子が愚形のノミ手でリーチは不利だという考え方も
かなりの打ち手に浸透しているから
リーチを打たれた時点で2000以上はあることになるとすると
裏ドラ次第で満貫級になる可能性はかなり高い。

というか、リーチ打点が3900以上の割合は
サイトから拾うと全員87%以上あったから
3900がほとんど最低ラインと考えていいと思う。

全ての和了における3900以上の割合が
ほとんどの打ち手は60%くらいにまで落ちることを考えると
リーチがいかに強力か分かるだろうか。

けれど

はいはい。やっぱりリーチ最強なのね。

と、それで終わってしまっていいのだろうかと
七段維持に汲々としている一介の雑魚は考えたわけだ。

いつもいつも長々書くと怒られるので
ちょっと二回に分けて書くことにする。

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